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115話 神社

 お祭り会場がある神社の麓までやってきた。神社自体は山の上にあるんだが、お祭りの屋台自体は山の麓でやっている。

「と言うか場所が私たちのアルバイト先のラーメン屋の目の前じゃない!」

「ほんとですね。こんなに近くに神社?があるとは思わなかったです!」

 そうネリネとミルがアルバイトしているラーメン屋の目の前が、祭りの会場なのである。来年からは来やすいね!

「まぁまぁ、それはいいじゃない。わかりやすいことはいいことさ。さぁて早速神社まで登りましょう!」

 テンション高いのは俺だけで周りはシーンとしている。

「えー、この山登るのめんどくさいよー。それに周りからこんなにいい匂いがしてるのにー。」

「まぁまぁ、ひより。いつもここに来る時は登ってたじゃない。今年ものぼろうよ。」

「私たちの体力なら登るのは楽勝ですけどお腹が空きましたね……。」

「今日のミナトは折れてくれなさそうよ。早く登って降りましょう。」

「私は片桐君に付いていきます。神社にお参りもしたいですし。」

 というわけで、神社にお参りをするべく山を登ることになった。山と言ってもそんなに高くないので登るのに時間はかからないだろう。

「スーリア。こういう時に騒ぎそうなお前が大人しいなんて珍しいな。何かあったか?」

 そう。面倒なことが嫌いなスーリアが山にすんなり登るのも珍しい。

「近くに来て分かったんだが、この上から魔力を感じる。だから興味がある。早く行こう。」

 珍しい魔力の溜まり場でもあるのかもしれない。そして俺たちは山を登り始めた。


山は石段とコンクリの階段の二段構えになっており、俺たちの体力と力ならかなり楽に登れる。ひよりと桃花も魔力が発現して魔力を扱っているため、通常の人よりも強いパワーを持っている。この間ひよりを揶揄った時に喰らった回し蹴りは非常に効いた。

「空を飛べればあっという間なのにぃ。」

「そんなことしたらひよりは有名人だな。」

「そんな悠長なこと言ってられませんよ、先輩。全国からひよりを探しに人が来ますよ。」

「こっちの世界は怖いわね。私も見つからない様しなくちゃ。」

「おや?ネリネちゃんもしかして隠れて空飛んでますか?ダメですよ、ミナトくんの迷惑になることはしちゃダメですよ?」

「……迷惑ばかりかけているミルに言われてしまったわ。」

「なにおー!私はいつも慎ましく生きてますとも!ネリネちゃんこそ慎ましさが足りませんよ!」

「私の方がミルより慎ましく生きてるわよ!そうよねミナト?」

「私ですよね、ミナト君?」

「「さぁどっち?」」

「あー、慎ましいといえば最近の里見さんは大人しいよね。転校してきたばかりは子作りがなんだって大変だったのに。ほんと大変だった。」

 と華麗に話を逸らした。後ろで、あー話を逸らしましたね、むっ。という声が聞こえてくるが気にしない。

「はい。片桐君の迷惑になると思ったので攻め方を変えています。もちろん子作りならいつでもできますので、その気になったら言ってください!」

「その気は起きないから大丈夫かな。あはは。」

 里見さんの本心は変わってない様だ。変わってて欲しかったなぁ。

 そう話をしているとあっという間に頂上に着いた。山って言っても小さいからあっという間だ。

「この建物が神社?」

「普通のお家とは違うみたいですね。」

「そうだよ。昔からあるから今の家とは違うかな。ここは小さい方だけど大きいと里見さんの家くらい広い神社もあるよ。」

「へぇ〜そうなんだ。大きい所にも行ってみたいわね。」

 ネリネは興味津々と言った様に辺りを見ている。

「順番が来たらお詣りしよう。えーとなんだっけ?」

「二礼二拍手一礼ですよ、片桐君。」

「ありがとう里見さん。お詣りする作法だからネリネとミルも俺たちの後に続いてやってみてくれ。」

「わかったわ。」

「わかりました!」

 というわけでやってみた。異世界人の二人は俺たちのを見てたから問題なく行えた。

「なんだか変な感じですね。儀式ですか?」

「確かに変な感じね。どうして行ったのかしら?」

 やったはいいもののなんでかわからなかった二人とも。先に説明するべきだったか。

「日本の神様にお祈りするために必要だったんだよ。実際にいるかはわからないけど、神様にお祈りして日々が平穏過ごせる様にってお願いする日だよ。」

「あとは穢れを清めるようにお願いすることになっています。昔からこの国の人たちは参拝してきました。」

 里見さんが後を引き継いでくれた。言いたいことは二人にも伝わった様だ。

「だからミナト君は最初にお詣りをやりたがったんですね。納得です。」

「いるかいないかって言ってたけど、神はいるの?いないの?」

「あくまで創造上の存在だね。現実にはいないよ。」

ふと、とある考えがよぎる。異世界があったり、魔法があったりしたのだ。神様と呼ばれる存在もいるのではないかと。まぁ、そんなことないか。うちわなんかが売ってるから神社の周りを一周する。

「湊。この建物を中心として魔力の気配を感じる。元々魔力が溜まってる場所に建てたんだろうね。さっきの話からするに、神がいると信じられてきて、一番願いが通じそうな所に神社を建てたんだろうね。この小さい建物でもこの魔力。湊、ここ以外に神社はないのかな?」

「神社なら日本中にあるよ。小さい神社ならほんとにあちこち。」

「大きい神社もあるよ、スーリア。先輩、もし旅行に行くなら神社やお寺巡りがいいかもですね。」

「確かに良さそうだ。暇ができたら行くとしようか。」

「その旅行、是非私にも同行させてください。」

「私も行きたーい!仲間外れにはしないよね?」

「私も行きたいです。先輩は私を置いて行かないですよね?」

「ミナトたちが行くなら当然私とミルもついて行くわ。置いてかれても困るもの。」

「そうですそうです。家がすごいことになっちゃいますから!ネリネちゃんのせいで。」

「なんで私のせいなのかしら!?」

 旅行に行くことが決まったみたいだ。みんなで行くとたのしそうだ。

「それに私自身もパワーアップできそうだしな。」

 スーリアが言った言葉は小さくて聞こえなかった。

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