113話 里見家
里見さんの家に着くまで大体50分くらいだった。途中までは銚子へ行く道というのはわかったんだが何回か曲がったのでわからなくなった。まぁ、そうそう来る機会もないだろう。道中カラオケをしていたら時間はあっという間だった。ネリネとミルもこちらの歌を歌えていたのにはびっくりした。よく見ているアニメのテーマソングだが、よほど気に入っているらしい。外国人が日本のアニメを好きになるのと同じ理屈かな?そしてお待ちかねの里見さんの家。そこはまさしく開いた口が塞がらないと言ったところだった。
「すげぇぇぇぇぇぇ!」
「おおきいーーーー!」
「!!!」
「流石に大きい……わね。」
「領主の屋敷より広くないですか…!?」
「ほうほう。やるね。」
全員驚きの声を上げる。里見さんの家、いや、もはや豪邸だった。まず門から家に着くまでも広い庭を走り、大きい家が待ち構えていた。その隣には車庫があり、車やバイクが何台も置いてあった。反対側にも倉庫らしきものがあり、こっちはシャッターが降りているので中はわからなかった。
「さぁ、皆さん。我が家の案内はまた後日に。着替えに行きましょう。片桐君は別行動です。大塚が車を車庫に入れたら来ますので少々お待ちを。」
「わかったよ、里見さん。」
そう言うと里見さんはにこりと笑って屋敷の中に入って行った。女性陣も彼女について行った。
「里見さんの家に、まるで異世界だな。ってスーリア?みんなと一緒に行かないのか?」
スーリアだけ俺の隣から動かずにいた。
「忘れたのかい?私は湊の側から離れられないって。服なんて対して興味もないしなんでもいいさ。それよりもこの家の方が興味があるね。ほのかに魔力の香りがする。どこかに魔石や魔空間があるかもしれない。この家の探索を提案するよ。」
「よそ様の家を勝手に探索できるか!」
スーリアの浴衣は後でなんとかしてもらおう。しばらく待っていると大塚さんがやってきた。
「片桐様。お待たせ致しました。こちらへどうぞ。」
と、案内を始めてくれた。屋敷の中に入るとその内装に圧倒された。よくテレビで見る内装そのままで天井にシャンデリアが吊り下がっている。シャンデリアなんて初めて見たぞ。天井も高く設計されていて全く圧迫感がない。そして何より広い。外から見たイメージまんまの広さにただただ、圧倒されるばかりである。そんな中何事もないかの様に大塚さんは歩き続ける。それについていくととある部屋に通された。中は学校の教室より少し小さいくらいの空間。あまり物は置かれていない印象だ。
「それでは片桐様。これより浴衣をお持ちします。何種類かございますので、お好きなものをどうぞ。」
「わかりました。ありがとうございます。」
大塚さんは部屋を出て行った。だが、数分も経たずに戻ってきた。たくさんのメイドと共に。
「えっえっ?」
今度は人の多さに圧倒される。そしてメイドにも混乱する。一般家庭でメイドっていないし!七人くらいの人が浴衣を持ってやってきた。
「この方が咲良様の婚約者の片桐様?」
「結構凛々しい人じゃない?」
「似合う浴衣選んで差し上げましょう!」
メイドさん達はやる気満々の様だ。この熱量を女性陣に向けてあげて欲しいが。
「女の子たちは自分たちで盛り上がってますよ。着付けのできるものも控えてますのでご安心を。」
俺の心配を察して一人のメイドさんが答えてくれた。それなら大丈夫かな。
「さぁ、片桐様。数種類お持ちしました。次々と着替えていきましょう!」
爛々とした目のメイドさん達に着せ替え人形にされた。着替えるスペースがあったのでそこで着替えた。服の着替えがこんなにも大変だとは。ついでにスーリアも着せ替え人形にされていた。俺よりもあーでもないこーでもないとされていた。スーリアは見た目がいいから服の選びがいがあるんだろうな。




