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108話 決着

 暗く黒い空間がパリパリと音を立てて崩れていく。桃花自身はスヤスヤ眠っている。よかった。大事ないみたいだ。服装も元の制服に戻っていた。

「ミナト!」

 外にはネリネや里見さん、ひより、スーリアがいた。皆待っていてくれたのか。

「ご無事でよかったです、片桐君。もう会えないかと思って不安で不安で。」

「心配してくれてありがとう里見さん。俺は簡単にはいなくならないよ。」

「片桐君……!」

 うっとりした表情でこっちを見る里見さん。あれ?変なこと言ってないよね?

「みな兄愛されてるねぇ。私はみな兄なら平気だって信じてたよ!」

「信頼に応えられてよかったよ。ヘマしたら後が怖いもんな。」

 ひよりからは拳を出されたのでこちらも拳を出して合わせた。昔からの馴染みであるひよりらしいひとことである。

「私の助言が効いたみたいだね。流石は我が契約者様だ。」

「おかげで助かったよ。ありがとうスーリア。」

 スーリアがにやりと笑った。こういう姿は絵になるなぁ。

「桃花を救ってくれてありがとう、ミナト。ミナトならやれると信じてたわ。」

「みんなが協力したから助けることができたんだよ。」

 ネリネが笑顔を見せてくれる。それだけで嬉しいものだ。

「桃花は眠ってるの?」

 ひよりが心配そうに桃花を覗き込む。

「桃花は今は眠ってるだけだよ。しばらくしたら目を覚ますと思うよ。」

みんな安心した顔をした。みんなの顔を見ていたら気づいた。一人足りないと。

「ミルはどうしたんだ!?」

 気持ちが焦る。まさかミルがやられたっていうのか?

「ミルなら運転手のオオツカさんと一緒にいるわ。深手を負って今は眠っているの。安心して、命に別状はないから。」

 そう説明される。傷を負ってしまったのは心配だが、命に別状ないならひと安心だ。

「さて、ここにいても危険だから、家に戻りましょう。桃花とミルを休ませてあげなくちゃ。」

 確かにその通りだ。二人を休ませなくちゃな。だが、この場をこのまま放置でいいのだろうか。そうしたら里見さんが、

「後の処理は私の家のものが行います。幹部クラスの実力者は倒しましたから後のことは家のものにやってもらいます。ですからご安心を。」

 と言ってくれた。里見さんがここまで言うのだから任せても大丈夫だろう。俺もちょっと疲れたしゆっくり休みたいな。と、思っていたら腕の中で桃花が動いた。どうやら目を覚ましたようだ。

「先輩ごめんなさい!私先輩に酷いことをしてしまいました!本当にごめんなさい……」

 起きるなりそう言ってきた。どうやらあの空間でのことは覚えているみたいだ。

「あんまり気にしなくていいよ、桃花。多分奴らに何かされた時に暴走しちゃっただけだと思うし。桃花の本心じゃないってわかってるから。」

 じゃなきゃあんなに重たい想いを持ってるわけないもんな。そういうのは里見さんだけで手一杯だ。

「本心が全くなかったかと言われるとそうでもないですけどね。」

「ん?何か言ったか?」

 声が小さすぎてよく聞こえなかった。いや、ほんとに小さかったんだって!

「いえ、なんでもないです。皆さんにもご迷惑をおかけしてしまいごめんなさい。」

 と、頭を下げた。悪いのは桃花じゃないんだしそこまでしなくてもいいと思うけどな。

「桃花!無事でよかった!もう心配で心配で!」

 ひよりがそう言いながら桃花に抱きつく。その目には涙を浮かべている。

「ごめんね、ひより。心配かけちゃって。」

「そうだよ、心配させないでよぉ。もう離れちゃ嫌だからね。」

 二人で抱き合う。美しき友情だ。この光景を守れただけよかった。

 そんなこんなをしている隙に、里見さんはどこから出したのかロープを使って倒れている山背を縛り上げた。まだ気絶しているみたいだ。

「さぁ、ここは咲良の家の人たち任せていきましょう。」

 そう言って俺たちは引き上げていく。アレ?呼び方変わった?

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