表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
105/122

105話 柚木桃花④

 俺は炎の槍を出しながら詠唱を始める。頼む、うまくいってくれ!

「逆巻け炎よ!全てを焼き尽くす豪爆の焔!フレイムタイガー!今だ!」

 詠唱を唱え終えた瞬間にフレイムランサーを消す。そして消した直後にフレイムタイガーをだす。この瞬時の切り替えができるかどうかが鍵だった。結果はフレイムタイガーが現れ闇の矢と闇の玉を同時に飲み込む。そして互いに消滅していく。ふぅ、なんとかなったか。

「先輩……流石です!やはり先輩はこの程度ではダメですね!もっと本気で行きますよ!ダークネスボール!今度は2個でいきますね!」

 闇の球が2個飛んでくる。闇の球が2個飛んでくる!次はどう防げばいいんだ!


 発信機とやらがついているので桃花の居場所がわかると運転手、オオツカさんが言っていた。そんな便利なものがと思ったが、この世界色々なもので溢れている。何があっても不思議じゃない。私はオオツカさんが運転する車で桃花がいる場所へ向かっている。あと、咲良とひよりと眠っているミルがいる。私と咲良はダメージを負っているがまだ戦える。ひよりは戦闘経験がなく、ミルはダメージが大き過ぎるので戦闘は無理でしょうね。まだまだ敵が出てくるかもしれない。ミナトだけでは心配だから早く追い付かなくてはね。

「片桐くんは大丈夫でしょうか?」

 そう心配そうに呟く咲良。先ほどの戦いから随分と雰囲気が柔らかくなった。ミナト以外にも心を開いてくれているようだ。

「ミナトだって死線を潜り抜けているわけ。簡単にやられたりしないわよ。」

「そうだといいのですけど……。うぅ……心配です。」

 私も強気なことを言いつつ心配だ。さっき戦った二人も相当な実力者だった。この先ミナトが強者と戦うかもしれない。仲間心に心配だ。

「二人とも大丈夫だよ。誰かを救う時のみな兄はすごいんだよ!なんかありえないくらい凄い!」

 と後ろの席からひよりが声を出す。

「凄いってどう凄いの?強くなるってことかしら?」

「力強さというより精神が強くなる感じかな?とにかく、凄く頼りなるよ。だから私はちっとも心配してない。必ず桃花を救ってくれるよ!」

 私たちにはない二人だけの積み重ねた絆があるのだろう。私たちもミナトを信じよう。ミナトのここぞという強さを。



「はぁ、はぁ、はぁ……。」

 いったいいくつの闇の球を潰しただろうか。俺の限界はとうに超えている気がする。

「先輩流石です。私の攻撃をここまで防ぐとは……。やはり私の目に狂いはありません!先輩こそ私の先輩です。」

 もう桃花が何を言っているのかわからない。わかるのは俺の力がもうすぐ尽きるということだ。このままじゃ桃花を救えない。いったいどうしたら…。

『 なと、聞  ?みな  こえ !?』

 誰かの声が聞こえる?途切れ途切れだが確かに聞こえる!

『湊!聞こえるかい、湊!」

『スーリア!』

 ここにはいないはずのスーリアの声が聞こえる。聞こえるというより、頭に直接語りかけているようだ。

『やっと聞こえたかい。全く、湊ときたら心配をかけさせるんだから。でも話しかけてた甲斐あってようやく掴めたよ。』

『掴めたって何がだよ。こっちは攻撃を対処しながら話してるんだ。簡潔に頼むよ』

 そう話してるこの間も桃花の闇の球は飛んでくる。そろそろ限界かも……。

『その空間は柚木桃花が作り出した、湊と柚木桃花だけの空間だよ。閉鎖的な空間だから他者の干渉は基本できない。私ですら湊との結びつきが強いから話だけできてる状態さ。それも長くは続かないだろうね。』

『それはわかった。これからどうしたらいい?』

 この先どうしたら元の空間に戻れるのかがわからない。流石に桃花を倒すわけにも行かないし。

『桃花が意識を失えばこの空間は消滅するよ。こういう特別な空間は創った術者が気を失うか死ねば消滅する。覚えといてね。』

『気を失わせればいいんだな。わかった。ってそれが難しいんだけどな……。』

『ヒントは与えたんだ。後は自分でどうにかしてほしいね。まだせ いを、 きれ ない だから ん とこ でやら ないでよ。』

『スーリア?スーリア!?』

 急にスーリアの声がとぎれどきれになり、ついには聞こえなくなった。

「内緒話は終わりましたか?」

 桃花にはバレバレだったようだ。だが何を話していたかまではわかっていないはず。

「話を邪魔しないでくれたんだ。ありがとう桃花。」

「当然ですよ。私と契約したらスーリアともお話しできなくなるんです。最後のお話くらい許してあげますよ。」

 そういうことか。なら最後は遠慮なくやらせてもらうとするか!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ