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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

てめーに天晴れ

作者: しう

私 高校3年生

つかさ 大学2年生

「さて、どうしよう。」


ーー行方不明者が、、

「最近は物騒だねえ」

母の声とニュースキャスターの声で目が覚める。

朝からマジ勘弁してほしいわ。

「てか、あんた学校でしょ?はやくご飯食べなさいよ。もう時間ヤバいよ」

うっとうしい。

「はいはい、わかってますよー」


ーー


あー、やっと学校終わった

「ごめん待った?つかさ」

「めっちゃ待った」

絶対待ってねーだろ。

「そういう冗談いいから、どうすんの?めっちゃ

 話題になってるけど」

「まあ、このままじゃ時間の問題だよな」

他人事じゃねーんだから、いらいらするな

「じゃあ今日の夜11時、あそこ集合ね」

「りょ」

ほんとに。危機感もてよ


「ママ先寝とくからねー」

「うん、おやすみ、ママ」

さて、ママも寝たしそろそろ家でるか。


「もう11時より10分は過ぎてんのに、

 つかさきてねーじゃん」

ベンチ座って待っとくか


「ごめん待った?」

「めっちゃ待ったわ」

まあ、本当は3分しか待ってないけど

「お前が座ってたとこ、全然あったかくねーし。

 おれに嘘をついても意味ないぞ。」

「すげえ」

名探偵かよ。率直にすごいと思う。

「さーて、どう処分する?」

「あたしは山にでも埋めときゃいいと思うけどね。

 漫画でよく見るし。」

「漫画と現実はちげーよ」

「じゃあどうすんだよ」

「とりあえずどちらか片方が警察にバレてももう片方のことは売るなよ。約束な。その代わり、明日の夜3時におれの車で〇〇山に埋めにいってやる。」

結局山じゃねーか。てか寒っ

「わかった。じゃあ、もう帰っていい?寒いし」

「ああ、じゃあな。あとお前、人を信じすぎんなよ。このこと、だれにも話すなよ、親にも。」

「はいはい」


あたしは人を殺した。仕方なかったんだ。


つかさはあたしの幼稚園からの幼馴染の圭の兄だ。

よく小さい頃から圭の家で遊んでて、必然的に家にいるつかさとも一緒に遊んでた。中学入ってからは圭とは遊ばなくなったけど、馬が合うつかさとはそれでもずっと遊んでた。


で、なんでこうなったかっていうと、

そのときはつかさと、つかさの友達(以後A)、

そしてあたし、いつも大体このメンツなんだけど、

その3人でAの家で遊んでたんだ。

んで、いろいろあってその友達のAの親の遺品のグラスかなんか割っちゃったんだよ。あたしとつかさが。


それでAはブチ切れて口論になって、ヒートアップしてって、ついにはつかさとAの殴り合いにまで発展したんだ。ほんとAはつかさ殺す気だったんじゃないかってくらいの殴り合い。でうちは怖くてキッチンにあったナイフでAを刺しちゃったの。


でも幸いそのAは一人暮らしで親も亡くなってたから。発見は遅れた。でも、Aの彼女?の人が連絡がつかないとかいって警察に行方不明届け出したの。だからバレちゃって。いちおう一旦遺体は一週間くらいなら見つからなそうなところには移動させてたからまだ見つかってないけど。

でもこのままじゃ見つかるからつかさが明日遺体を山に埋めに行くってわけ。


ーーいまだ行方不明者は見つかっていません。

「起きなさい。」

またニュースと母の声で目が覚める。

1日が始まった。

そして、つかさが山にあれを埋める日ーー




ーーさて、夜中の3時だ。いまごろつかさは車を出したころだろうか。つかさの家から〇〇山までは車で1時間ほどか。


ーもしもし、あと1時間後くらいに、〇〇山に二十歳くらいの男性が今行方不明届けのでてる人の遺体を埋めにくると思います。


山に埋めたところで、遺体が見つかるのは時間の問題。だったらつかさを警察に売って罪をなすりつけるほうが合理的だ。まああたしも警察に色々聞かれるだろうけど、片方が捕まってももう片方のことは売らない約束だし。つかさは嘘をつくような男じゃない。おそらくあたしは怪しまれる程度で済むだろう。


ーー〇〇山 AM.4時現在

「通報のあった男はきてないが」

「おい!人間の死体があるぞ!血のついたナイフも転がってる!」



ーーDNA判定の結果、容疑者と思われるー、、

「起きてー、学校だよ」

いつものニュースと母の声。

あれから何日かたったか。そういや、つかさは捕まってないのか?昨日のニュースでは遺体発見とは言っていたが、捕まったのなら捕まったと報道されないのか?

ピンポーン

チャイムがなる

「警察です」

あーー、そういうことか

あたしは瞬時に理解した。

ーー


...おれは、あいつがおれを売るとわかっていた。

小さい頃からの付き合いのおかげだ。だから、おれは嘘をついた。夜中の2時頃には〇〇山について、

あいつが刺したナイフと一緒に死体を遺棄した。


ーー

一度警察から開放されたあたしは重い足を進めた。

俯きながら歩いていたあたしは、家に近づいたとき

ふと前を見ると玄関の前につかさが立っていた。

気持ち悪い。わざわざ会いにきたのか。

嫌味を言いにきたのか?


つかさは笑ってこう言った

「言ったよな。おれに嘘をついても意味ないって。

 人を信じすぎんなよって。」


はは、笑えてくる


「てめーに天晴れだ」

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