大すきなのは?ゆめのなか?
冬の童話祭2024参加作品(短編)です。
さむい冬の日の夜。
「お母さん、おやすみなさい」
「いい子ね。おやすみなさい」
男の子がおふとんに入り、しばらくすると白いもやが…
ないている女の子に出会いました。
男の子が「どうしたの?」と聞くと、
女の子は、なきながら…
「おつかい中に道にまよって…」と言いました。
「ぼく、知ってる!さあ、行こう!」
そこは、お母さんとよく行くスーパーでした。
しんごうきが青になると…
二人は、手をあげて道をわたりました。
しばらく歩くと、スーパーに着きました。
ずっとないていた女の子のなみだは止まり、
「ありがとう」と男の子に言いました。
「よかったね」とってもうれしそうです。
「じゃあ、ぼく帰るね゙」
二人とも「バイバイ」と言って手をふりました。
ところが…つぎは、男の子が道にまよってしまいました。
いつも男の子がお母さんと行くのは、自分の家から…
女の子と出会ったところまでもどりましたが、
そこから先は、道が三つに分かれていて…
外は…くらくなっていました。
一番星を見つけた男の子。
「お家に帰れますように…」と
お星さまにおねがいをしました。
すると、その星は男の子の手の中に…
そっと手をひらくとそこには…
男の子は、びっくり!
「青いお星さまのクッキーだ!でも…どうして?
いつも黄色なのに?」
でも、おなかがペコペコだったので…
「いただきます」と言ってから、
そのクッキーを食べました。すると…
三つに分かれた道の一つが光り出しました。
「青だ!もしかしたら…」
男の子は、手をあげてその道を歩きました。
歩き続けた先には…
そこで、目がさめました。
男の子は。おふとんの中でした。
「ゆめだったんだ…」
「お母さん、おはよう!」
「あら、今日はお休みの土よう日よ。もうおきたの?
新しいクッキーを作ってみたから…食べてみて」
赤、青、黄色…三色のクッキー形も…ちがいます。
「いただきます」
もぐもぐ…
「おいしい!もう一つ…もう一つ…みんなおいしい!」
「どれが一番?」
「う〜ん。どれもおいしくて…まような〜。
でも、やっぱり…お星さまのクッキーが一番おいしい!」
「赤い丸は…にんじん、黄色のお月さまには…かぼちゃ、
青いお星さまには…ほうれん草が入っているのよ」
「えっ、すごい!ぼくもお母さんみたいにもなりたいな〜」
「あら?お母さんは…おかしやケーキを作っていたから。
パティシエって言うのよ」
「そうなんだ」
お父さんのおしごとは、ひこうきのパイロット。
「ひこうきも、おかしも大すき!どっちも…いいな~」
「あらあら」お母さんは、にこにこ。
ゆめのなかで三つの道から一つをえらんだ。
男の子の名前は…
歩くと書くかん字から…
歩くん。
さらに、ゆめの続きへと歩き続けます。
本当のゆめは、二つから一つに…
「大きくなったら…ぼくは…」
歩くんがえらぶのは…
パイロットへの道?それとも…パティシエへの道?
どちらでしょうね…。
おしまい。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。