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全力困憊

遅くなりましてすみません

 私の周りが一瞬陰る。すかさず上を見た。


グゥルュウウ グゥルュウウ


 ウツボもどきが自陣の胴より大きく口を開け、降下してきた。通りの両側は奇跡で光の壁が顕現している。必然的に上か横からしか私たちを襲えない。そして、もう1匹、計2匹が落ちてきた。


「おい聖女」


 剣士様は腰ダメに大剣を構えて問うてきた。顔をこちらに落ちてくるウツボもどきから外さない。


「お前の名は?」

「私は見習いですって」


 剣士様も呆れている。こんな死地に近い場所で自分は見習いだと言い張るのだ。


「どっちでも構わんだろ」

「未だ修行中の身、名乗るなどおこがましいですよ」

「そんなもんなのか?」

「そんなもんですよ」


  グゥルュウウ グゥルュウウ

         グゥルュウウ グゥルュウウ


 ウツボもどきの鳴き声が二重にぶれて聞こえてきた。接近してきたんだね。

彼の背中越しに力を込めているのがわかった。大剣を握る腕にも力が入る。


「おい!」

「はい,剣士様」


寸前まで異形に迫られていても呑気なやり取りを続けていく。


「おれのことはヴィンセントと呼べ ヴィンスでもいい」


「はい,では私、聖女見習いである私はトゥーリィと、お呼びくださいませ」


グゥルュウウ


 叫び声が大きくて、会話もできなくなった。

そんな中、剣士ヴィンスは無造作に大剣を振るう。何かを払う様に力を抜いて軽く振るった。


「イグジィストォ」

顕現せよ!


ぅァン ぅァン


大剣が風邪を帯び振るわれた。



ウツボもどきは開いた口がに何かにぶつかった様にひしゃげ、そこから裂けていった。何かを無理矢理詰め込まれていく様に耐えられなくて裂けていく様にその体を蹂躙されていった。 

 

 2匹のウツボもどきは破壊された。

それでもなお,余った余波が遥か上空で佇んでいた他の個体にも力が届いた。


 堪らず、抵抗さえできずに爆ぜていった。


 辺りはウツボもどきの肉体の成れの果てで満たされた。しかしそれが地上に落ちることなく、灰と成り果て朽ちていってしまう。


 あたりが灰が吹き荒ぶ中、


「ヴィンス様、何かしました? 凄すぎます。奇跡と言うには……」

「知らん。トゥーリィ。お前がやったんだろ」

「まさか、人のできることじゃないですよ。神の領域です………」

「トゥーリィ、おい。この聖女崩れ!」


「返事なしか、まったく」

「………ぁっと、どうかしましたか? あれ?」


 私はは自分からおかしなことを口に出していることを意識していなかった。しかも会話が飛んでいる。これは?

あぁ,そうか。これは、


「ヴィンス様、すみません。どうやら限界を超えたよう…」


 周りの障壁が瞬き消滅していく。そう、自分の持つ聖力を使い果たしたんだ。そして視界が薄黒いもので覆われていった。意識が失せた。


























ありがとうございました

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