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里音の不思議な地下  作者: はる
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探索者支援協会

 残念なお知らせです。


 両親の部屋がまた、地下と繋がる謎空間になっていました。


 なんでだよ!マットレス買いに行った日も、窓の修理に立ち会った日も普通の部屋だったのに!


 妖精達に誘われて、両親の部屋に行ったら謎空間が出来ていた。

 しかも「いっしょー」「いこうー」と誘われて、地下に降りて行くと、以前と変わらずファンタジーな空間にいましたよ。


 妖精達に導かれて、謎植物の採取をしたら両手がいっぱいになってしまった。持ち帰り、リビングに置いてある段ボールの中に入れる。これをどうしろと。萎れないのはいいけど。


 明日にでもダンジョンのドロップを鑑定する受付に行こうかな。その前にダンジョン入場履歴がないと怪しまれるから、近くのダンジョンに行こう。ダンジョンウォッチで管理されるからな。便利な時代だよ。


 でもどうやって持ち運ぼう。オーブのアイテムボックスなんかがあればなぁ。あれは時間停止で羨ましい。


 頭にピコンと衝撃が。なんか懐かしい。目の前に文字が浮かぶ。


『アイテムボックス時間停止が使えるようになりました』


 まじか。


 里音は自分が鑑定出来る事を忘れていた。すべてはふて寝したからだ。


 ダンジョンに入場するのもダンジョンウォッチをダンジョンに設置してある謎壁にかざせば、行った事のある階層なら何階にでもワープ出来る。謎仕様だよな。


 ダンジョンウォッチは最初に倒したモンスターからドロップされる。だから探索者全員が持っている。


 ダンジョンウォッチをつけたまま自分の能力を知りたいと思えば、ダンジョンウォッチからステータスが現れる謎仕様だ。


 出口は何処の階層も脱出ゲートがあるから、そこに入ればすぐに外に出られる。


 ダンジョンの近くには『探索者支援協会』があるから、そこでドロップ品の鑑定をしてもらい金を貰う。結構、大きい建物だぞ。国が建てたからな。経営者は国だ。役所みたいなもんだな。ウハウハ儲かっているらしい。国債が減っているようだ。


 買い取り受付は沢山窓口がある。探索者が帰ってくる夕方から夜まで混むからな。

 受付をしている人は1つの受付につき2人いるが、1人は絶対に『鑑定』のオーブで鑑定を使えるようになった者が担当するようになっている。もう1人は補助だな。探索者の少ない時間帯は別の仕事をしているらしいが。


 受付で金額に納得できなくて文句を言っても絶対金額は変わらないし、素行が悪ければ探索者の資格を失ってしまう。

 だから協会の建物の中は探索者の一喜一憂する声以外は静かなざわめきがある程度だ。待合室の椅子は多いが。自分の整理券の番号が呼ばれたら、買い取り受付に行くだけだ。


 探索者支援協会には探索者を管理するドロップ品が必ずあるらしい。俗に探索者管理システムだ。だから、ある探索者が地下5階層で落ちたアイテムだと申告しても、探索者管理システムが探索者は地下4階までしか行ってないという事実はすぐに分かってしまう。嘘の申告をしても分かってしまうのだ。


 探索者の能力までは分からないらしい。


 里音は両親の為に死に物狂いで探索していたので、地下12階までソロで潜れる。短期間で12階は凄い快挙だ。

 普通は危険がないように時間を掛けて探索する。慎重すぎると言う無かれ、曲がり角からいきなり魔物が現れる時だってあるのだ。


 日常的に自分が生活出来るだけ稼ぎたい者は地下10階付近で魔物を倒している。それ以上深い階層に潜る者は一攫千金で金持ちになろうとしているか、純粋にダンジョンを楽しんでいる者に別れる。もしくは目当てのドロップ品があるかだ。


 何処のダンジョンで、どんなドロップ品が出るかは大体分かっている。まだ攻略されたダンジョンは無い為、新たなドロップ品が出る可能性はあるが。


 どこのダンジョンでもドロップするアイテムもあれば、特定のダンジョンでしか出ないドロップ品もある。

 金が有れば金で買えばいいし、市場に出回らなければ自分で取りに行くしかない。


 ダンジョン時代ではあるが、普通の仕事をしている人の割合が探索者より多い。


 誰も彼もが危険な仕事で金銭を欲しいとは思っていないし、いつの時代にも自分が着きたい職業がある。


 都市伝説のように囁かれているのが、探索者試験の面接では嘘発見機が使われていると言う。それは政府が管理しているダンジョンからしか出ないらしい。

 嘘の発言をした者は試験に落とされるという。だから、探索者には素行不良の者はいないと。


 探索者は武器を扱うが、武器を持つ事で気が大きくなり、刃傷沙汰を起こす者や犯罪をする者もいるが、それほど多くない事例なので、嘘発見機は実在すると考える者が多い。


『素行不良者は探索者になれない』


 そう思っている人は多い。探索者は社会的信用がある職種なのだ。


 勝手にダンジョンに入る者は知らないが。

 実際にダンジョンの入り口に扉や壁をつけてはいけないらしく、勝手に入る者がいるようなのだ。それを取り締まる機関もあるが、イタチごっこだ。なんちゃって探索者がまあまあいるらしい。


 資格が無いのにダンジョン入っているのを見つかれば逮捕される。あれだよ、車みたいなもの。免許証が無いのに車を運転していたら無免許運転で警察に捕まるみたいな。


 何で扉も壁もダンジョンの入り口につけてはいけないかといえば、昔に扉をつけた国に魔物のスタンピートが起きたかららしい。それからは何処の国もダンジョンの入り口には何もしないようになったそうだ。


 警察や自衛隊の訓練にもダンジョンは使われている。探索者が犯罪を犯したら誰も取り締まれないじゃ怖くてそこらを歩けない。だから、国の警察や自衛隊は強いよ。消防士も入っているとは聞く。体力勝負だからね。ステータスを上げるのは悪い事ではない。


 スポーツマンはちょっと人気が落ちたかな。歴史で学んだ。

 基本的にスポーツマンはダンジョンで身体能力を上げてはいけない。公正な判断が出来なくなるからだ。

 それでもファンはいるし、スポーツにハマる人もいる。スポーツマンはカッコいい。女子が「抱いて〜!」なんて叫ぶくらいだ。慎みを持って欲しい。


 探索者はある程度は鍛えられるけど、細マッチョの人が多い。瞬発力もいるからだ。ある程度強くなったら、能力頼りになるらしいけど、オーブが手に入らないとね。強くなれないよね。


 あ〜あ、僕も強くなれる力が欲しいよ。


 ピコン!


『英雄の素質を手に入れました』


 これ、何処から能力が手に入るんだろう?妖精に変な物、食べさせられたからかな?



 

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