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里音の不思議な地下  作者: はる
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魔フェレットのゆき

 魔フェレットの卵がカチカチになった。もうそろそろ生まれるだろう。


 なるべく家にいるようにして卵の入っている器を持って歩く。


 昼食を食べているとパキッと卵にヒビが入った。慌ててごはんを食べて、妖精達と魔フェレットの卵を見守る。


 ゆらゆらと卵が動いている。パキパキと卵の殻が剥がれていく。中の薄皮が剥がれたら可愛い手が見えた。一生懸命、殻を剥がしていくと、粘液に濡れた、真っ白で小さな魔フェレットが生まれた。


 「くぅくぅ」と鳴き声がしている。可愛い〜!


 僕はお風呂で手桶にお湯を入れてダイニングまで持って行くと、魔フェレットを優しく掴んで、お湯で身体を洗っていった。


 初めはちょっと抵抗していたが、だんだんと気持ちよくなってきたのか、目を細くして身を委ねてくれる。可愛い。本当に可愛いなぁ。


 タオルで優しく水気をとって、魔石を近くに置いてあげると匂いでもしたように、ぱっと首を上げて魔石に食いついた。

 ばりぼりと食べてるから牙は鋭いようだ。


 まだ、中指くらいの大きさしかない魔フェレットは少し魔石を食べただけで、お腹いっぱいになったようで、こてんと寝てしまった。


 可愛い寝顔だ。写真を撮ろう。


 僕がスマホで写真を撮ってると妖精達が話しかけてきた。


「名前は〜?」

「名前ー?」

「かわいいー」


 洗っているときにオスの印がなかったからメスだと思うんだよなぁ。白の魔フェレット可愛い。白だから雪とか。


「名前はゆきだよ。白いからね」


「ゆき!」

「ゆきかわいい!」

「ゆき!」


 妖精達がゆきの周りを飛ぶ。うるさいのによく寝てるなぁ。


 ゆきをそのままタオルで寝かせておいて、片付けをする。




 ゆきの成長はめざましかった。起きては魔石を食べて、寝る。寝る子は育つって言うけど、そのまますくすくと育っていった。


 不思議な事に排泄はしなかった。魔石のエネルギーを全部吸収してるのかな?


 すぐに両手で持たないといけないほどの大きさになって、僕や妖精のことも分かるのか「クゥクゥ」と鳴いては何か伝えようとしてるみたいだった。


 噛み癖とか無いから、いい子に育ってるのかな?と手探りでゆきを育てている。



「ゆき、ゆき」と呼んでやると、自分のことだとわかるのか、ててててっと僕の方にかけてくる。もう、めっちゃ可愛い!


 抱き上げて頬擦りするとゆきもすりすりとしてくれるから、愛しさ爆上げだ。


 妖精達はゆきに乗って遊んでいるみたいで、ゆきはそれを嫌がったりしない。抱擁力のいい子が生まれてくれたようだ。


 リードがいるかとおもったけど、ゆきは大人しい子だし、成長期だから家の中だけならいいかな?と買っていない。


 僕達が出かける時は「きゅーんきゅーん」て鳴くんだ。何か出かけづらくなってしまう。


 一度出掛ける前に抱き上げたら小さな手で一生懸命僕の指を掴むものだから、ポケットに入れて出かけたら大人しくしてたから、可哀想な鳴き声をさせるくらいならと、一緒に出かけている。ゆきも外が楽しそうでポケットから顔を出してはキョロキョロしている。


 ゆきの安全の為にはリードをつけた方がいいんだろうけど、どうしても可哀想に思ってつけれないでいる。僕は駄目な飼い主だ。大人しいゆきに甘えている。


「ゆき、おまえの言葉がわかれば良いんだけどな?」


「きゅっ」(主様)


「あ、えっ!ゆき?」


「クゥクゥ」(ゆきの言葉がわかりますか?)


「わかるよ!ゆき!」


「クゥ!」(うれしい!)


 そういえば、僕、言語理解があった。それで魔フェレットのゆきとも話せるのかな?


「クゥクゥクゥ」(いつもゆきに優しくしてくれてありがとう)


「僕こそ家族になってくれてありがとう」


「クゥーン!」(家族!うれしい!)


 ゆきとコミュニケーションがとれて嬉しいよ。話しても可愛かったよ。ゆきは。



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