妖精の森=リアンディディ様の森
小動物のダンジョンから出た里音は10月の少し暑さが和らいだ風に吹かれて、探索者支援協会に行く。
整理券を取り、待合室で待っている間に宝箱やアイテムボックスにしまったドロップ品を出す。
里音の番号が呼ばれた。
買い取り窓口まで行き、宝箱やリュックからドロップ品を出して行く。
「鑑定と査定が終わるまで待合室でお待ちください。終わったらまた番号で呼び出しいたします」
里音は妖精達と一緒に待っていた。
次回ダンジョンに来たら、レッドとイエローとホワイトも楽しめるように19階層辺りを探索するかなぁと考えていた。妖精達の悲しむ姿は見たくない。ホワイトの風魔法もならしが必要だろう。
里音の番号が呼ばれた。
「お待たせいたしました。全て買い取りでよろしいでしょうか?」
「はい、お願いします」
「承知いたしました。魔石は1つ150円が38個、200円が2個、ウサギの毛皮が1つ1500円に微回復ポーションが5個で2500円、小回復ポーションが3個で3千円、宝箱が中の大きさで6千円。以上で合計19100円になります。明細と金額をお確かめくださいませ」
今日もいいお値段になったな。妖精達にコンビニスイーツでも買って帰ろう。やっぱり深い階層は儲けがいい。
元気になった妖精達とコンビニとスーパーに寄ってから、家に帰る。
玄関を潜ると妖精達が里音を誘ってきた。
「リアンディディさまのもりにいくー」
「もりー」
「りおんもいくー」
「妖精の森かい?リアンディディ様の森って言うの?初めて聞いたよ。ちょっと待ってね荷物を置いてくるから」
冷蔵庫に買ってきた物をつめて、妖精達と一緒に地下のリアンディディ様の森に行く。
階段を下りて、ドアを開けると妖精達が地面に転がっている石を取り食べ出した。
里音はびっくりして妖精が食べている、妖精の顔ほどの大きさの石を鑑定する。
『精霊石』だった。3人共、一生懸命食べている。何か能力が欲しいのかな?
食べ終わった妖精達はお腹がぽんぽこりんで飛んで、3人は空間を開けて飛んでいる。
レッドが炎を出した。今までより強い炎だ。顔は自慢げだ。
イエローが電撃を出した。今までより威力が強そうだ。
ホワイトが旋風を出した。風が視覚できる。強力そうだ。
そうか!精霊石で能力の強化をしたんだ!それほど今日は悔しかったんだな。
「凄いぞ!レッド、イエロー、ホワイト!次のダンジョンは頑張ろうな!」
妖精達はドヤ顔した。嬉しかったようだ。
その後はせっかく来たからと、妖精達と素材を採取した。相変わらず、妖精の幼体が近寄ってくる。ありがたいが掃除機にでもなった気分だ。
妖精の幼体が寄って来る凄い吸引力です。なんてね。
ダンジョンの浅い階層でホワイトの魔法の練習をしながら、作ってくれた薬を小分けにしながら、日々を過ごすとあっという間に薬受け渡しの約束の日になった。
チャイムが鳴る。インターホンで見るとスーツを着た男性2人、見た事のある人物だ。
「家に入ってください」と玄関から迎える。
中肉中背の男性は人の良さそうな顔をしており、名前は高橋さん。
その後ろから来ているのが、ちょっと神経質な顔をした真面目そうな男性、飯塚さんだ。
お茶の用意をして、ちょっとだけ世間話をする。
「前回お渡しした薬はもう、使われましたか?」
「いえ、使う人材の選定に時間がかかっておりまして、まだ使用してはいません。もう少ししたら選定も終わると思いますので、使われたらご報告しますね」
「そうですか。国が主導すると問題が出てくるんですかね?」
「やはり、その辺は気にしないといけない所ですね。難病を抱えている人や生活弱者を優先しないと、国民から非難されますから」
「そうですか。お疲れ様です。前回の受け渡しの後に送って貰った容器ですが、薬を小分けにしたら量が増してしまいまして、あそこにあるんですが持って行けますか?」
薬が置いてある場所を指差して、教える。
高橋さんと飯塚さんは、お茶をぐいっと飲むと立ち上がり見分した。
「問題ないですよ。これで全てですか?」
「今回の分はそうです」
「そうですか。それでは運ばせてもらいますね」
高橋さんと飯塚さんはテキパキと車と家を往復して、荷物を積み終わった。
「今回もありがとうございました。また次回よろしくお願いします」
ペコリと頭を下げて挨拶し合って、高橋さんと飯塚さんは去って行った。やっぱり良い車に乗って。
国の車は高そうだな〜と思いながら、次回分の容器を置いていってくれたので、また小分けにしないといけない。
待ってくれている人達がいるんだ。頑張ろう。




