表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
里音の不思議な地下  作者: はる
18/23

小動物のダンジョン 20階層

 『病気・怪我・欠損者 治そうクリニック』は、順調だ。


 治った人が、まだ治療されていない人を慰めたり励ましたりして、書き込みをするように進めてくれている。


 僕も時間がある日には1日3人くらいの治療を出来るから、順調だと思う。


 みんな初めは疑うんだよね。住所教えてなんて言われたら警戒しちゃうみたいでさ。


 でも、勇気を出して利用者さん達を信じて教えてくれる。病院に転移しちゃって、サイトの利用者さんだけでなく他の人も治療出来る日があるから、結構充実してる。


 厚生労働省の人が送って来た容器は1回分ずつ分けて薬を入れないといけないから手間は増えたかな。


 なんか部屋の一角が薬だらけ。次の受け取りはもうそろそろ来ると思うんだけどなぁ。





 厚生労働省から手紙が来た。「10月23日に受け取りに伺います」だって。


 前回の薬は役立ってくれたかな?ちょっとわくわくする。不謹慎だけど。


 けど気になるよね?薬の使い方。どんな人を治したの?人選はどうしたのか?厚生労働省の人はどんな感じか。


 里音は日に日に固くなってくる卵に期待を馳せて、今日もダンジョンに行く。


 18階層のフェレット5匹と19階層のウサギとフェレット混合は厄介だった。ひたすら数が多く、噛みついたらてこでも離れない強情さ。


 里音達は噛まれなかったが、探索途中で助けた怪我人の探索者は腿の肉がえぐれていた。里音が魔法で治せて良かった。もう少し傷が深ければ劣化エリクサーを使わなければいけなかった。


 可愛い魔物でも油断したら怖い。


 その気持ちを持って20階層だ。この階層の最後にはボス部屋がある。


 この階層はウサギとフェレットが大きくなり、複数体で出てくるらしい。魔法の威力を上げないと。


 慎重に歩いて行くと、道の真ん中にどどんと、ウサギとフェレットが2匹いた。10歳の子供くらいの大きさか?


 こちらに気づいて走ってくるが、速い!背が高い分一歩一歩が大きいのだ!


 レッドとイエローが火と電撃を使うが、堪えたようには見えない。里音は2匹共相手をする覚悟をした。


 練習中の電撃を強くして、バチバチと放電しているのをウサギとフェレット目掛けて飛ばす!


 2匹共硬直して煙を出しながら倒れた。その後、ドロップに変わり魔石とウサギの皮が残された。ウサギの皮がデカい!リュックからはみ出すが、丸めて入れた。魔石もちょっとだけ大きい。値段が変わるかも。


 里音にレッドとイエローが消沈したように近づいて来た。2人を手で受け止める。


「2人共、今まで頑張ってくれてありがとうね。この階層は怖い魔物が出るから、ホワイトと一緒にいてね」


 2人は目をうるっとさせて、頷いた。


 これも、仕方ない。2人は今まで自分より大きな魔物を倒してきたが、それより大きな魔物には通用しなかっただけだ。今まで十分頑張ってきた。落ち込む必要は無い。


 里音は2人をそっと肩に乗せて歩き出す。ホワイトが心配そうに2人の周りを飛び回っている。


 仕方ないんだ。僕だって敵わない魔物がいるかもしれないし。


 出会った魔物は妖精達に負担が無いように風魔法で倒しながら、足で魔石などのドロップ品を触ってアイテムボックスに入れる。器用な方法を思いついた物だ。


 全て妖精ファーストなのである。未だ肩で落ち込んでいる2人の為に。


 ちょっと出会ったらドキッとする魔物を相手にしながら、ボス部屋まで行く。


 ボス部屋付近に来たら、5組の探索者達がボス部屋に並んでいた。その後ろに並ぶ。


 ソロでここまで来る人は珍しいので、里音は少し注目を集めている。


 前のグループが話しかけてくる。


「こんにちは、兄ちゃん。1人でここまで来たのかい?」


「こんにちは、そうですよ。コツコツと来ました」


「悪い事は言わないから、ボス部屋で1人は辞めておきなよ。命を落とすぞ。ボスは大きいウサギとフェレットの魔物と子分が6匹も出てくる。とても1人じゃ相手しきれない」


「魔物が出て来た所をふいをついて倒して、後は逃げ回りながら、倒しますよ」


「お、強さに自信があるんだな。そうか、頑張りなよ」


「はい、ありがとうございます」


 良い探索者さん達だったようだ。探索者には悪い人が少ないんだけどね。


 40分ほど待ってから、僕の順番になった。ホワイトが慰めたのか、レッドとイエローはもう悲しい顔はしていなかった。何か決意した顔だ。ホワイトも一緒に何かやる気になっている。


 僕は風魔法を待機状態にしてからボス部屋に入る。真ん中まで歩くと奥が明るくなり、教えてもらった人大のウサギとフェレット、10階層で出会ったおおきさのウサギとフェレットが6匹いた。


 僕は待機させておいた魔法をボス達を狙いながら、かまいたちのように風の刃で切断した。


 1発で全滅だ。若干大きな魔石を拾って、ボスドロップを拾う。球体が1つ転がっていた。鑑定で見ると風魔法のオーブだ。


「レッド、ホワイト、イエロー、風魔法のオーブだ使うかい?」


 ホワイトが僕の前に来た。ホワイトがオーブを触るとオーブがホワイトの体に吸い込まれるように消えた。ホワイトが喜んでいる。


 レッドとイエローが戦っているのが羨ましかったのかもしれない。


「いっしょにたたかうー!」


 やる気は十分だ。宝箱が出て来たので罠無効で開けると高そうなショートソードが入っていた。


 鞘から取り出して鑑定する。


 ー魔鉄のショートソードー

 魔鉄製のショートソード。魔法を切ることが出来る。


 おお!凄い!魔法を使う魔物が出て来るって事かな?初心者の剣はアイテムボックスに予備で入れて、これを腰に装備しておこう。


 宝箱をアイテムボックスに仕舞う。21階層を少し覗いて帰ろう。



 21階層は静かだ。今までの階層は人気の階層が多かったから人も多かったけど、耳が痛いほど沈黙している。


 地図と階層の説明が書いてある本を見る。

 モルモットの魔物が出るらしい。大きさはそのまま。嫌らしいな。小さいと攻撃しづらい。とても素早く、噛みつきで攻撃してくるらしい。それと必ず1匹とは限らないらしい。20階層を超えたとたん難易度が上がった気がする。


 少し歩くとモルモットが2匹出てきた。もう走っている。いや、なんか速すぎないか?飛びかかって来たのを慌てて避ける電撃をターンして来た2匹にお見舞いする。


 ぷすんとドロップに変わった。幾ら何でもあの短い足で速すぎた。速度をアップする魔法でも使ってたかもしれない。ドロップは魔石2個。20階層と同じくらいだな。


 今日は帰ろう。転移で19階層のゲートに飛ぶ。

 誰もいなくて良かった。


 ゲートを潜り外に出る。さあ、今日は幾ら儲けたかな?

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ