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里音の不思議な地下  作者: はる
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病気・怪我・欠損者 治そうクリニック

 2台目の携帯『病気・怪我・欠損者 治そうクリニック』のスマホの契約をして来た。料金はそこまで高くなかった。


 自分用のスマホじゃなくって、電源を切ってもいい、誰にでも知られていい携帯を使いたかったのだ。


 交流サイトにはちょこちょこと利用者が現れてくれている。


 僕はサイト主として、交流掲示板を使っている本当に困ってそうな人に個人部屋、個人交流書き込みをして住所を教えて貰うつもりだ。

 上手く行くかは心配だけど。




『病気・怪我・欠損者 治そうクリニック』


みんなの掲示板


みきてぃ:皆さんはじめまして。みきてぃです。兄が両足の欠損を抱えています。誰か同じ人はいますか?


カントク:はじめまして、みきてぃさん。地道に同志を探していきましょう


サンデイ:うちの娘が病気で辛い


パピー:みんなで慰め合いましょう。うちは保護したペットが傷だらけで辛いです


ラッド:初めてのカキコです。よろしくお願いします。ペコリ。


チャージ:自分も初めてです。脊髄小脳変性症です。いつまで書き込めるか分かりませんが、よろしくお願いします


さちこp:息子が盲目で変わってあげたい


アッパー:みんな辛いね。自分も辛いと思ってたけど


サイト主:みきてぃさん、はじめまして。個人部屋に行きませんか?





 結構みんな書き込んでくれてる。

 そうか、身体の欠損だけじゃなくって、目や聴覚、嗅覚や味覚も分からない人達もいるんだ。勉強になる。


 お、みきてぃさんからOKが出た。




 個人交流部屋


サイト主:みきてぃさん、ありがとうございます。早速ですが、僕はこのサイトを立ち上げた者です。身元は明かせませんが、ダンジョンから出るような欠損を治す薬を持っています。それを貴方のお兄さんに使いたいのですが、どうでしょうか?


みきてぃ:怖いサイトじゃないですよね?


サイト主:大丈夫です。資産家のボランティアだと思ってもらえばいいです。僕は困った人を救いたいのです


みきてぃ:何をしてくれるんですか?


サイト主:みきてぃさんの家の住所を教えていただければ、長距離転移の能力でみきてぃさんの家まで行って、僕の目の前で薬を飲んでくれるだけでいいです




 みきてぃさんの反応が無くなったぞ。信用して貰えなかったかな?もう少し待つか。




みきてぃ:東京都所沢市西所沢××××××です


サイト主:今から伺ってもいいですか?


みきてぃ:大丈夫です



 スマホのアプリGで住所を確かめて、靴を履いてマスクをつけて、全国長距離転移!



 見た事の無い場所に来たぞ。この家でいいのかな?チャイムを押す。


『はい、どなたですか?』


「両足を欠損している男性を探しているのですが、ここの家で間違い無いですか?」


『いいえ、その方ならうちの右隣の家ですよ』


「すみません、ありがとうございます」


 家を間違えてしまった。長距離転移もよくわかんないな。

 改めて右隣の家にチャイムを押す。


『どちら様ですか?』


「隣の家の方に教えて頂いたのですが、両足を欠損した男性のいるお宅ですか?」


『お待ち下さいっ』


 バタバタっと家の中から音がしたら、玄関の扉が開いた。女の人が出てくる。20歳くらいかな?


「本当にサイト主さんですか?」


「はい、サイト主です。みきてぃさんですね?こんにちは、お兄さんはいらっしゃいますか?」


「はい!案内します」


 家の中に入れてくれた。1階の部屋に行き、みきてぃさんがドアをノックする。


「お兄ちゃん、美希ー」


『美希ー?入っていいよ』


 みきてぃさんが入ってくれと促す。


「こんにちは、名乗れませんが、サイト主とでも呼んでください。お兄さんにはこの薬を飲んで頂きたいのです」


 僕はアイテムボックスから、劣化エリクサーを取り出した。お兄さんは僕を訝しげに見て、みきてぃさんに視線をやった。


「美希?」


「お、お兄ちゃん!この人の言う通りに薬を飲んで!足が治るって!もう、苦労しなくて良いんだよ!」


 僕は蓋を開けて、お兄さんに渡した。お兄さんは何やら分からない顔をしていたが、みきてぃさんを信用しているのだろう、薬を飲んでくれた。


 ホワイトの作った劣化エリクサーは直ぐに効力を発揮した。


 ダボっとしていたお兄さんの太腿が盛り上がり、短パンのズボンから足が生えてきた。車椅子に乗っていたお兄さんは筋肉こそ無いものの、両足がちゃんとあった。


「美希、これはーー?」


「お兄ちゃんっ!!」


 みきてぃさんがお兄さんに抱きついた。お兄さんは驚いて言葉も無い様子だった。


「足がーー」

「あるよ!足がある!歩けるよ!走れるよ!」


 僕のことが目に入っていないようだったので、静かに玄関に行き、靴を履いて長距離転移で自宅に戻った。




 その日の夜にみきてぃさんから謝罪とお礼のメッセージが届いた。


『病気・怪我・欠損者 治そうクリニック』


みんなの掲示板


みきてぃ:サイト主さん、嘘の住所を教えてごめんなさい。お兄ちゃんの足を治してくれてありがとうございました


たぜ:え?何このメッセージ?サイト主さんが怪我治してくれんの?




 他の利用者さん達に波紋を呼んだが、今後は活動しやすくなるかな?


 今日はおやすみ。また明日。


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