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里音の不思議な地下  作者: はる
16/23

僕の従兄弟

 スーパーで買い物してから家に帰って来た。


 お椀を取り出して魔法でお椀に温める付与をする。

 すると、お椀がほんのりと温かくなった。そこに魔フェレットの卵を入れる。


 早く孵れよー。


 慎重に部屋の枕元に置く。フェレットのぬいぐるみも部屋に飾る。良い眺めだ。


 満足していると、妖精がフェレットのぬいぐるみに絡み始めた。興味があるのだろう。背中部分に乗ったりして遊んでいる。


 ほんわかして見ているとチャイムが鳴った。


 誰だろう?覗き穴から見ると従兄弟の弁護士の正義兄ちゃんだった。玄関の扉を開ける。


「正義兄ちゃん!どうしたの?こんな時間に」


「おお、お前がちゃんと生活出来てるか心配になってな。暇になったから来てみた」


「上がってよ!飲み物ぐらい出すよ!」


「じゃあ、お邪魔しようかな」


 正義兄ちゃんがリビングのソファに座る。兄ちゃんの好きなカルピーを入れてグラスを兄ちゃんに渡す。

 正面に座ると兄ちゃんが話しはじめた。


「里音、大丈夫か?ちゃんと生活出来てるか?」


「もう、大丈夫。葬式の時はありがとうございました。兄ちゃんのおかげでちゃんとお見送り出来たよ。感謝してる」


「そうか、ちょっと痩せたな。気持ちの整理が出来たならいいんだ。今はどうやって生活してるんだ?」


「探索者をして生活してるよ。良い人達にも出会って、助けてもらいながら生活してる。兄ちゃんは?変わった事あった?叔母ちゃん達は元気?」


「うちの母さんはいつも元気さ。ただ、翠がな、ちょっと元気がなくてな、遊びにでも来てくれよ」


「翠ちゃんがどうしたの?何かあった?」


「お前が大変だろうから連絡してなかったんだがな、翠が交通事故にあってな、賠償金はもらったんだが、手が思うように動かなくなってな、気を落としてるんだ。元気づけてやってくれないか?」


「怪我だよね?病気じゃないよね?他は?身体は大丈夫なの?」


「多少、傷は残るだろうが、手に比べたら生活に支障は無いよ。心配させてごめんな」


 里音はアイテムボックスから劣化エリクサーを取り出した。


「正義兄ちゃん。翠ちゃんにこの薬を飲ませてあげてよ。効き目が凄く良くてね。手なんてすぐに治っちゃうよ」


「おま、今、どこから出したんだよ。それに手が治るだって?里音、変な奴と関わってるんじゃないだろうな?」


「変な奴じゃないよ。良い子達だよ。僕の寂しさを癒してくれたんだ。正義兄ちゃんだから言うよ。内緒にしてね。僕、妖精3人と暮らしてるんだ。妖精のホワイトがね、薬を作れて、この薬『劣化エリクサー』も作ってくれたんだ。効き目は間違いないよ。いろんな人に試してもらったからね」


 連絡を取っていない時の話をした。信じてくれるまで話をして、微妙に納得出来ないながらも僕を信じてくれた。


「なんだ、お前が事件に巻き込まれて助けてくれたんなら良かったが、俺は妖精が見えんからな。微妙に信じられんのは勘弁な」


「それで、翠ちゃんに薬をちゃんと飲ませてね。大丈夫。すぐに元気になるよ」


「翠の為に貴重な薬をありがとうな。お前が心配してたって言えば、翠も喜ぶよ。長い時間ありがとな。俺はもう帰るけど、戸締まりちゃんとしろよ」


「もう子供じゃないよ!でも見に来てくれてありがとうね。嬉しかった」


 正義兄ちゃんは僕の頭を撫でてから、帰って行った。


 僕がへこたれている間に翠ちゃんが事故に遭っていただなんて。ちょっと僕達の家系、お祓いした方がいいんじゃない?

 あ、翠ちゃんは叔母さんの娘で正義兄ちゃんの妹ね。今年で20歳になる。何かお祝いしないと。劣化エリクサーで怪我は治るだろうからね。


「ホワイトのおかげだよ。ありがとうねー」


 ホワイトを撫でる。照れてるのも可愛いな。レッドとイエローもひっついてきた。大丈夫だよ。みんな好きだよ。


 正義兄ちゃんと話してる時も近くで飛んでたんだよね。ホワイトは肩に座ってたし。


 翠ちゃんが早く良くなるといいな。







「あ、お兄ちゃんお帰りー。今日は早かったね」


「ただいま。でも里音の所、寄ってきたぞ」


「里音ちゃん、元気だった?叔父さんと叔母さんが亡くなってまだそんなに経ってないもんね」


「いや、元気になってたぞ。他の人に助けられてたみたいだ。里音から翠にお土産だ。今すぐ飲みな」


 劣化エリクサーを翠に渡す。


「何?お土産?なにこれ?」


「翠が怪我したって言ったら、それをくれてな。怪我が治るらしいぞ」


「ふ〜ん、心配してくれたんだ。元気づけてくれたのかな?健康になりますよーに。ごくごく。ぷはー生き返る!生き返る〜〜!?お兄ちゃんなにこれ!?身体が痛くないよ!怪我が治ってるよ!?」


「あ、本当だったんだ。劣化エリクサーだってよ」


「劣化エリクサー!?あわわっ、すごいの飲んじゃった。里音ちゃんにお礼言わないと!スマホ、スマホ」






 その夜、里音のスマホに翠から電話があった。テンションが高かったが、話してるうちに落ち着いたのか、逆に心配されてしまった。主にお金とか。「大丈夫」と言って、成人のお祝いに何が欲しいか聞いたら「健康!」と言われたので、蘇生薬を渡そうかな。


 怪我が原因で、健康グッズに目覚めないか心配だよ。



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