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里音の不思議な地下  作者: はる
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小動物ダンジョン 13・14階層

「高梨里音の調査が進んでいないとはどう言う事だ!指示は出しただろう!」


「は、はい、申し訳もございません。どうも、高梨里音はこちらの動きに気づいている節がありまして」


「気づいているだと?まだ初心者の探索者じゃないのか?」


「んっ、調査結果ですが、高梨里音は地元の小・中・高校・大学を卒業し、交友関係は大学を卒業してからは連絡を取っていないようです。高梨里音の両親に悪性腫瘍の癌と転移が見つかり、父母共に末期だったようで、その後すぐに探索者になっております。約2ヶ月でNo.49ダンジョンの12階層まで潜った後、両親は他界して家に引きこもっていたそうです。最近では強盗殺人犯が高梨邸に侵入し、大怪我を負ったものの自身の能力で自己治癒し、強盗犯も駆けつけた警察により捕まっております。最近になり、またダンジョンに潜り始めており、妖精素材はダンジョンに潜り始めた最初の日に鑑定に出されております。これらの情報により、No.49ダンジョンに隠し部屋がある可能性が大きいと推測いたします。指示を出された後、高梨里音の自宅に盗撮カメラと盗聴機を仕掛けました所、仕掛けた翌朝すぐに警察にて全て取り外されており、外出時に尾行しました所、勘づかれて交番に助けを何回か求めており、尾行は断念いたしました。最近はダンジョン探索に通って、帰りにスーパーで買い物をして帰る事が多く、特に怪しい動きはされていません。不可解な事は、再度盗聴機とカメラを取り付けようと、うちの者が家に近づいた所、一定の場所から高梨里音の家に近づけないとのことでした。これにより、高梨里音には個人鑑定の時にあった『精霊石』と言う物で何か強い能力を手に入れたと愚考いたします」


「高梨里音の行動に不審な点は無いと言う事か。高梨里音の能力が不明だな。空間収納に高い治癒力か。隠し部屋と盗聴機にカメラを見つけたならば、探索系の能力も持っているかもしれん。一度呼び出して嘘発見の魔道具を設置して聞いてみるか?」


「それがいいかと」


「それと、隠し部屋があるかもしれん。ダンジョンの中の捜査も力を入れろ」


 協会長と部下の会話により、次にダンジョンに里音が探索に来る時は呼び出しが決まった。







 里音はNo.49ダンジョンの地図を自宅の部屋で発見して、13階層に挑もうと妖精達に話していた。


「今度からは、初めての階層に潜るから、みんな注意してね。罠なんかは無いらしいから」


「はじめてー」

「だんじょん!」

「もぐるー」

「たのしみー」

「たおすー」

「にげるー?」


「倒すのが難しい魔物が出て来たら逃げるかもね。多分大丈夫だと思うけど」


 妖精達とおしゃべりしながら、予定を話す。妖精達もダンジョンに大分と慣れたようだ。楽しむ余裕まである。


 最近、アキ総合病院が有名になり、わずかな希望に縋る人達が転院してきているらしい。


 そこで里音の出番だ。警戒されるかもしれないので、マスクで顔を誤魔化して、妖精達に導かれて重病の人や重症者の人達を治している。


 顔見知りの人に見つかれば「両親との思い出を探しに」とでも言えば気の毒そうに見逃してくれる。


 助けられなかった両親の変わりに、他の人を助けているだけだったが、いつのまにか妖精達と一緒に病人や怪我人を治していると心が満たされる。


 妖精の森と我が家が繋がっている限りは、ホワイトやレッド、イエローの力を借りて薬を作り続けたいと思う。


 そういえば、妖精にも性別があるみたいなんだ。


 妖精の幼体から脱皮した子をよく見るとボーイッシュな子だなぁと思い、声を掛けると「ぼくおとこー」って言って去っていった。悪い事しちゃったかな?ラブコールはいただいたけど。


 本当に僕の何が妖精に好かれるんだろうか?


『高梨里音の悪意の無い標準的な喜怒哀楽が、妖精の幼体が脱皮する為の糧となり、心体の成長を正常に促します。その為、妖精に好かれやすくなります』


 うわっ、賢者の石か。いきなり声がすると驚くよ。


 僕並みの人なんてたくさん居そうだけどな。でもそうか、今の僕を好いてくれているんだ。嬉しいな。いつまで側に居てくれるだろうか?居なくなっちゃったら寂しいな。


『高梨里音が、今のままであれば100%妖精との繋がりは消えません。高梨里音が私欲に溺れてしまえば、妖精との繋がりは消えるでしょう』


 人間は欲の塊だからな。いつ妖精との繋がりが切れてもいいように心構えしないと。


 僕が今のまま変わらなければいいのかもしれないけど、人は変わる。僕は知っている。

 でも妖精達が来てくれてからは寂しくないんだ。毎日が楽しいよ。


 父さん、母さん、僕は元気に生きてるよ。心配しないでね。







 今日は平日、快晴だ。外でのんびりしたいがまだ夏で暑い。ダンジョンに潜るのが吉だろう。


 小動物ダンジョンの13階層に挑む。今までと同じく動物が増えるだけだから、レッドとイエローがいれば楽勝だろう。


 アイテムボックスがあるからコインロッカーは利用しないで、更衣室だけ利用する。更衣室の利用だけならタダだからね。


 着替えたら妖精達と一緒に12階層にワープだ。前は13階層まで行かなかったからね。


 12階層は牙が鋭いウサギが3匹出る。レッドとイエローと僕の魔法で倒していく。

 前に来た時、魔法の練習をして大分、上手くなったから楽勝だ。


 ドロップを拾って魔物を倒して進んでいく。妖精達も楽しそうだ。イエローなんてドロップが出たら抱きついている。小さいから可愛いな。でも僕のリュックに入れるけど。



 とうとう13階層だ。階段を下りていく。


 道は12階層と同じ感じだな。歩きやすいし、魔物も発見しやすい。地図だと右の道だな。妖精達と歩き出す。妖精は飛んでるけど。


 分岐に差し掛かるとウサギが4匹で走って来た。


 レッドとイエローが1匹ずつ倒してくれる。僕は残りの2匹に炎の玉をぶつける。燃え上がり倒れた後はドロップが出る。

 ポーションと魔石だな。幸先が良い。ドロップを拾って、2人を褒める。ご機嫌で飛んでいく。


 ホワイトがヤキモチでも妬いたのか、ほっぺにひっついてきた。撫でてやると肩に座った。定位置になって来たな。


 順調に倒していき、14階層に下りる階段を見つけた。


 気合いを入れて、14階層の地図を見てから階段を下りて行く。

 次はウサギが5匹だ。頭の中でイメージトレーニングをする。噛まれるのが怖くて緊張する。


 大丈夫だ。魔法があれば倒せる。


 14階層についたら、地図に従って歩き出す。すぐにウサギが5匹走って来た!炎を飛ばすが1匹だけ外れた!すぐそこまで来ている!鉄板の入った靴で飛びかかってきたウサギに蹴りを入れると、飛んでいって地面に転がったが、まだ動いている。炎をぶつけて倒した。


 ふう、ちょっと焦った。剣は手に持って歩いた方がいいかもしれない。


「りおんだいじょうぶー?」

「いたいー?」

「なおすー?」


「大丈夫だよ。心配掛けてごめんね。怪我は無いから大丈夫。元気元気」


「「「よかったー」」」


 妖精達が僕の周りを飛び回る。


 緊張のしすぎだったかもしれない。ちょっとリラックスした方がいいかも。

 僕は水分補給をしてから歩き出す。


 またウサギが5匹出た。レッドとイエローが攻撃している間に、魔法を待機状態にして残った3匹に炎を撃ち出す。今度は成功だ!3匹が火だるまになった。


 魔法はイメージだ。余裕を持って攻撃したらいい。ドロップを拾って、自信を持つ。


 レッドとイエローが飛んで来て、ハイタッチー。手と指だけどね。ホワイトもタッチー。


 1人じゃないっていいな。


 

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