2つの財布
政府が減税に消極的なのは、国には2つの財布があるからです。1つは普通の現金の入った財布。もうひとつが、借金で借りたお金が入った財布。
現金の財布は一般会計予算と特別会計予算といって、行政や公共事業など普通に使うものです。これは主に税金が収入源になります。これとは別に臨時の追加予算には国債などの借金を収入源にしたものがあります。こちら臨時のもので今回の臨時の給付などに当てられるものです。
税収が減るということは、国の通常の活動が縮小してしまうことになります。しかもこの税収は見込みなので、途中で減らせば年度末に赤字になってしまいます。ですから、政府としては税収は減らしたくないわけです。
一方借金のほうは足りなくなったらいつでもできます。こちらは見込みではありません。しかも借金は国民から借ります。本来返すものですが、今は、利息だけ払って、借りっぱなしみたいなものです。
ですので、減税よりも給付のほうが予算が立て易いということになります。また、減税の場合は計算方法なども変わりますから実際の手間も大変ということがあります。
以上の様な理由で、減税ではなく給付が選ばれるわけです。さらに減税すると戻す際にまた手間がかかるので運用上も好ましくないわけです。
今、減税と叫んでいる人たちは、永久に減税したままにすること前提にしています。確かに聞こえはいいけど、先の世界まで見通して議論する必要がありそうですね。