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司令室を突破せよ

「市街地Dー五防衛部隊が突破されました!」

モニター越しにその戦いぶりを見ていたギュロンドノアスは、先ほどまで見せていた余裕な表情を崩し、苛立ちを隠せないでいた。

「クッ! こんなところまでやってくるとはな。あの時、何としてでも見つけて捻り潰しておけばよかった…」

リスイアとタブルスを逃してしまったのは大きな誤算であった。

「なあに狼狽(うろた)えることはない。飛んで火に入る夏の虫って奴だ。クククッ」

このギュロンドノアス様にかかれば、人間など虫けらも同然なのだ。

「兵たちに伝えろ! この国、最大戦力を持って撃退しろとな」

「承知致しました!」

「さあ、お遊びはここまでだ。精々もがき苦しむがいい。クククッ」


城門の辺りで待機していた革命軍数名の班は、援軍の到着を待って突入する手筈となっていた。

アストラン兵たちの動きが忙しなく、防備を固めているようだ。

街のアストラン兵たちを突破した革命軍とリスイアたちが合流する。

「どうじゃ、敵の様子は?」

「先ほどから多くのアストラン兵たちが移動し、城門の前に集まり出しております」

「うむ。やはり守りを固めてきたのう。ここからは一筋縄では行かぬぞ。皆、油断するでないぞ!」

「はっ!」


「敵の残りの戦力は、この城内に集結してると考えて良さそうね」

「ああ。向こうさんもここで打ち倒さねーと、って必死だろうな」

「兵力ではまだ部が悪いよ。どうするの?」

リオ、タブルス、アビイが革命軍の後ろの方でヒソヒソと話している。

「あの兵士たちの動きを止めないと」

「しかし今度は屋内ですよ。空からの攻撃は効かぬのでは?」

リスイアの言葉にレヴィオが疑問を呈す。

「兵士を操作しているのは司令室からだ。だからそこを占拠できれば、混乱するはずだよ」

「なるほどね…その場所はわかるの?」

カナンがリスイアに尋ねると、タブルスが代わりに答える。

「これを見てくれ! これは前に俺たちが潜入した時の場所を記したものだ」

「へー。やるじゃない!」

「へへっ! ただ捕まってたわけじゃねーよ」

「よし! それでは作戦を伝えるぞ。革命軍、第一班と第二班はアストラン兵と戦い、陽動作戦を行う。儂らリスイアたちと第三班で裏口に回って侵入し、司令室へと向かうぞ。いいな!」

「はっ! 了解致しました!」

「ここからは総力戦となる。皆、無事で最後まで生き延びるのじゃ!」

「はっ! 司令官、御武運を」

「皆を信じて儂は進む。心は常に皆の元に」

「革命軍、司令官へ敬礼!」

革命軍の兵士たちはザミアに対して最敬礼をした。

「では、作戦開始じゃ!」

「オオー!!!」


本格的に革命軍とアストラン兵の戦いが始まった。

激しい戦闘が繰り広げられている中で、第三班の革命軍とリスイアたちは裏口から侵入した。

裏口には仕入れや奴隷たちの移動に使う通路がある。

監視カメラがあちこちにある為、迂闊に動けないでいた。

「あれ、どうにか出来ないかな」

「カナン、ちょっとあれ溶かしてみて」

「えー! そんなこと出来ないわよ!」

「カナンの力は熱を加えることも出来るはずだから、ダメ元でやってみてよ」

「じゃあ、やるだけやってみるわ…」

リスイアに促されてカナンは監視カメラに力を込めた。

すると、熱で溶かされたようにドロドロになった後、バリンッと音がして破壊された。

「おおー、さすが!!」

「俺、もうカナンに逆らわないことにするわ…」

「ふっふっふ。やればできるってことね!」

「よし! では行くぞ!」

「はっ!」

次々に監視カメラを破壊し、ザミアたちは司令室へと向かっていた。


その頃、司令室では監視用のモニターが次々と消えて行き、混乱を招いていた。

「ダメです! Cー六エリアもモニターが消えました!」

「何が起こっているのだ! 革命軍たちは城門にいるんだぞ? …もしや、別働隊が侵入したか?」

ギュロンドノアスは消えたモニターのエリアを考えながら、対策を考える。

「…そうか! 司令室を乗っ取る気だな? クククッ。私の城に入ったのならもう袋の鼠だ。兵士たちに至急連絡し、城内の侵入者たちを捕らえよ!」

「了解致しました!」


リスイアたちと革命軍が順調に進んで行くと、たくさんの足音が響いてきた。

「司令官!」

「むう。こちらの動きを読まれたか。挟まれたようじゃのう」

「そんな…こんな狭いとこで、どうするのよ?」

カナンがザミアに尋ねるが、状況は確実に不利だった。

「司令室の方から来る敵を攻撃する! 革命軍は後方を防御せよ」

「はっ!」

ザミアは剣に雷の力を纏わせて、迫り来るアストラン兵たちを薙ぎ払った。

「うぬぬ。どんどん湧いてくるな」

後方からもアストラン兵が迫り、ザミアたちはどんどん押し込められていった。

「ザミアさん、僕に任せて!」

「リスイア、どうするのじゃ?」

「アビイ、カナン、僕に力を貸して。僕の炎をアイツらに食らわせる!」

「よっしゃー!」

「わかったわ!」

リスイアは太陽の剣を構え、アストラン兵に向かって斬り込んで行った。

「喰らえ! フロアスモネガー!!」

リスイアが振るった剣から炎が渦を巻くように飛び出し、狭い通路に(ひしめ)いていたアストラン兵士たちを一気に燃やし尽くした。

「ス、スゲーな…」

「いつそんな必殺技を編み出したのです?」

「今だよ」

「アンタって、意外と計画性ないのね…」

後ろの兵士たちはザミアが加わって反撃したところで、なんとか防ぐことが出来た。

「またこっちに応援がやって来るやも知れぬ! 先を急ぐぞ!」

「はい!」

ザミアたちは急いで司令室へと向かって行った。

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