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幻の島

港町ネルケにやってきて二日目。

昨日とは別の二人一組で行動することになり、海に出るという噂の真相について調査していた。

タブルスとリオは、町に古くから住む人を探して海の話を聞くことにした。

アビイとレヴィオは、観光客や商人からここに来るまでの海路と海の様子について聞き込みを始めている。

リスイアとカナンは、町の本屋で歴史書などを探していた。

ザミアは単独にて武器屋や防具屋、薬局などを回っていた。


それぞれに調査が進み、事の真相が見え始めてきた。

まずは、盾の在りかについてだが、海賊の話では宝が眠っている島があって、それがいつしか海底に沈んでしまったということだった。その中に伝説の盾があるらしいという。

歴史書と昔からの住人によると、この町から西の辺りに幻の島トランティアスがあったと言われている。

伝説の英雄が使っていたといわれるキレアスの盾が(まつ)られていたということだった。

もしその盾が我々の求める伝説の盾なら、リオの予見と一致する。

他の海賊の話だと、その島は満月の時には海面に現れるという。

しかしその場所は特定できないので、発見するのは困難だろうという話だった。


あと、女性の歌声が聞こえる、化物が出るなどの真相は不明だが、直接襲われるということではなく、惑わされて船を乗り上げてしまったり、無理に進もうとすると船を襲われたりすることもあるらしい。

何かその先に行かせないようにする事情があるのだろうか。

「と、まあ、こんな感じかのう」

ザミアが皆の情報を集めた上で、まとめてくれた。

「だいぶ状況が分かってきましたね。やっぱり盾は海にあるようですね」

レヴィオが納得したような表情で(うなず)いた。

「幻の島トランティアスか…」

「キレアスの盾、確かに神官様が言ってたやつだな」

「リオの言った通りだったね!」

リスイア、タブルス、アビイもそれぞれ感想を話す。

「その島ってさ、満月の夜に現れるって言うけど、場所が分からないんじゃ探しようがないわね」

カナンが問題点について指摘した。

「確かにのう。船を出すと歌声やら幽霊やら怪獣が出るなどとも言っておったが、それと何か関係があるんじゃろうか…」

みんなは、しばらく考え込んだ。

「満月の夜って、確か三日後よね? …ねえ、とりあえず探しに行ってみない?」

「そうだけど…場所が特定できなくて、西の方って言ってもかなり広いよ?」

リオの提案にアビイが疑問を投げ掛けた。

「西に向かっていく途中で、その怪しい歌声とかが聞こえてくるんでしょ? ってことはさ、多分その先に幻の島があるんじゃないかしら?」

リオは自分の考えた仮説をみんなに伝えた。

「なるほど! さすが、リオさん!」

レヴィオがリオを褒め称える。

「ちょっと! その先に進んだら襲われるって、海賊や漁師が言ってたじゃない!」

カナンが危険すぎると警告した。

「怪しいのは確かでしょう。真相を確かめなきゃっ」

リオはなんだか面白くなってきたとばかりに主張する。

「ふーむ。そうじゃな…念の為、腕の立つ海賊を探して装備も整えておこう。もし、それ以上進むのが危険だと判断したら、すぐに引き返す。それでどうじゃろうの?」

「もう! どうなっても知らないんだからねっ!」

カナンは渋々と言ったところだったが、他のみんなはやる気のようだった。

「じゃあ、三日後に備えて準備しないとね!」

「おおっし! 怪獣でもなんでもぶっ倒してやるぞー!」

意見がなんとなく(まと)まったところで、三日後の出航に向けての準備が始まった。

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