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あい

作者:


「おめでとう。」


私の大好きな親友が、穏やかな顔で私に言う。


「ふふ、ありがとう。」


いつもは無意識に口許を強張らせているけど、今日ばかりは緩んでしまう。そんな情けないであろう微笑みに、彼女は優しく返してくれた。

愛しい時間。かけがえのない親友。柔らかな道しるべ。ああ、今日はなんて幸せな日なんだろう。


(彼と共にこれからも歩んでいこう。)


穏やかに、しかし強く、気持ちを新たにして、ふわっとブーケを投げた。視界の端に映ったあの子は、少し泣いていた。泣くほど喜んでもらえてるなんて、やっぱり私は恵まれている。

静かに涙を流すあの子に1番に祝われている実感を胸に、彼と手を繋いだ。これから愛を紡いでいくんだ。

『こい』の別視点です。続けて読んでもらえたらと思います。

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