第17章 カシミア王国
第17章 カシミア王国
エンデル村の村長、メリーマはパーテイルたちにお礼を言った。
「本当にありがとう。あなたたちのおかげです」
ロザとリマはもう旅立つ用意をしていた。
パーティルはメリーマから手形を受け取った。
「これは隠してたの。これを持って国境に行けば、カシミア王国へ入国できるわ」
「ありがとうございます」
「いえ、礼を言うのはこっちの方だから」
「そんな。わたしは特に何もしてませんし。本当に戦ったのはロザさんとリマだから。それにこの村の女性たちも」
「良い旅を」
「はい、では」
「気を付けてね。パーティル・エバンス」
「戦争を、終わらせてきます」
「祈っているわ」
パーテイルたちはエンデル谷をあとにした。
山を越えると国境に出た。
「あれがバニディス国境さ。お姉さん、手形もらったんだろ?」
「ええ。あそこからカシミア王国へ入国するのね?」
「ああ。とうとうルリアの国だ。あいつめ。必ずその命、奪ってみせるぞ!」
「その役目だけど・・・」
「ん?」
「わたしに委ねてくれないかしら?」
「お姉さんに?」
「ええ」
「どうして?」
「わたしがつけるケジメだから、かな?」
「何だいそりゃ?」
「それはトライス城に入ってから話す」
「お姉さん、やっぱり一体何者だい?」
「わたしは、そう・・・、ルリアと血を分けた姉妹だから」
「えっ?」
「そうなの。黙ってたけど。でも、そろそろ気づいたんじゃない?」
「それは・・・、考えはしたけど」
「だからわたしはルリアに会いに行くの。この旅の目的もそれ」
「でも、何でお姉さんはウール皇国に?」
「わたしの出身国だから」
「うん?」
「変かな?」
「分からないや」
「つまり、わたしはルリアの父親の子なの」
「母親は?」
「違う」
「つまり異母姉妹ってこと?」
「そう。母はウール皇国人。わたしは母に引き取られて育った。だからウール皇国の者なの。でもカシミア王国人とのハーフなの」
「ってことは、ルリアにもう両親はいない。じゃあ、ルリアがいなくなれば・・・」
「カシミア王国の王族の血を引く者はわたしだけ」
「お姉さんがルリアに代わって女王になるってこと?」
「そうなれば、戦争は終わる」
「それは・・・、この旅が重要なわけだ」
「でしょ?」
「俺は知らず知らずにカシミアの王族と一緒に旅をしていたってわけか」
「一緒に来てくれて感謝してるわ。わたし一人ならきっとどこかで死んでたと思う。戦火の中ってのがこんなにすごいものだとは体験して初めてわかったから」
「じゃあ、ロゴット艦長も知ってたのか?」
「ええ、そうよ」
「そっか。なら、事情は分かったよ。お姉さんはルリアに会うんだね?そして・・・」
「その先は分からないわ。でも、わたしの役目だから」
「わかったよ」
「ありがとう、リマ」
「いいって。お姉さんを信じるよ。必ず戦争を終わらせてくれよな。多くの命がそれで助かるんなら、全部任せるよ」
「わかってる」
ロザがフッと笑った。
「ロザは知ってたのか?」
「まあな。そんな気がしてたんだ。わかるだろ?こんな娘が一人でカシミア王国まで旅をするなんてな。そんなに理由は多くないと思ってたんだ。必ずルリアに関した事情があるんだろうってな。だから俺は力を貸したんだ。それが誇り高いスリラ族の戦士の使命だってな。俺にはそういう理由で十分だけどな。リマ、俺はお前と同じ、パーティルをトライス城に連れて行き、女王ルリアに会わせる、それが使命だ。それがおれの誇りになるならな」
「あんたは立派だよ、ロザ」
「お前もだ、リマ。お前がいなかったらカシミア王国にはたどり着いてはいなかっただろう。お前も誇り高いメンカ人だ」
「へっ、まだカシミア王国には入ってないんだぜ」
「もうすぐだ。もうすぐ着く」
数時間後、三人はカシミア王国内に入っていた。その先を目指すはレンソル飛行場。そこから飛行機でトライス城に向かうこと。
レンソル飛行場・カシミア王国
飛行場には大きな飛行機と中型の飛行機と小型の飛行機が停まっていた。その周りにはカシミア軍の兵士たちがいた。
「さて、ジャックするにはどれがいいと思う?」
ロザが言う。
「一番小さいので五人乗りみたいだ。アレがいい」
リマが指さした。
「じゃあ、殺っちまおう」
ロザとリマはカシミア軍の兵士たちに攻撃を仕掛けた。ロザは手持ちキャノンの残りの弾が二発しかないので、弾の節約のために手持ちキャノンを鈍器代わりにして殴り掛かる。リマはダガーで敵を刺し殺していった。
二人掛かりで十人のカシミア兵たちを殺した。
「カシミア王国は今は軍事国家だ。こういう連中がこれから先、ごろごろいる」
「今までだっていたよ。もう珍しくもない。関わり合いにはなりたくないね」
「飛行機に乗れ。俺は操縦できる。このタイプならな。昔、操縦したことがある」
「本当か、ロザ?」
「信じろよ。俺はパイロット経験がある」
「じゃあ、トライス城に行こう」
「ああ」
「お姉さん」
リマはパーティルに声をかけた。
「はっ、はい」
「行こう」
「ええ」
「ここからはお姉さんの領域だ。俺たちには未知の領域なんだ」
「わたしもこの国に来たのは初めてよ」
「でも、この国に入ってからはお姉さんの戦いだよ」
「わかってるわ。わたしも戦う。拳銃の弾は残り二発。ルリアに会うまでに一発は残しておかないと」
「飛行機に乗ろう」
「ええ」
小型機に搭乗すると、パーテイルたちはトライス城に向かって飛んだ。
トライス城・訓練場
ルリアは剣を抜いた。相手はカシミア王国一の剣豪にして、ルリアの側近クチカット。クチカットも剣を手に、ルリアの前に立った。
「王女、いきますよ?」
「ええ。本気でね」
クチカットは剣を抜く。
「勝負!」
剣同士が激しくぶつかり合った。
攻撃を仕掛けるクチカットの剣。ディフェンスをするルリア。
火花がはじけ飛んだ。
さらにクチカットは攻めた。
立ち回りは続く。
ルリアは剣を振り回した。彼女の剣術はまだ未熟だった。クチカットの剣にはまだ歯が立たなかった。それでもクチカットは手加減していた。
「クチカット」
ルリアは剣を合わせながら言った。
「何です、ルリア様?」
「もっと手加減してくれる?」
「それでは王女のためになりません」
「わたしに勝たせてくれたら処女をあげるわ」
「そういうのは一番大事な時まで取っておいてください」
「さすがに集中を乱さないわね」
「わたしはカシミアの剣豪の十指に入る腕前ですから。そんなに簡単に負けはしませんよ」
「さすがね。頼もしいわ」
追い詰められたルリアは、剣を降ろした。
「わたしの負けね」
「ルリア様。あなたも上達していますよ」
「でも、負けは負け。残念ね」
「素直に負けを認めるのは良い事です」
「でも、勝ちたかった」
「そうですか?」
「ええ。そして、あなたに処女をもらってほしかった」
「何を馬鹿なことを・・・」
「わたしは本気よ」
「そんな冗談・・・」
「わたしを本当に理解してくれるのはあなただけ、でしょ?」
「そんな。わたしはそこまでは・・・」
「あなたを側近にしたのはわたしの理解者だからよ」
「理解者・・・」
「そう。だから、いつかわたしの想いを受け取って頂戴。いいわね?」
「それは、その・・・」
「わたしを守ってくれる?」
「はい」
「約束よ?」
「わかっています、ルリア様」
「カシミアの王族の血を絶やしたくはない。この血を流すわけにはいかないの。だから・・・」
ルリアがそう言うと、クチカットはため息をつき、剣をしまった。
「ルリア様が血を流すことはありません。その時はわたしが血を流します」
「クチカット・・・」
ルリアはクチカットの胸に飛び込んだ。
「クチカット。大好きよ!」
「わたしもです、ルリア様」
二人はしばらくの間、抱き合った。
ルリアはクチカットから体を離すと、パンティを脱ぎ始めた。
「触って」
「ルリア様・・・」
「いいの、あなたになら触ってほしい。わたしの体を」
ルリアはクチカットの手を取ると、その部分に手を誘導させた。
クチカットの手はマシュマロのようなその肌に指を走らせた。




