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かつての言葉たち  作者: 蠍座の黒猫&につき
15/24

鮫と鳩/

仕事へ行くために、朝に家を出た

早く歩く

振り返ると、子どもの鮫が遅れている

早く来なさいと、見ていると追いついてきた

鮫と一緒に出来るだけ早く駅へ急ぐ

駅に着くと鮫は悲しそうだ

鮫は電車には乗せてもらえない

改札に入ると鮫はすごすごと引き返す

きっとあの橋の下を流れる川へ戻るのだろう

冷たい流れる水の中で私の帰りを待つのだろう


電車が来た

電車に乗る

人と人と鳩が乗る

さてゆっくりと座ろうか

何しろ片道十年の通勤だ

鳩たちは歩き回る

そのうち足の指が擦り減ってしまって指のないのもいる

もうすぐしたら足も擦り減ってしまって、胴体だけでばさばさ羽を使ってはい回る

それからついには鳩の体が全部擦り減ってしまって

終点だ

ファイル保存日時

2014.11.01 00:17

このころ、まあまあな距離を通勤していた。家を出る時、わたしの何かを置いていった。雇われるという中で、わたしの何かがすり減っていった。そのリアルな思いが書かせたものです。

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