三十年後の町/ n音年後/ 音遅れ/
題の「」を/に変更。
他そのまま。
三十年後の町/
遅れてる
三十年も遅れてる
待ちのまま遅れてる
町はそのまま進んでる
待って帰って来るのを待ってる
町の景色の
三十年
元に還れば
帰ってきますか
n音年後/
ねえって
呼びかけてくれるけど
ずっとずっと離れてるんだ
夜と朝と田舎と都会とあの日と明日と
きっと
いまきこえたこの声って
シリウスの光だって、8光年位前の光だって
そんなことだろ
ずっとずっと何年も前の n音年前の声なんだって
また僕だけ
ずっとずっと遅れてるから
ただただ明日の明日の明日だって、
もうもう昨日の昨日の昨日の
それでも追い付かないあの日までだって
まだ待ってるから
夜と夜の間の一番静かなところで
誰にも見えない音が聞こえると思って
時間遅れの僕だけが耳を澄ますために起きている
音遅れ/
あなたの時間は時速1700キロぐらいです。
わたしの声は時速1500キロぐらいです。
だから、わたしの声はあなたに届かないのです。
いまあなたが新幹線に乗って発車する。
わたしはホームに残って、
声を限りにあなたを呼ぶ。
でも、
時速200キロで、
あなたは先へ行き、
わたしの声は置いて行かれる。
そのようなことです。
掲載日
2014年 12月13日 17時20分
このころ、精神の均衡が危うかったようです。それ故の不安定感が出ています。
こころが揺れる時だけの言葉があります。読み返せば、はっとするほどに寂しい透明へ指向していました。冬の詩は水が凍るように冷たく澄んでいきます。