表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

童話もどき?

きっと、またあえる。

作者: みあ

前にサイトに、のせてたやつ。消えてなかった。













気持ちよさそうに、まどろんでいるたまの顔を見ていたら・・・

だんだんと、僕も眠くなってきた。




たまの体に、擦り寄り僕は目を閉じた。



その日、僕は夢を見た。





僕が、見た夢はとても幸せで・・・・

とても、悲しい夢だった。















気がついた時には、僕の傍には誰もいませんでした。


心細くて、僕は鳴き声をあげました。



「にゃぁーん。」



でも、誰も僕の声には応えてくれません。


「にゃーーーんぅ・・・」



僕は、鳴き続けました。













私の耳に、子猫の声が聞こえた。






ーーーーどこから?






ーーーーーどこだろう?






ーーーーああ、この子がないていたのか・・・・。





「おや、どうしたんだい?」





そう問いかけてみたものの・・・・



「うみゃーん。」




子猫は、鳴くばかり。





「親は、どうしたの?」



「にゃーん・・・・」




私は、少し考えた。








ーーーーこの子は、まだ一人では生きてはいけないだろう。



そして、決めた。




「仕方がないね。ついておいでよ。」



そう言いゆっくりと歩き出すと、子猫は後ろをついてきた。




今でも思う。

どうして、私は子猫を拾ったのかを・・・



でも、考えてもわからない。



私は、この子と同じだった。

気がついた時には、一匹だった。


親も、兄弟もいなかった。

だから、一人で生きていくしかなかった。


それでも、生きていけた。

他の猫達は群れを作ったりしてた。


だけど、私は一匹だけですごした。

だって、その方が気楽だったから。


それに、群れを作ったら目だってしまう。

目立たないに、こした事はない。



なのに、私は子猫を拾った。

何故だか、私にもわからない。




寒い夜は、子猫を抱きしめて眠った。

あたたかいって思った。


えさをほおばる顔が、かわいいと思った。






子猫と過ごす時間は、あっという間だった。

時間がたち、子猫は成長して・・・・

私は、老い力をなくした。





ーーーーもう、この子を守る力はなく。

この子の重荷になるしかない。



私には、最後の時が迫っていた。



だから、私は、あの子を追い出した。




「どうして?」







ーーーーあの子は、泣きながら私に問いかけた。




「ここまで、育ったら一人で生きていけるだろう?」




「一人は、嫌だよ。」




そう泣くあの子を、爪をたて威嚇した。




泣きながら、あの子は逃げてった。



何度も、後ろを振り返りながら。



あの子の背中が見えなくなり・・・


私は、そっと老いた体を横たえた。



目がかすんで・・・

見えなくなる。


それでも、私には見る事が出来る。


あの子の可愛らしい顔を・・・


思い出すのは、あの子の事ばかり・・・


ああ、寒い夜空の下で体をくっつけて過ごしたね。


あの子は、とて暖かかった。



ーーーーどうして、あの子を拾ったんだろう。


ずっと、考えてた。


やっと、答えがみつかったよ。


私は、寂しかったんだ。


一人で生きていく事が・・・・


寂しかったんだ。


だから、あの子を拾ったんだ。


ああ、私は幸せだった。


とても、幸せだった。










どうしてか、わからなかった。

昨日まで、優しかったあの人。


僕は、何かをしたのかな?

怒らせてしまったのかな?


爪を立てられて怖くなった。

だから、逃げた。


でも、やっぱり寂しくて戻ってみた。

怒られるかなって思ったけど。


僕が、何か悪い事をしたなら謝ろうって・・・

そう思って、戻った。



あの人は、いた。

眠っているみたいだ。



そっと近寄って、頬にすりすりってした。

だけど、あの人の体はとても冷たかった。



体をくっつけたら、暖かくなるかなって思った。

だから、体をくっつけた。



だけど、全然暖かくならなかった。



「にゃーーん。」


何度も、呼びかけた。

だけど、全然返事をしてくれない。



悲しくて、悲しくて・・・

僕は、泣いた。



泣きながら、僕は感じてた。


あの人が、二度と目を開ける事がない事・・・



二度と、この体が暖かくなる事がないって事・・・


二度と、あの人の声を聞く事がないって事を・・・




僕は、泣くだけ泣いた。


それから、僕は長い事生きた。


その間、いろいろなことがあったけど。


僕が泣く事はなかった。


僕の中で、あの人の別れほど悲しい事はなかったから。


そして、やっと僕に迎えが来たようだ。


僕は、地面に体を横たえて・・・


その瞬間を待つ。



あの人と同じ場所へ行く。

そしたら、あの人にもう一度会えるかな。



ううん、きっと会える。



僕は、そう思っていた。

最後のその瞬間まで。













「にゃあーーん。」


横で眠っていた、クロが大きな声でないた。


気持ちよく眠りかけていた、僕は腹がたって。


あいつをゆり起こした。


「クロ・・・何寝ぼけているんだよ。」



「あっ・・・僕ねえ。夢を見たんだよ。」


寝ぼけ顔で、クロが言った。


「へえ・・・・夢ねえ。」


どうせ、リリーちゃんの夢でも見たんだろう。


クロが、最近おいかける美人猫のリリーちゃんを僕は思い浮かべた。


だけど、クロの返事は思ってもみないものだった。


「また、会えたね。僕は本当に嬉しい。」


そんな謎の言葉を残して、あいつはまた一人で眠りについた。





ーーーまた?

またぁー?てなんだ??

わかんねー。





疑問に包まれた僕だけを残して。








おしまい









評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ