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8話 地平線からの距離は

足に神は滅びろという殺意を込め走っている。


いや、正確にいえば飛び跳ねているが正解なのだろうが


確かに最初は走っていたが、常に意識を足に向けるというのは存外に難しいものである。少しでも気をぬくとあっという間に足に草が絡まり走りにくいのである。


本来この世界において戦闘をするのであれば必須項目とも言える技術なのであるが、常時魔力を体の一部に、さらには殺気を込めて走るとなると意識を常に足に持っていかなければならないので面倒なのである。


それならばこの身体能力を試すのと同時に移動するという事を思いつき着地の瞬間と飛び跳ねる瞬間に一時的に込めるだけで事は足りる。そして何よりも魔力の消費を抑える事ができる。


どのくらいの速度が出ているのかわからないが結構なスピードで走っているはずである。もし周りに建物や大きなものがあれば大体の速度はわかるが、周りは見渡す限りの地平線である全力で走ってしまうのは致し方ない事であろう。


「風を切って走るってまさにこういう事だよな。周りはどんどん後ろに消えていくしまるでバイクに乗っている様だな。と言っても飛び跳ねているわけだから遠くから見たらまさに屋根の上を飛び跳ねるNINJYA大きい街に入ったら一度黒ずくめでやろう・・・・」


とこぼしながら飛び跳ねていると遠くの方に黒い煙が上がっているのが見えた。


着地後に地図を確認するとかなりの距離を移動したらしく波打った様に地図に緑色の部分が写っていた。そして赤い点滅している部分と矢印の一部が重なっている。


「体感的にはそんなに移動した感じではないが、結構な距離移動しているな。体も少し疲れた程度だし身体強化されてるのあらためて実感するな。

煙が見えるって事は最悪の事態も考えられるけど、少なくとも人はいるという事だ。もう一踏ん張りするか」


俺は再び煙の方へ飛び跳ねる


少し進んだくらいから煙が2本3本とどんどん増えていっている。


料理をしているとしても普通であれば水蒸気を多く含む白い煙が出る事が多いのだが、黒い煙が増えるという事は火事などが起きなければありえない。


もしかしたら普段ではありえない事が起きているのだと考えてしまうと、自然と向かう足は速くなる。


俺が急いで移動している時にも煙の数は多くなっていく


煙の数が増えるごとに俺は焦りを覚える。あの煙の立ち方は火事などでは起きない。必ず何かイレギュラーな事が起きているはずであると。そう思うと俺は全力で煙に向かって飛び跳ねる。



飛び跳ねる事30分程


途中から草はなく俺は全力で走っていた。


飛び跳ねている時に建造物と思われるものが見えたので、もう少しで人のいる所につけると思う安心感と、不穏な事が起きているのではという焦りはどんどん膨らむばかりである。


走っていると途中から物が焦げた匂いと小さい頃に嗅いだ曽祖父の葬儀の火葬場での匂いが

鼻の中を満たしていく。


あの鼻の中にこびりつく様ないや、鼻の中に付いた血を焼かれる臭いと表現した方が正しいくらいに俺の鼻は血と髪などが燃える臭いを嗅ぎ取っていた。


「くっ・・・・人が焼け死んでいるのか・・・・」


さらに速度を上げて走ると


俺はついに人家だったと思わしき建築物を目にする。


建築物と言うよりは建築前の資材を集めていたら荒らされてしまった材料の集まりだと言った方が正しい様な状態である。


ただ、周りに家などはなくこの家は集落から外れた所にあった様で、少し先には集落と思わしきものがある。


俺は一抹の思いで生き残っている人がいないか家だったものの周りを調べる


周りを調べるとすでに焼け焦げた人だったと思わしき焼死体を見つける。


よく見ると胸のあたりを抉られた様なあとや一部が欠損した様になっている、直接の死因は胸を抉られた事であろう。


抉られて死んだあとに焼かれた。もしくは焼かれながらに抉られたであろうと抉られた部分や欠損部分が焼けている事から推測する事ができる。


ただ、不可解な事がある。死体以外に燃え移った跡がないという事だ。


普通であれば何かが燃えると当然周りの物も焼ける。燃えている物が人間であろうとなかろうとこれだけ周りが燃えやすい状態になっているにもかかわらず他の物が燃えていないのは明らかにおかしい。


ただし、これは地球での考えであってこの世界ではもしかしたらこれが当たり前なのかもしれないという思いもあるが、「魔法」という言葉が脳裏をよぎる。


あのクソみたいな神が言っていた「魔法」こちらの世界での魔法を俺は見た事がないから何も言えないが、あの神が言っていた通りならば「魔法」でその様に発展しているのであれば不可解な事も頷ける。


とりあえず俺はこの焼死体を魔法という言葉で片付けると


集落の人家が密集している方へ急いで向かうのであった




蛇足説明


この世界の大きさは地球の半径の約3倍という設定なおかつ主人公は地上から約5m位まで飛べると仮定してあります。5mって大体車の信号機と同じくらいの高さです。もちろん無風と仮定されています。

そのため煙の見える距離は約50kmという設定

地平線からの狼煙の見える距離というのは大体三平方の定理でおおよその距離を測る事ができます。

数Ⅲあたりの方法でも求める事ができます。もちろんそれぞれのやり方で大体の距離は図れますが、細かいところでは違ってくるので有効数字2〜3桁でやっています

ちなみに地球では約4.5km先までしか見えないらしいです

と調べたら書いてありました

でも中学のときや高校の時ににやった様なきがする

もっともこの世界が地球と同じ条件であればのはなしですがね・・・

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