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5話 やっぱ武器といえば○○だよね

いったいどのくらいたったのだろうか、俺は痛みにのたうち回っていた。腕はまるで万力で押しつぶされるような、引きちぎられたかの様な痛みである


「ほらほら腕の痛いところに魔力を貯めるイメージを早く。そうじゃないと痛いままだよ」


意識を失いそうになるが痛みで気絶できないと言う瀕死の重傷を負った時に表現される感じである。こんなので集中しろと言われても集中なんてできる訳がない。


「お、少し考えれる余裕ができる様になったみたいだね。もう少しで意識を集中できそうだ頑張れ」


言われてみれば、痛いとか死ぬとかという意識が薄くなっている気がする。だが、腕が痛いのには変わりは無い

くっ早く魔力を腕に・・・・腕に


「だいぶ腕に魔力集まってるよその調子その調子」


腕に力を入れるとも、なんとも言えないものを腕に集めるイメージをすると痛みが少し和らぐ


「そろそろ魔力の位置ずらすよー今ある所から痛みの位置に移動するイメージをしっかり持ってね。そうじゃないと全く意味がないから。イメージ的には粘度の高い液体が移動するのを意識すると上手くいくかもね。移動させるよ。それっ」


俺の中の痛みが徐々に別の場所に動くのがわかる。正直こっちのほうがイメージ湧きやすいという理不尽さ。しかし、痛みを意識するせいか、すぐに魔力を移動することができた

「お、かなり早いね。やっぱ僕のアドバイスは的確だからすぐできるんだね。流石に神だけはあるよ」


ドヤ顔のイケメンはマジむかつくわー


殴りたいあの笑顔


そんなこんなで何回も繰り返すと魔力をぎこちないにしろ移動させることができるようになった。

「んー魔力をスムーズに移動させることはできないみたいだけど、それだけ動かせれば後は向こうで練習すれば問題無いね。」


「痛い目を見たおかげでな」


俺は神様をジト目で見る。


「そんなに熱い目線をくれないでくれよ、興奮しちゃうじゃないか」


「一度死んでこい糞神が」


「全く、君は冗談が通じないー。仕方ない最後に君に渡す装備だけど」


「ちょっと待ってくれ、魔力の移動とかはわかったが、肝心の魔法は教えてくれないのか?」


「あー魔法ね。一応教えることもできるけど、今向こうで使われている魔法って僕たちの使ってる魔法と違って形態が色々あるんだよ。元は確かに僕たちの魔法だけど、今の時代そんな魔法使える人なんて居ないよ?たとえ使えたとしても、人なら千年に一度レベルの大魔法使いが1回打てればいいほどの魔力消費だからいくら君でも使えないんだ。」


「そんなに強力なのか、一番低い魔法でもいいから見せてもらっていいか?」


「おっけーこの空間なら問題無いから見せてあげる」


「※※※※※※※※※※」


いったい何を言っているかわからない言語?を神が言い放つとその手にはまるで太陽を凝縮させたかのような球体が浮いていた


「これが一番威力の低い魔法だよ。地球で言えば太平洋の海水程度なら即蒸発させられるかな?やったことないからわからないや」


「マジかよ・・・・そんなもの確かに人間には扱い切れねーな」


「そうそう、だから向こうに行ったら魔法をきっちり修めて、どんどん魔法発展させてよ」


「そんなに魔法発展してないのか?」


「ある程度のレベルにはなってるけど、君の所でいう物理だとか化学が発展してないから今のところは頭打ちって感じになってるかな。系統がいっぱいある所も発展しない原因だけどね。


魔法の説明はこれでおしまい、最後は君の武器だ」


「木の棒と100Gとか言ったらぶん殴るからな」


「そ、そ、そんな訳ないじゃん。しっかり準備してるよ」


この神めっちゃ目が泳いでるぞ。もし言わなかったら。マジで木の棒と100Gとか渡しそうだったな


「一応武器はいいもの準備してあるよ。まずは皆大好き日本刀!名刀以上に切れるから扱いには十分気をつけて!そして防具は動きの邪魔になりにくい籠手と鎖帷子。やっぱ日本人なら憧れちゃうよね?ね?」


「確かに、日本人なら憧れるが、刀とか使ったことがないから即刃こぼれとか折れそうなんだが?しかも、俺戦ったりしたことないから戦闘になっても動けないと思うぞ?」



「そこは大丈夫刃こぼれは起きにくい魔剣になってるし、折れても君の魔力で復元できるし、刃こぼれが起きても周りの魔力で自動修復してくれる優れもの。後は、君の体に名人の動きをできるように脳と筋肉に転写すれば問題無いよ」

といつものいい笑顔で言ってきた


「転写とか言ってるが、お前が笑顔で言うと痛みとか生じるんだろ?」


「大丈夫、大丈夫。チクッとするだけだから、それに体全体に魔力を行き渡らせておけばそんなに痛くないって。ところで武器はそれでいいかい?なんなら他に変えるけど」


「いや、そういう能力が付加されているならそれで問題無い。それで転写の話は置いておいて、他には何があるんだ?魔法の袋みたいなのとかあるのか?」


「魔法の袋とかは無いよ?いくら魔法が便利だからって、空間を拡張とか異次元につなげるとかなんてできないよ。そんな便利な物が仮にあったとしても、魔力をどれだけ消費するかわからないね。それに考えても見てよ。新しい空間を作り出すって事は、新しい世界を作るのと同義なんだよ。それこそ正に神の領域なんだよ。この狭い空間を作るのだって僕の魔力の総量の半分以上使って作っているんだ。僕でさえこの状況なのに人に作れる訳ないよ。(ただ、他の場所と場所の空間をつなげ合わせる事くらいならできるんだけどね)」


ふむ・・・・よくある転生物であれば簡単にオプションで付けてくれるが現実は甘くないようである


「ただし、空間を作るのではなく、入れる物に直接魔法で小さくして、さらには劣化スピードを遅くする程度なら問題無く作れるよ。ただ誰も作ることに成功してないみたいだけど」


確かによく考えたら今ある空間に他の空間を作るとか無理だよな・・・

ちょっと待てよ、魔力は別世界からあふれ出たものって言ってたよな?ということは、その世界に物を送り込めれば魔法の鞄くらい作れるのではないか?いや作れるはずだ。意図的に隠してるに違いないな


「魔力があふれ出てる世界はアストラル世界といわれる実態のない精神世界のことさ。もし仮に送り込めたとしても送り込んだ物そのものが消えることになるのさ。つまり、送っても消滅するだけだよ明智君」


「やっぱり無理なのか。ところで、魔力がアストラル世界から漏れ出てるって事はそこに神様が行けば無敵なのでは?」


そう俺が突っ込むと神様は床にうなだれていた


「明智君には突っ込んでくれないのか・・・・まぁこの世界がアストラル世界その物なんだけどね。そこに僕が無理矢理今居る空間を作っているだけなんだ。それも君が精神体にならないための処置だよ。おっと話がかなりずれてしまったようだ。君に渡す物を言っている途中だったね」


といって神様は俺の目の前に色々な物をだした

俺が見る限りわかる物は


刀(鞘)

鎖帷子

籠手

臑当

ベルト

ブーツ

小さい袋(何かが入っている)

大きい袋(色々な物が入っていそう)

マントの様になっている布

ボロい衣服数枚

地図みたいな物


「君に渡すのはこれくらいかな。この小さい袋にはお金が入っている金貨5枚、銀貨100枚。4人家族が一日に必要な生活費が銀貨4枚くらい。5ヶ月生活するのに必要な金額だね。こっちの大きい袋には着替えと食べ物が入ってるよ。食べ物は大体1週間分くらい。一週間も歩けば何処かしらの集落には行ける様になっている。そして最後はこの地図。この地図は全世界の都市などが表示されるようになっているんだ。しかも、オートマッピング付き。最初は何も載ってないけどね!ただし、一度行ったことがある所は詳細がわかるようになるし、消滅とかすれば自動で消える様になっている。向こうの世界ではオーバーテクノロジーだから、君にしか見えない、無くしても君の元に戻ってくるように細工してある。他の人から見たら古ぼけたよくある地図にしか見えない様にもなっている。僕が準備できる物はこれくらいかな。他にも色々あるけど、これ以上出すと確実に世界のバランスが崩れてしまうからね。」


最後にアドバイスだけど、向こうの世界の村や町に行ったら必ず村長か酒場に行くように。冒険者ギルドなんて便利な物はない。向こうの世界では村長や酒場でその日の仕事を見つけて生活費を稼ぐ人はかなり居る。不便な世界だからこそ成り立つ事もあるんだ。そして、自分の力にうぬぼれないことだ。今まで何人も送り出してきたが、何十年もその世界で勝てる者が居ないところに居るとその力にうぬぼれて何でも無いことで死んでしまうことはざらにある。だからこそいつも慎重だった君には生きて魔王を討伐して欲しいんだ。」


「最後だけかなり真面目だな。確かにその言葉受け取ったから安心しろとは言わないが仕事はしっかりやらせてもらうよ。さくっと送ってくれ」


「おっけーじゃぁ送るよ・・・・・っとその前に刀の扱いの達人の動きを脳に転写刺せて無かったね。次に起きたときは異世界だ頑張ってくれ」


「ちょっと待ていま何かおかしな表現になってたぞおい、なんとかい「それじゃぁ頑張ってくれ」

と今までに無いほどの笑顔でもらい受けるはずの刀を俺の頭にぶち込んできた




このルールの崩れた世界を救ってくれることを君には期待しているからね・・・・


と神は今までとは違う真面目な顔つきでつぶやく


「さてしけた話はここまでだ、異世界召喚とかやってる連中の思惑通りになるのはつまらないから比較的安全な辺境に飛んでもらうかな」


と竹中の頭に刺さった刀を引き抜き向側の世界に送り込む準備を始めるのであった

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