1話 異世界事情
俺は突然の落下にもかかわらず頭の中はすごく冷静になっていた
会社の前にマンホールといった落下するようなものはなかったはずである
そしたら一体どうして落ちているのであろうか?
ふと周りに意識を向けるとどうやら白い空間で落ちているようである
これは死んだなと思っていると
ぽすっ
と空気の抜けたようなクッションに落ちた音がなり、落下は止まったようである
周りを見渡すとそこは何もなくただ白い世界が広がっている
少し息苦しい感じがあるものの、普段暇なときに読んでいるネット小説の神の世界ってこんな感じなのか?と考えていると
後ろの方から
「いきなり呼んで悪いね」
後ろを振り向くとホストクラブなどでガンガンに修正のかかった写真の中から取り出したかの様なイケメンのにいちゃんが立っていた
もちろんホストクラブになど行った事はないが、夜遊び検索などで興味本位で覗いた時に見た写真を思い出しただけである。
「いきなりで悪いけど異世界に行って勇者をやってもらいたいんだけど、異世界に行く気はないかな?いやー僕の世界に魔王が生まれるんだけど、どういうわけか勇者が生まれないんだよ。」
ネット小説だといきなり連れてこられるとか実際断る選択支なんてないんだよなーとなぜか冷静に考えてしまう
でも勇者か勇者とか一度やってみたかったけど30過ぎのおっさんには辛いものがあるだろ
「一応断ってくれてもいいよ?連れてくる数分前に戻すこともできるから。ついでに肉体的には少し若返ってもらうし、行く世界の住人よりは強くなってるから安心してくね。
お、案外条件ゆるいんだな。一応死亡する可能性は少なくなっているわけか
「ただし、途中で死んだらそこで終わりだから気をつけて」
ふむ、死んだら終わりと
「ってなに勝手に人の思考覗いてるんですかーー」
「今さら突っ込むのっ!?」
「あまりに自然すぎて突っ込むの遅れたわ」
「ほら、俺一応神だし思考くらい読めるよ。君の性癖とかもわかるけど言おうか?」
「言わなくていいからっ!!!」
「つれないなーもー」
と神はほっぺたを膨らませて怒る真似をしている
さすがイケメン女性がやって可愛い仕草でも様になるから悔しい
「それじゃ説明の続きするね。変なこと考えて聞き逃さないでね」
お前が原因だってのまったく
「魔王が倒れるまで帰れないからよろしく!世界観は君の世界でのテンプレ?ってやつで中世位の時代で魔法がある世界だね。どのくらい進んでるかは君の目で直接確認してね」
「マジテンプレ通りだな。こっちの世界の知識とか広めて金儲けしてもいのか?」
「それについては構わないよ。君の知識だとせいぜい100年以内に作られるものが多いからね。」
「俺の知識ってそんなに使え無いのかよ・・・・」
「100年以内に作られるって言っても君の世界の使っているものの仕組み100%理解できてるなら作れないことは無いけど、理解できてるのかな?」
そう言われると何気なく使っている物の仕組みなんてほとんど知らないな
「というわけだから次に君に付与する能力いくねー」