Dreamf-1 少年は銀色の光と共に――
それは、きっと奇跡かもしれない――
夜闇の中で殺意を撒く異形の獣。
決して抗えぬ、死そのものであった。出会ったが最後。獣が放つその一撃は確実にその者の身を破壊する。
そして、間違いなく自分の首を獣の大剣の形をした腕は捉えていた。
あの日あの時の事を思い出す。
それが走馬灯であるとしった頃にはきっと死んでいるはずだった。
突如として現れた銀色の光――
それが獣の身を吹っ飛ばし、獣との間に割って入る。銀色の光の中に人のシルエット――ちょうど一七程の少年の姿があった。
数秒して、光は少年の中に入り込むように消えただのシルエットであった少年の姿は闇夜の中で仄かに銀色の光を放ち露わになった。
「……ッ!」
それは、きっと奇跡かもしれない。
自身の最期になるかもしれないと思った時、走馬灯の中で思い浮かべた、たった一人の幼馴染。もし、もう一度会えるなら会いたかったと、願っていた。一緒に歩けるなら、もう一度一緒にあるきたいと三年近くもの間思い続けていた。
園宮友里は、思わず、少年の名を口にした。
「円……?」
それは、二度と会えないと思っていた世界で一番優しい幼馴染の名前だった。