Dreamf-6 強き力、優しき心
「これは……」
「あいつ、こんな力があったのか」
本木とオペレーターの、映像から見える天ヶ瀬円に対する反応。
ブリッジにいるその映像に釘づけ状態であった。
今二体のビースト相対している二人のスピリット。
一人は五人目であるスピリットコード「クリムゾン」、桐谷恵里衣。もう一人は一〇人目である天ヶ瀬円、のはずだ。その天ヶ瀬円が手が空に手を掲げたと思ったら赤い光が纏われ、
そう思ったらまるで爆発したかのようにその光が広がり、
手を下ろしてその光が消えたと思ったら今度は天ヶ瀬円の一方の瞳の色が紅色に染まってオッドアイとなっていた。
「すごい……。霊周波がこんな変わり方するなんて!」
モニターを見ているオペレーターとはまた別のオペレーターは、円の発する霊周波の変化の様を現すグラフが映されているモニターを見つめていた。
グラフの変化の上下が大きいからと言って、決してその霊周波を発している存在の力が大きいという訳ではない。が、先ほどまではほとんど変化を表さないゆるやかな形状であった霊周波のグラフが、上下の変化が激しい形状へと急変化した。
癖なのだろう、円は手首を小さく一回振り拳を握って構えた。
「円……」
吉宗は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて、映像の向こうにいる円の名を呼んだ。




