episode 3 -地球へようこそ-
気がつくと僕はヴァルハラ宮殿の休憩室のベットで寝ていた。何があったのかさっぱりわからない。確か家族が殺されて…
「あれ?そうだったかなぁ…思い出せない」
なんでだ、ついさっきまでの出来事だったのに思い出せない。もしかして記憶喪失か?
「やあキース、実は君に頼みがあるんだ」
応接間から来たのはオーディン、過去にスルトとの戦いで負けてしまい、今は復讐の準備をしているってことだ。
「頼みとは…もしかしてラグナロクの件ですか?」
「その通り、でそのことなんだが君は地球という星を知ってるかね」
地球とは太陽系の周りを回っていて青く澄んだ色の星だ。この地球という星には酸素があり生物なども沢山いる。中でも人間という知能が高いものもいて言葉をはなすことができるらしい。
「知っています。ですがこれの話はラグナロクとどんな関係が…」
「地球にはな、彼を倒す方法が載っている資料がある。どのへんかはわからんが」
「つまりその資料を取って来いというわけですね」
「いやまだ行くな、話しは最後まで聞いてくれ」
僕はベットから起き上がり、彼の話をまじめに聞くことにした。
「でその地球という星のことなんだが、こっから行くとするとかなり遠い」
こっから地球までは100万光年もある。ワープ装置か何かがあれば…
「ですが、人間という僕たちぐらいの知識を持った者がたくさんいるんですよね?襲ってきたりとかはしませんよね」
「大丈夫、そういうときは人間に成り済ませばいいのさ、さあ急いでくれたまえ。時間がないんだ、しかしどうやっていくかだ。ワープ装置があるけど今は故障中だ、とすると…」
彼はテーブルの上にある書類をみながら
「そうだ。あいつに頼め、私の愛馬スレイプニルなら地球までひとっ飛びだ、よし早速準備をしよう」
スレイプニルとはオーディンが扱ってる伝説の馬のことだ。足が8本もあり空を飛ぶこともできる。ラグナロク戦でも登場している。とても優れていている。
「そういえば地球に行っても魔法とかは使えるが魔法力の3分の1になる、しかも回復できる手段がないからこれを持ってけ」
渡されたのはごく普通の腕輪。だがMP(魔力)を回復する効果を持っている。
「1日一回しか使えないから気をつけろよ」
「はい、では行ってきます」
「うむ…」
ヴァルハラ宮殿のホールまで戻ると、外から馬の鳴き声が聞こえた。あれが伝説軍馬スレイプニル。見た目は普通だが、頭にユニコーンのような角を生やしており、身体が普通の馬より、少し大きい。
「では、気をつけてください」
ヴァルハラの戦士、ベルセルクとヴァルキリー達がそういった。
そういえば今日からこの星とお別れになる。暫くは地球の方に滞在する予定だから、一回家に戻って荷作りをしよう。
家に着くとやっぱり誰もいない。妹はどこに行ったのだろう。家族が殺されて墓参りでもしてるのかな、僕も後で行くとするか。
よく見るとテーブルに手紙が置いてあった。
しばらく地球に滞在します。あそこは綺麗な海があって、美しい山もあって景色とかも素晴らしくてまるで夢の国みたなの、だから私は気分転換ってことで。私のことは心配しないで。それより体調とかにお気をつけて。
愛する妹 イブ
地球に滞在か、これから行くばしょなのに、まあ丁度いいか、仕事とはいえちょっとした気分転換にもなるし、でもこの家がしばらくの間留守になるな
「あら、出掛けるの?気をつけてね」
愛想がよく、面倒見がいい隣のおばさんがそういった。
「あの…しばらく地球に滞在しないといけないのでこの家しばらくるすになるのですが…」
「それなら私がこの家を見ていてあげるわ、それにしても地球にいけるのは羨ましいわ」
「でも仕事なんであまりゆっくり楽しめないですけどね、オーディンからの頼みごとなので」
妹もそっちにいるらしいからな。僕はリュックを背負いマップを取り出した。リュックの中には、水、着替え、一週間分の食料が入っている。そこまで準備しなくてもたぶん大丈夫だけど一応緊急時に備えた。
「じゃ、気をつけてね」
「はい、では行ってきます」
あれが太陽か、眩い光を放ちながら輝いている。そして、水星や金星、地球、土星、天王星、海王星の星が太陽中心に時計回りで回っている。
目的地はあの青く澄んだ星地球だ。
「よし、いくぞスレイプニル」
-ハヤト視点-
「おにぃちゃん?朝だよ~」
う~ん…もう朝か、まだ寝たい。実は今日から新学期、昨日までは楽しい春休みだったのに…
布団に潜り込んでみる。
「もう…起きないならお目覚めの『キス』するよ」
こ、こいつなんていった、キ、キス、キスっていったよな!!まずい、起きないと
「うわぁぁ!!起きるから、今起きるから!!」
「もう…なにそんなに慌てているのよ、冗談よ」
朝から冗談はきついよ、それもよりによってキスとか、心臓に悪い.
食卓につくと、既に朝食ができていた。目玉焼きにサラダとみそしる、どれも一般的な食べ物だ。
「いただきます」
ちなみに目玉焼きは醤油、サラダにはイタリアンドレッシングをかける。そういえば今日から学校だな、また席替えをするのか。
「ピンポーン」
玄関のインターフォンが鳴り響いた。この時間に何のようだ?宅配便か何かか
「今開けるからちょっと待って」
玄関の覗き穴から外を覗いてみると自分と同年代の人だろうか。ひどく疲れきっていて今でも死にそうな少年が立っていた。
「す、すいません、こちらに妹のイブを見かけませんでしたか?」
疲れきった少年は吐息をもらしながらそう答えた。
「いや、見てないな」
とりあえず詳しいことは家の中で話そう。彼にそういった。
「おい、お客さんだ、コーヒーを淹れてくれ」
僕は制服の裾のポケットに入っていた財布を取り出した。中には5000円が入っている。そのうちの1000円を財布から抜き取り彼に渡した。
「そうか、君はオーディンに資料のことを頼まれそれで宇宙から来たって訳だね」
「うん、それと妹を探している。お願いだ、協力をしてくれ」
これは困ったことになったな。でも学校へ行かないとならないし、まあ午前中で終わるし、その後は暇だから
「今日は学校があるんだ、悪いけど終わった後でもいいか?午前中で終わるから」
「うん、わかった」
僕は椅子から立ち上がり外に出ようとした。
「しばらくこの家でゆっくりしてていいわよ、どうせ私とおにいちゃんしかいないから」
「わかりました。そういえば自己紹介がまだでしたね。僕はキース・レトミリアです。キースと呼んで下さい」
「僕は長谷川ハヤト、こっちが妹の優那だ」
「よろしくね」
おたがいに握手をした。今日からこの長谷川家にしばらく滞在することになる。迷惑を掛けないようにしよう。
「じゃあ私たちはこれから学校だから留守番頼むね。風呂とか使ってもいいよ、着替えはここに置いていくから」
なんて気の利く妹なんだろう。僕もこういう妹が欲しかったな。などとそんなことを考えていた。
風呂が沸いたから入って湯船に浸かるとするか
「にゃー」
ん?ネコか、なんだ、餌が欲しいのか、リビングのテーブルにキャットフードが置いてあった。
僕はそれを床に置いてある猫用の餌入れの皿にいれてやった。それにしても妙に懐くなこのネコ、黒く染まった毛に紅い首はをしてある。よく見ると名札に黒猫と書かれていた。名前がそのまんまだな。
顔をよく見ると目がオッドアイだった。
オッドアイとは左目と右目それぞれ違う目の色をしている。
「さて風呂は入りますか」
風呂の温度40度、今は人間に変身しているけど、もし変身してなかったら死んでるところだった。変身はしているけどどうしても隠せないものがあった。それはまず薄い水色の髪、ネコのようなしっぽ、それに天使のように神々しい白銀の羽。まるでコスプレをしているオタクようだ。それに声も女みたいで透き通っている。
まあでも、人間も悪くないな、争いとかあまりないみたいだし、もしかしたら僕が住んでいる故郷のスフィリア帝国より発展してるかもしれない
自分で読み返してみましたがあまりの文章力がなさすぎて絶望してしまいました笑。