episode 1 -ラグナロク- 終わりの始まり
episode 1 -ラグナロク-
暗黒と無限に広がる宇宙は今日も静寂に包まれていた。
その中で点々と光る星が数えきれないほどある。弱い光を放つ星や、強い光を放つ星、赤色だったり、青色だったり色鮮やかな色をしていてまるで宝石のようだ。
しかしどことなく寂しい気がする。いつもこんな感じの毎日だが皆は退屈にしていないのだろうか。散歩したり、小鳥の囀りをきいたり、星を眺めたり、世間話とかもしてみたりしたが段々それにも飽きてきた。
「はあ…今日も平和だな」
毎日平和なのはいいがあまりにも退屈すぎる。2年前は隣の国との戦争とかあったが今はそういうことはない。レーダー観測機だとか、防御壁や結界、今は昔とは違い、そういう対策がなかったから簡単に滅ぼされただろう。
「しかし暇だ」
それにしても暇すぎる。何かすることないかな、俺はテーブルの上に置いてあるカップにコーヒーを注ごうとしたそのときだった。いきなり警報が鳴り出したのだ。
「緊急事態発生!!兵士は至急ヴァルハラ宮殿司令部室に集合せよ、他のものは戦闘準備の体勢にしいつでも動けるよう準備をせよ、繰り返す…」
一体どういうことだ?今まで静かだった宇宙は今は騒がしくなっている。何が起ころうとしていたのか想像もつかなかった。でもいまの状況がまずいこと、それだけはわかっていた。とにかく急ごう。
俺は手に持っていたコップをテーブルに置き、防御力が高い魔力を帯びた鎧を着て、いつ何があっても飛び出せるよう体勢を整えて次の指示がでるのを待っていた。
-オーディン視点-
「おっと、危なかったな」
真正面から火の球が飛んできたが俺はそれを素早く、優雅に避けた。
「フッ…避けるとは流石だな、オーディン」
今でも襲い掛かってきそうに言ったのは彼の宿敵スルトだ。
なんでこの状況になっているかと言うと話が長くなるので簡単に説明する。まずスルトとは火の国の番人のこと、そいつがエデンの園にある食べると不老不死になり絶対に歳をとらない実を盗んだ。その様子を見ていたケルビムはオーディンにそのことを連絡して、その話を聞いたオーディンは顔を真っ赤に染め上げてまるで鬼のような形相になった。
彼はすぐに火の国に行きスルトにこの事を聞きだしたが、彼はしらばくれていた。オーディンは
「お前に宣戦布告をする、この戦いに勝ったら盗んだものを返せ」
彼はそういってその場を後にした。
説明は以上。とまあこんな感じだったのさ。
「おいどうした、ホラ来いよ、来ないならこちらから行くぜ」
こちらに紅い炎を纏った杖を向けながらそういった。
次の瞬間その杖がオーディンの体に潜り込んだ。それと同時に重い鈍い音がしオーディンはその場に倒れこんだ。
周りに赤黒い血が噴出し、いやな臭いが辺り周辺に広がった。
「俺の勝ちだ…」
スルトはオーディンにそういい手を合わせながら暗闇のなかに消えていった。
この戦いはオーディンがスルトに敗れた。神々が負け巨人族が勝ったのだ。
エデンの園 時空間厳重管理室
時空間厳重管理室とは、この宇宙全体の時間と空間を管理するということだ。真ん中にある赤いボタンを押せばこの世の時間は停止する。
「おい、時間を止めろ、もうこの世界は終わりだ、まもなく終焉に突入する」
「ですが…オーディン様はどうしましょう」
彼女は椅子に座り顔を両手で覆い隠すようにしながらそう答えた。
「彼は…オーディンはスルトに殺られた…正義は負け悪は勝ったのだ」
「そ、そんな…うそでしょ?…」
「嘘じゃない、彼が殺られた所を見ただろう、元はと言えば彼が火の国フェニックスに宣戦布告したのがまずかった、宇宙で最も発展していて周りからは無敵国軍、最強で最も発展している国といわれてる。まああの状況じゃ怒るのも無理もない。それに今更そのことを話しててもな…」
これは仕方がないことだ、でもチャンスはある、この世界の時間を止め過去に戻すということ、でもそれを行うにはいくつか難点がある。まず一つ、この世界の時間を止めたら誰が過去に戻す
のか、それと過去にいったとしてもあの無敵国に勝つことが出来るのかわらない。でも早くしないとこの世界はスルトの物になる。
「もう一度言う。もうすぐこの世界も終焉を迎える。時間を止めろ、急ぐんだ」
彼女は悔し思いをしながら時空間装置のスイッチを押した。
始めにこの話にでてくる登場人物などはすべて架空の人物です。そのほかに、誤字脱字など、文章がおかしかったり、ここはこうしたほうがいいなどアドバイスをしてくれると幸いです。