第6話 スープラ乗りとの出会い そしてリベンジの時
週末の朝
ライドオンのサーキットには沢山の人と車が集まる
その中にはもちろん速多の姿もある
速多「凛さん!見てください!人と車が沢山ですよ!」
凛「朝からうるさいわね!そんなもの見れば分かるじゃない!それよりアンタ!今日はあの男達が来るはずよ、そんな調子で大丈夫なの?」
速多「勿論です!今回は絶対勝ちます!」
速多と凛が話していると、周りの人達が集まってくる
皆、男達に自分の愛車を侮辱された人達だった
A「貴方が最近サーキットで毎日、遅くまで練習していた速多さんですか?」
B「俺達はあんたに期待してるぜ!あの嫌味な男達にギャフンと言わせてくれよな!」
速多「任せてください!今日は絶対に負けません!」
凛「アンタ・・ほんとに大丈夫?」
その時、ガタイの良い青年が速多に声を掛ける
???「君が速多だね?前に見た時よりもカッコいいスイスポに仕上がっているようだ!」
速多「えっと・・あなたは?」
山岡「俺は、山岡翔吾!あそこに置いてある
80スープラのオーナーだよ!」
速多「え!あのスープラのオーナーさんですか!見ても良いですか?」
山岡「あぁ!構わないよ!」
山岡のスープラを見て大興奮な速多
速多「カッコいいですね!特にフロントバンパーとライトのバランスが取れていて戦闘機みたいです!」
山岡「そんなに褒めてもらえると嬉しいな!
もしよければ隣に乗ってみるかい?」
速多「是非お願いします!」
凛の目線が痛かったが、速多は山岡のスープラに乗せてもらえることに
スイスポとは違うハイパワーな車を山岡は、冷静にそして自分の手足のように繊細に運転していく
まるで糸を通す様に、ラインをなぞって完璧にアプローチをしていく
速多(凄い・・重くてハイパワーの車を、振り回されること無く、自分の手足の様に扱っている・・・
この人かなり運転が上手い!)
ピットに戻るスープラ
山岡「俺の運転はどうだった?」
速多「凄いとしか言えない走りでした!
俺には真似できません!」
山岡「ありがとう、褒めてもらえると嬉しいよ!
もし良ければ、今度は速多のスイスポの隣に
乗せてもらえないか?」
速多「もちろんです!」
山岡「ありがとう!楽しみだよ!ところで
速多は何歳?」
速多「俺は20です!」
山岡「そんなんだ!俺は23だから年も近いね!」
和気あいあいとスイスポに乗る速多と山岡
山岡は速多の運転に感嘆する
山岡(この子上手いな、軽量化とパワーチューンが
施された不安定なスイスポを、いとも簡単に
操っている、元々軽いスイスポが、軽量化によって
さらに軽くなり、ピーキーな挙動を見せている
この車を、そんな風に感じさせない運転をしている
本当に凄いな)
スイスポがピットに戻ってくる
速多「どうでしたか?」
山岡「いや、言葉にならないくらい凄いよ!沢山車に乗って練習していたのが、分かるような走りだった!」
速多「ありがとうございます!」
山岡「これなら、今日来るであろう例の男達にも
余裕で勝てると思うよ!頑張ってね!」
山岡は笑顔で去っていく
速多「山岡さん凄い人だったなー!」
凛「ちょっとアンタ!なに呑気にしているのよ!
もう男達が来てるわよ!」
速多「え?」
男1「おいおい!また来てるのかよ!」
男2「しかも凛ちゃんまで一緒かよ!こんなガキのどこが良いんだか!」
男3「凛ちゃん!こんなガキほっといて、俺達と良いことしようぜ!俺達、女の扱いは上手いからさ!」
男達は下品に笑う
速多は冷や汗をかきながら凛の顔を見る
速多(やばい!こんな事言われたら絶対に凛さんが
怒ってしまう!)
凛「悪いけど、貴方達に興味ないの、むしろ大嫌いよ
さっさと目の前から消えて欲しい、そして二度と
ここに来ないでくれる?貴方達がここに来ると
迷惑だし、私も気分が悪いわ」
男1「おぉ怖い怖い!ならさ、掛けをしないか?今からそこのガキとタイム走をして、俺達が勝ったら凛ちゃんを連れて行く、もし負けたら二度とここには来ない、どうだ?悪い案では無いだろ?」
速多「ふざけるな!凛さんを掛けの道具に使うな!」
男2「嫌なら無理やりにでも連れて行くけどな!」
速多「お前ら!」
凛「別にいいわ、その掛け乗ってあげる」
速多「凛さん!」
凛「それともなに?アンタは勝つ自信が無いわけ?」
速多「それは、」
凛「ま、せいぜい私が攫われないように頑張りなさい!」
男1「決まりだな!なら、早速やろうぜ!」
速多「わかった」
凛(大丈夫よ速多、アンタは絶対に負けないわ)
多くの人が見守る中、タイム走が始まった
男達は勝利を確信したかのように走っていたが、速多の走りをみて絶句する
男1「おいおい、なんだよあれ?」
男2「あんな速度で良く曲がれるな、一歩間違えばウォールに突き刺さるぞ!」
男3「あのガキはイカれてやがる!」
速多は、凛に叩き込まれたことを駆使してコースを攻略していく
ゴールした時、人々の歓声が響く
A「嘘だろ!コースレコードを塗り替えちまった!」
B「凄いな!1秒も更新してるぞ!」
C「なんて速さなんだ!」
山岡「俺も負けてはいられないな!」
信濃(なんて奴だ、もう完璧だと言っていいほど、スイスポを操っていた、この成長速度は異常だ
はは、久し振りに良いものが見れたな)
速多は見事リベンジに成功し、コースレコードを塗り替えるという偉業を成し遂げる
速多「やりましたよ!凛さん!」
凛「うるさいわね!見れば分かるわよ!
まぁでも、良くやったわ!褒めてあげる!」
男達は悔しさで顔を歪ませる、そして諦めの悪い彼らは更に勝負を挑んでくるのだった




