第40話 ポチの役割
信太はポチをカプチーノの隣に乗せて
悠輝の家に向かう
車内は荷物でパンパンになっていて
かなり圧迫感があり、ポチは鬱陶しそうにしているが
信太は呑気に鼻歌を歌っている
「ガウ!ガルル!!」(狭い!窮屈だ!!)
信太「ん?どうしたのポチ?もう少しで着くよ?
楽しみだね!」
「ガウゥ…」(あぁ、我はこれからどうなるのだ…)
信太は、ポチが隣にいた方が
車が安定している事に気付く
ポチがバラストの役割をしてくれていた
信太はポチにこれからも宜しくと語りかけるが
ポチは不服そうに抗議する
しかし信太は喜んでいると勘違いしてしまい
舞い上がってしまう
信太「ポチ!君が隣にいてくれると
走りやすいよ!一緒にレースに出ようね!」
「ガウ…」(何で我がそんな面倒くさいことを…)
信太「ありがとう!嬉しいよ!」
「ガウゥ…」(もう好きにして良い…)
そうこうしている内に悠輝の家に到着する
リビングに行くと、悠輝と麻耶が
ポチのゲージを準備していた
信太「戻りました!」
悠輝「おう!お疲れさん!荷物は自分の部屋に
置いてこいよ!」
信太「ありがとうございます!」
信太は荷物を置いてリビングに戻る
麻耶は信太に、狼の名前を付けたのか聞く
信太は笑顔でポチにしましたと伝え
ポチの頭を撫でる
ポチは不服そうにしており
麻耶は犬じゃないんだからと嘆き
悠輝は爆笑している
悠輝はポチにトゲトゲがついた
番犬がよく着けている首輪をかけようとするが
ポチは激しく拒絶する
悠輝「ポチ!カッケェだろ!」
「グガアァ!!」(戯言を!!我はつけないぞ!!)
悠輝「そんな怒るなよー」
麻耶「当たり前だ!ポチは犬じゃないんだぞ!」
信太「お兄さん!僕に貸してください!」
信太は悠輝から首輪を受け取ると、ポチに語りかけて
ポチの首に掛ける
ポチは不服そうだが、渋々従う
悠輝と麻耶は驚愕する
信太「ポチ!これはポチに似合うと思うんだ!
付けて欲しいな!」
「グゥ…」(ふん、仕方あるまい…)
悠輝「嘘だろ!」
麻耶「あんなに拒絶してたポチが…
お前猛獣使いか?」
ポチは信太に首輪を着けられると
信太を護るかのように、そばに寄り添う
まるで自分の役目だと言わんばかりの様子に
悠輝と麻耶は微笑む
「グガアァ…」(コイツはマヌケだから
死なないように見張っていよう…
死なれたら気分が悪い…)
悠輝「はは!まるで、子供のお守りを任された犬
みたいだな!」
麻耶「言えてる!」
「グルアァ!!」(我は犬ではない!!無礼者!)
悠輝「うわ!悪かったって!」
麻耶「ごめんて!」
信太「ポチ!そんなに怒らないの!」
「ガウゥ…」(まったく…)
信太は改めて悠輝と麻耶に挨拶をする
信太「これからよろしくお願いします!お兄さん!
麻耶さん!」
悠輝「あぁ!よろしく!義弟!」
麻耶「おい!兄貴!
いつから私は信太の女になった!」
「グゥ…」(まったく…騒がしい…)
友川家は、信太とポチが来たことによって
賑やかになり、信太はポチという仲間を迎える事が
出来たのだった




