第37話 信太の新しい相棒と一目惚れ
ある日の昼
信濃モータースで、信濃が店番をしていると
見たことのある、青年が訪れる
信太「あ、あのー」
信濃「おぉ…信太か!怪我はもう良いのか?」
信太は頭に包帯を巻いているが元気そう
信太は信濃に大丈夫と答え元気よく要件を伝える
信太「はい!何とか大丈夫です!今日は車を見に来たんです!」
信濃は微笑み、好きに見てくと良いと伝える
信太は目を輝かせ店内を見る
ふと、信太の目が止まったことに気付き、信濃が
声を掛ける
信濃「コイツが気に入ったか?」
信太が見ていたのは青のカプチーノだった
可愛らしいフォルムとスイスポよりも小型なボディは
体格が小さい信太にぴったりだった
信太は信濃に、これにします!と元気よく伝える
信濃は微笑みこのまま渡すか、軽くチューニング
してから渡すか、どっちが良いか信太に聞く
信太は悩んでいた、
信太(チューニングして欲しいけど…
自分はもうレースには…)
信濃は口を挟まずに、信太の選択を待つ
丁度その時、聞き覚えのある声が店に響く
麻耶「よぉ、偶々近くに寄ったから山岡さんの
運転を見てきた帰りだ…
暇つぶしに車見てってもいいか?」
信濃「あぁ、ゆっくりしてくれ」
麻耶は車を見ながらコーヒーを飲んでいる
ふと、カプチーノの前にいる信太が目に入る
麻耶は眉をひそめて信濃に問う
麻耶「おい、ここは高校生でも車が買えるのか?」
信濃「ん?あぁ、あの子は大人だよ信太って言ってな…」
信濃は今までの事を麻耶に話す
話を聞き終えた麻耶は遊矢に対して嫌悪感と殺意で
一杯になる
麻耶「反吐が出る」
信濃「あぁ、全くだ…信太は今、チューニング
をするかどうかで悩んでる…まだレースに出る事を
諦めきれていないんだろ…」
麻耶「…」
麻耶は立ち上がり足音を大きく立てて、信太に近付き
声を掛ける
麻耶「おい、お前」
信太はびっくりして振り返ると、自分よりも背の高い
女性がこちらを睨んでる
信太は女性の顔を見て顔を赤らめながら
どうしたのかを聞く
信太「あ、あのー?あなたは?」
(綺麗で、かっこいい人だなー)
麻耶「あぁ?あたいは麻耶、それよりお前
ウチの所来ないか?」
突然の提案に信太は驚く
信太「えぇ!!ど、同棲ですか!?」
麻耶は怒る
麻耶「チゲぇよ!
ウチのチームに来ないかって事だ!あたいらのチームは兄貴とあたいしかいなくて、次の大会が3人必要
だから、数が足んねぇんだよ
お前の事は聞いたよ、どうだ?アイツにリベンジ
してみないか?」
麻耶の言葉を聞いた信太は、胸が熱くなる
信太(やれるかどうか、分かんないけど…
僕はレースに出たい!)
「是非!お願いします!」
麻耶「決まりだな!おっさん!カプチーノは
あたいらがチューニングしてもいいか?」
信濃は微笑みもちろんだと答え、手続きを済ませて
信太にカプチーノの鍵を渡す
信濃「頑張れよ」
信太「はい!ありがとうございます!」
信太はカプチーノを撫でる
(これからよろしくね!)
麻耶はFDの中から信太に声を掛け急かす
麻耶「何チンタラしてんだ!さっさと来い!」
信太「わわぁ!いま行きます!」
麻耶は信太を家まで案内して連れて行く
鍵を開けて中に入ると悠輝が
リビングでくつろいでいた
麻耶を茶化して笑っていたが、信太と目が合うと
時が止まりニヤニヤしだす
麻耶「兄貴、いま帰ったぞ」
悠輝「おう、遅かったな!どこでよりみ…は?
お前…誰?高校生?おいおい!麻耶!いくら男に
飢えてるからって!ガキに手を出すのはないわー!」
麻耶の額に青筋が浮かび、悠輝を拳骨する
悠輝の悲鳴が上がるがお構い無しな麻耶
今までの事を悠輝に伝える
信太は自己紹介する
信太「は、はじめまして!僕は信条信太です!
これからよろしくお願いします!お兄さん!」
その言葉を聞いた悠輝は、ますますニヤニヤし
麻耶を茶化す
悠輝「あはは!元気がいいな!
俺はお前のお義兄さんの悠輝だ!よろしくな!
麻耶はかなりキツくて、恐ろしい女だけど
仲良くしてやってくれ!」
麻耶「お、おい!信太!
あたいはテメェの女じゃねぇ!
舐めたこと言ってんじゃねぇよ!まぁ良い!
早速だが兄貴、信太のカプチーノをイジれるか?」
悠輝は得意げに答える
悠輝「あぁ?あたりめぇだ!俺を誰だと思ってる?
おい信太!どんな風にイジれば良い?」
信太は考える
信太(速多さんみたいなダウンヒラーになりたい…
確か…
速多さんのスイスポが600kgで300馬力だから…
450kgで200馬力はいけるのかな?)
信太は考えた事を悠輝に伝える
信太「はい!450kgで200馬力でお願いします!
あ!あと!可愛くお願いします!」
悠輝と麻耶の時が止まり、2人で顔を見合わせる
悠輝(コイツ…馬鹿か?そんな車乗れるわけ無いだろ
まっすぐ走るかどうかも怪しい…それに可愛らしい
って…まあ良いや、取り敢えずやってみっか?)
麻耶(第2の速多か?)
しばらく考えたあと2人は信太にわかったと返事をして作業に取り掛かるのだった




