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ダウンヒラー速多  作者: チンパンドッグ
第二章 チームとして世界の舞台へ
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第33話 信太の涙

会場内は歓声で埋め尽くされる

実況は興奮しその様子を伝える

エドは満足気に祝福を送っている

まるで自分の息子が優勝したみたいに得意げになっていた


実況「速多選手!!優勝です!!

会場は歓声で包まれています!」


エド「久しぶりに良いものが見れたよ!

流石速多だね!」



ピットに戻って来た速多と凛を

スモールアニマルズの面々は出迎える

みんな自分の事のように喜んでおり、歓喜に包まれる


信濃「良くやったな!大したもんだ!」


山岡「優勝おめでとう!」


麗華「流石リーダーですわ!」


「クワァン!!」(褒めてあげるわ!)

「キャキャ!」(大した男だ!)

「キキ!」(凄いね!)


しかし、速多はどこか浮かない顔をしている

目の前でクラッシュした信太のことが頭から離れない

その時、実況に信太は何とか無事だという情報が入る


実況「ここで信太選手の情報が入ってきました!

命に別条は無いとのことです!!

一安心しました!!」


エド「良かったよ!」


速多「信太…」


速多は安堵した表情を見せる

それを見た信濃は早く行ってくるように伝える


信濃「早く行ってやれ」


速多「…!はい!!」


速多は信太の所にむかう為、愛車に

乗り込もうとするが、下衆田と遊矢が現れる


下衆田「悪運の強いガキだ!

そのまま目覚めなければ良かったのに!」


遊矢「もっと派手にヤッておくべきだったな!」


その言葉を聞いた凛と麗華は冷めた目を送り

山岡は憤慨する

マリー達も騒ぎ立てている


凛「なんてことを!!」


麗華「本当に醜いですわ…」


山岡「テメェら!!」


「ギャアン!!」(黙りなさい!!)

「ウギャギャ!」(ふざけんな!)

「ギャギャ!!」(謝れ!!)


そんな中、誰よりも怒っていたのは速多だった

速多は頭に血が上る感覚を覚え遊矢の胸ぐらを

思いっ切り掴み激怒する


速多「ふざけるな!!お前!自分が何をしたか

分かってるのか!?

一つ間違えば亡くなってたんだぞ!!

良くそんな事を平気で言えますね!!」


遊矢はニヤつきながら信太を馬鹿にする

あまりの邪悪さに、速多の心が締め付けられる


遊矢「おいおい、あれくらい避けれないと

レーサーとして素質無いぜ!あのガキはただ

下手だっただけだ!」


速多「!おまえ!!」


信濃が割って入り速多の手を掴み諌める


信濃「その辺にしておけ、お前は早く信太の所に

行ってやれ、こんな奴に熱くなる必要は無い」


速多は怒りを飲み込みスイスポに乗り込む

凛も遊矢を睨みながらスイスポに乗る

速多は直ぐに病院に向かうのだった


速多が病院に向かうのを確認して

信濃は下衆田と遊矢に忠告する

いつもの気怠そうな様子とは違い、声を荒げる事は

していないが、内心は激しい怒りに苛まれていた


信濃「さて、お二人に忠告しておこう

これ以上その汚い口を開くな、静かに回れ右だ

あと、次の大会で今回みたいな事をやらかしたら

俺は容赦しない、良いな」


下衆田と遊矢は信濃の威圧感に気後れするが

直ぐに威勢を取り戻し捨てゼリフを吐いて立ち去る

その様子を山岡と麗華は冷や汗を流しながら見守る


下衆田「ふ、ふん!潰れかけの店のオーナーに

何が出来るのか楽しみだな!」


遊矢「次はお前達をスクラップにしてやろうかな!」


山岡(信濃さん怖すぎるだろ!本当に堅気か?)


麗華(こ、こわいですわ!)


信濃は下衆田達が帰っていくのを見て

いつもの表情に戻る


信濃「さて、俺達も見舞いに行くか」


信濃達も片付けをして、信太の所に向かうのだった


その頃

病院に着いた速多達は信太の病室に訪れる

ベッドの上で痛々しい姿の信太を見て、思わず息を呑む2人

速多の姿を見て作り笑顔で話しかける信太


信太「来てくれたんですね!速多さん!

優勝おめでとうございます!!すいません…

折角の優勝をだめにしてしまって…」


速多「気にしないで!」


凛「それより体の調子はどうなのよ?」


凛の問いかけに信太は俯き、悲痛な面持ちになる


信太「実は…もうレースには復帰できそうに無いんです…あ!普通に運転は出来ますけどね!」


速多と凛はなんて声をかければ良いのか悩み

色々な言葉が頭をよぎっては消えていく

察した信太が声を掛ける


信太「気にしないでください!僕が避ければ

良かったんです…ぼくが…」


そこまで言った所で信太は堪えきれずに

大粒の涙を流す


信太「速多さん…ぼく…くやしくて…

くやしくて!!」


速多は信太の手を握り目線を合わせ力強く宣言する

凛も穏やかに賛同する


速多「信太…次の大会でも絶対1位なるから!

アイツをもう一回ぶち抜くから!

約束する!だから見てて!」


凛「任せておきなさい!アイツらの鼻を

へし折ってやるわ!」


信太は少し元気を取り戻す


信太「はい!必ず勝ってください!!」


その後

信濃達も合流し、病室は賑やかな雰囲気になるが

内緒で連れてきていたマリー達が病院のスタッフに

見つかり

こってり怒られる信濃だった


信濃「何で俺が?アイツら逃げやがって…」



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