第24話 凛の嫉妬と麗華の暴走
大会に向けて練習をしているスモールアニマルズ
ある日、速多が海に行きたいといい出した
速多「明日みんなで海に行きませんか?」
凛「はぁ?なんでよ?」
速多「特に理由は無いです!」
凛「ほんと、アンタってやつは!」
山岡は乗り気に答える
山岡「まぁ良いんじゃないかな?リフレッシュも大事だし!」
麗華は興奮した様子で凛を引っ張る
麗華「海!良いですわね!凛さん!早速水着を買いに行きますわよ!」
凛「ちょ!ちょっと麗華さん!そんなに引っ張らないで!」
「クワァン!」(ちょっと待ちなさいよ!)
麗華は凛を問答無用でポルシェに詰め込む
マリーが後を急いで追う
車に乗り込んだのを見た麗華は
車を走らせ水着を買いに行くのだった
速多「ほんとあの2人は仲が良いですね!」
山岡「そうだね!よし!明日はバーベキューでもするか!食材を買いに行こう!」
速多「良いですね!どっちの車で行きます?」
山岡「俺のスープラで行こう!」
(スイスポで行ったら体が持たない!)
速多「分かりました!運転お願いします!」
「ウキィ!」(肉だ肉だ!)
「ウキキ!」(バナナも欲しいよ!)
速多と山岡はボンバーとヘッドを車に乗せ
食材を買いにスーパーに行く
速多は「ところで麗華さんとは付き合ってるんですか?」
山岡「え!?いやーまだだけど?」
速多「そうなんですか!?同棲してるから付き合ってる
のかと思ってました!付き合わないんですか?」
山岡「実はな、告白するのが恥ずかしくて」
速多「大丈夫ですよ!麗華さんは山岡さんにぞっこんですよ!」
山岡「だと良いんだけどな!そう言う速多は
凛さんと付き合わないのか?」
速多「いや…凛さんは美人だから…
俺には勿体ないですよ!」
山岡は興奮して口調がもとに戻る
山岡「そんな事ねぇよ!お似合いだぜ!2人
凛さん、いつも速多といると楽しそうだしよ!」
速多「そうですかね?」
山岡「自信もてよ!明日告白すれば?」
速多「えぇ!?」
山岡「速多は凛さんの事はどう思ってるん?」
速多「……です」
山岡「え?なんて?」
速多「大好きです!」
山岡「なら決まりだな!大丈夫!
絶対断られたりはしないって!」
速多「緊張してきました」
「ウキ!」(大丈夫だ速多!)
「ウキキ!」(自信持って!)
速多「?なんて言ってるんですか?」
山岡「自信持てだとよ!」
速多「頑張ってみます!」
その頃
凛と麗華は水着を選んでいた
麗華「凛さん!こんなのはどうでしょう!凛さんにお似合いですわ!」
麗華が選んできたのは黒のシンプルなビキニだった
凛「私に似合うかしら?」
麗華「自信持ってください!これを着て速多さんに
アタックすれば、メロメロになってしまいますわ!」
凛「ちょっと!なんでアイツが出てくるのよ!」
麗華「あら?凛さんは、速多さんの事が好きではないんですか?」
凛「べ、別に好きってわけじゃ…」
麗華「本当に?」
凛「うぅ…わかったわよ!認めるわ!好きよ!」
麗華「ならこれで決まりですわね!」
凛「そう言う麗華さんはどうなの?」
麗華は恍惚とした表情を浮かべ
かなり露出度の高い、いや、最早布切れのような水着を手に持ち、凛にペラペラと力説し、傍から見たら
狂気じみている
麗華「そもそもワタクシ達は同棲しています!それはもう付き合っているのと同じことですわ!ワタクシは
これを着て山岡様のハートを
更に射止めますわ!殿方はこういうのが好みだと
聞きました!ワタクシ!スタイルには
自信がありますの!山岡様もきっとワタクシの魅力にメロメロになりますわ!あぁ!ワタクシの山岡様が
ケダモノになってしまいますわ!もっとワタクシを
見つめて!もっとワタクシを求めて!
そして、その日の夜は熱く、あつく!
二人で愛を囁き合いながらそのまま!布団でお互いを求め続け!朝まで致し」
凛「麗華さん!!ストォーップ!!目が完全に逝っちゃってるわ!戻ってきて!」
麗華「あら!ワタクシとした事が
はしたなかったですわ!」
凛(愛は人をこんなにも変えるのね…恐ろしいわ)
凛は麗華の豹変っぷりに恐怖する
そんなこんなで買い物が終わり、次の日を迎える
一同は海に着くと女性陣は水着に着替えるため
席を外し、男性陣と動物達はパラソルやバーベキューの準備をしていく
準備が終わる頃、水着に着替えた凛と麗華が
戻って来る
凛「待たせたわね」
麗華「お待たせしましたわ!」
それぞれの水着姿に目を奪われる速多と山岡
速多(うわ!凛さん似合ってるな!)
山岡(れ、麗華、少し過激じゃないか?)
凛「速多、どうかしら?似合ってる?」
速多「はい!とても似合ってます!」
麗華「山岡様!見てくださいませ!」
山岡「あぁ、良いんじゃないか、」
麗華は山岡に抱き着く
麗華「もっとワタクシを見てくださいませ…」
山岡は耐えきれず目をそらす
山岡「あ、飲み物買ってくるよ!」
速多「山岡さん!俺も行きます!」
麗華「ふふ、凛さん大成功ですわね!」
凛「そうね」
山岡達が飲み物を買いにその場を離れた直後
如何にも軽そうな男二人が麗華達に声を掛ける
「ねぇ?今暇なの?もし良かったら俺達と良いことしない?」
麗華と凛から笑顔が消える
凛「生憎、私達は暇じゃないの
わかったらさっさと消えてくんない?」
麗華「ワタクシ達、あなた達の様な男に興味ないの
目が汚れるから今すぐ立ち去りなさい」
「クゥン!」(邪魔しないで!)
「ウギャ!」(どっかいけ!)
「ウギャギャ!」(そうだ!そうだ!)
凛と麗華のあまりの迫力と動物達の威嚇に焦った男二人は退散する
凛「それにしても遅いわ!」
麗華「何かあったんでしょうか?」
凛と麗華が、速多達の様子を見ると
衝撃の光景が広がっていた
何と2人は派手なギャル達にナンパされていた
2人はかなり困った様子
「ねぇねぇ!お兄さん達カッコいいね!」
「良かったらウチらと良いことしない?」
速多「えーと…俺達」
山岡「すいません、待ってる人がいるので」
断りを入れてもギャル達はしつこく食い下がり、遂に2人の体を触りだした
それを見ていた凛の顔は嫉妬に狂い、麗華に至っては
ハイライトが消えていた
凛(なによ!あいつら!私の速多にベタベタして)
麗華(あぁ、山岡様…お可哀想に
好きでもない卑しい女共に、ベタベタベタベタ触られてどんなにお辛いことか…想像するだけでも胸が痛みますわ…山岡様は、ワタクシの山岡様であって
あの女どもの物では無いのに…本当に卑しい女共ですわ!ゆるさない!ゆるさない!ゆるさない!ワタクシが山岡様を救ってあげないと)
凛と麗華は2人に近づき、ギャル達を威嚇する
凛「ねぇ?あんたら?この男は私のだから
男漁りなら、他所でやりなさい」
麗華「同感ですわ、今すぐその汚らわしい手をどけてくださいませ」
ギャル達はあまりの迫力に冷や汗をかき、退散していく
速多「助かりました!凛さん」
凛「ほんと!脇が甘いのよ!まったく!」
山岡「助かったよ麗華」
麗華「礼には及びませんわ!それよりも…
あの女どもの匂いがついています…お可哀想に…
嫌でしたわよね!そうに決まっていますわ!
ワタクシの匂いで上書きして差し上げますわ!」
麗華は山岡に抱き着く
山岡「れ、麗華!?」
それを見た凛も、速多に肩を寄せる
速多「り、凛さん!?」
速多と山岡は顔を赤くする
凛は思い切って告白をする
凛「ねぇ、速多?アンタ私の事、女として
どう思ってるの?」
速多「え?それは…」
凛「はっきり答えなさい!私はアンタのこと好きよ」
速多「俺も!凛さんの事が好きです!付き合ってください!」
凛「全く、遅いのよ」
速多「すいません…凛さんには良い人がいると思って…
言えませんでした」
凛「ほんとバカね!好きでもない男のナビなんて
すると思う?でも…そういうところも好きよ
これからもよろしく頼むわね!」
速多「こちらこそ!お願いします!」
麗華と山岡はその様子を見守っており
ニヤニヤしていた
山岡「やっと結ばれたな!」
麗華「そうですわね!ワタクシ達も負けないくらい
ラブラブになりますわよ!」
山岡「え?」
麗華「え?」
山岡「俺達付き合ってるの?」
麗華「当たり前ですわ!だって一緒に住んでいるんですもの!」
山岡「それもそっか!」
麗華「もしかして山岡様?ワタクシと付き合っていないと勘違いしていましたか?」
麗華は怪しむように目線を送る
山岡「そ、そんな事は無い!これからもよろしくな!」
山岡は何とか取り繕う
麗華「怪しいですわ…まぁ良いですわ!」
「クゥン!」(ほんと、呆れるわ!)
「ウキー!」(でも幸せそうだぜ!)
「キキィ!」(良かった良かった!)
その後は甘い時間が流れ
楽しい1日となるのだった
凛は帰宅後
信濃と椿から茶化されることになるのだった




