第21話 相棒とモンスターマシン
翌朝、速多はライドオンに行く
既に信濃と凛が待っていた
その横には進化したスイスポがあった
信濃「おはようさん、チューニングは終わったぞ」
速多「うわぁ!ますますかっこよくなりましたね!」
凛「いい?よく聞きなさい!前までのスイスポとは
全くの別物よ!かなり不安定になっているから
心して運転しなさい!」
速多「分かりました!ところで、山岡さん達は?」
凛「さぁ?そのうち来るんじゃない?
とりあえずアンタは運転に集中しなさい!」
速多「分かりました!」
速多は凛と一緒に、愛車に乗り込みサーキットに出る
速多「凛さん!これ凄いですよ!前よりも言う事を
聞いてくれます!やっぱり、信濃さんと凛さんは
凄いですね!」
凛「え、えぇ、ありがとう」
(嘘でしょ!!?前よりもピーキーな車なのに
いとも容易く乗りこなしている!アンタは気付いていないかもしれないけれど、世界中を探しても
この車をここまで乗りこなせるのは
アンタしかいないわ!なんて男なの!)
凛が隣で驚愕している時、
信濃もピットから様子を見ており、驚きの声を上げる
信濃「脱帽だな、アイツはとんでもない男だ
もしかしたら今度のレース、本当に優勝しちまうかも知れないな、」
速多が操るスイスポは、まるでコースを踊っているかの様に華麗だった
ヴオォォォォーン!!!ヴワアァァァン!!!
ゴギャャャアア!!!
凛は、本当に私が必要なのかと苦笑いする
(ほんと、私が隣にいる意味があるのかしら?)
速多「凛さん!次のコーナーはどれくらいの速度で
突っ込めば良いですか!?」
凛は温かな気持ちになる
凛(あぁ、アンタは私を必要としているのね!考えるだけ無駄だったわ!)
「合図するまでアクセル全開よ!」
速多「了解です!」
速多とスイスポは最早、一心同体
スイスポは速多の思う様に動いている
ボンネットのクマ吉がとても楽しそうに見える
その様子を誰もいない観客席から眺めている男がいた
???(速見速多、凄い走りだ、それに助手席の女性とも息が合っているね!次のレースが楽しみだな!
この男は次の世代の筆頭になるかもしれない!今度挨拶でもしてみようかな!)
男は静かにその場を立ち去るのだった
速多達がライドオンに着く前
山岡達は困っていた
麗華「山岡様!どうしましょう?マリーが
離してくれませんわ!」
マリーは麗華の足にしがみつき、鼻を鳴らしている
まるで『私を連れていきなさい!!』と言っているようだ
山岡「麗華こっちもだよ!ボンバーとヘッドが肩に
乗って降りないんだよ、まだ安静にしなきゃ
いけないのに」
ボンバーとヘッドも山岡に纏わりつき
キーキーと鳴いているまるで『おい!俺達も連れてけ!』と言っているようだ
山岡「んーこまったな、なぁ?お前達?
本当に行きたいのか?怪我の具合は?後で泣きついてきても知らないぞ!」
3匹は元気よく答える
マリー「クァワン!」
(早く連れてきなさい!)
ボンバー「ウキッ!」
(俺達、アンタの役に立ちたいんだ!)
ヘッド「ウキキ!」
(兄ちゃんの言う通りだ!連れてけ!)
山岡「はぁ、仕方ないな!一緒に行くか!
その代わり後で泣きつくなよ?」
麗華「決まりですわね!ならマリーは
ワタクシの車に!」
「クゥン!」(当然ね!私がアシストしてあげるわ!)
山岡「なら、ボンバーとヘッドは俺の車だな
でも、シートは一つしか無いけど大丈夫か?」
「ウキッ!」(大丈夫だ!俺は後ろのロールバーにぶら下がるぜ!)
「ウキキ!」(やったね!兄ちゃん!ならオイラは助手席だ!)
山岡「はぁ、本当に大丈夫か?」
(後ろに小さい座席でも取り付けるか?)
麗華「さぁ!参りますわよ!」
山岡「あぁ!今頃、速多のスイスポが完成しているはずだ!楽しみだな!」
山岡達はライドオンに向かうのだった




