第19話 新たな仲間
動物病院にて
麗華「先生!この子達を診てください!お願い致します!」
獣医「これは…直ぐに処置を行いましょう」
麗華「お願い致します!」
待合室で座り悲しい顔をしている麗華
(どうか助かって欲しいですわ)
山岡「大丈夫だ、アイツらは勇気を出して、俺達に
助けを求めたんだ絶対に助かるさ」
麗華「山岡様…」
2人は動物達の無事を祈り数時間待つ
処置室が開き先生が出てくる
獣医「もう大丈夫です」
麗華「あぁ、良かったですわ!」
獣医「ただ、野生にはもう戻れそうにありません
保護施設に行ってもらうのが最善です」
麗華「ちょっとまってくださいませ!
その子達はワタクシが引き取ります!」
山岡「おい!麗華!何言ってるんだ!?
麗華の家で面倒見れるのか?」
麗華は涙目になる
麗華「それは…でも!…でも!!」
山岡は考える
(どーすっかなー
家には俺しかいないし、俺が面倒を見るのもありだな)
山岡「なら、俺が面倒を見る」
麗華「山岡様!良いのですか!?」
山岡「あぁ、丁度1人だし、部屋も余ってるし
問題ない!何なら麗華も一緒に住むか?駐車場も
あと1台空いてるし!なんてな!
じょうだ」
麗華「行きますわ!」
山岡「は?」
麗華「山岡様の住所を教えてくださいませ!」
山岡「あ、あぁ、」
麗華「ありがとうですわ!直ぐに今の家から荷物を持っていきますわね!」
麗華はタクシーを呼び、家に帰っていった
獣医「それでは念の為、病気等の検査をして
予防接種もしておきますね」
山岡「あ、あぁ、よろしく頼む」
(おいおい、麗華やつほんとに来るのか?)
検査と予防接種が終わり、山岡は動物達を引き取り
愛車に乗せる
さっきよりは元気な様子の動物達
「クゥン!クゥン」(お礼は言えるわ!ありがと)
「ウキキ!」(ありがとう!助かったぜ!)
「ウキィ!」(兄ちゃん!この人達優しいね!)
山岡「運転中は大人しくしてろよ、あぶねぇから」
動物達は頷く
山岡は来た道を戻るため山を上っていく
道中、不思議なことが起こる
路面が悪いところや、コーナーがきつい所の前に差し掛かると
動物達が鳴き始める
ウキー!(ここは急なカーブだぜ!)
クゥーン!(地面はでこぼこしてるわ!)
山岡は、動物達が路面センサーの役割を果たしているのかと疑念を持つ
(コイツら、いやまさかな)
しかし、山岡の疑念は確信に変わる
偶然とは思えない程、完璧に鳴いて教えてくれている
ウキキィ!(ここも、急なカーブが連続するぜ!)
クゥーン!クゥン!クワゥン!(ちょっと!車が跳ね上がってるわよ!もう少し道の真ん中を走りなさい!)
(おいおい、まじかよコイツら
すげぇな!)
山岡は、にやりと笑い家に向かう
家に着くと驚愕の光景が広がる
何と家の駐車場に真紅のポルシェが停まっていたのだ
(おいおい!嘘だろ!ホントに来たのか!)
大荷物を抱えた麗華が待っていた
麗華「山岡様!お待ちしておりましたわ!」
山岡「ほ、ほんとに来たのか!」
麗華「えぇ!早く入れてくださいませ!」
山岡「その荷物は?」
麗華「この子達に必要かと思われるものを買ってきましたわ!後は私の荷物ですわ!」
麗華は笑顔で答える
山岡は頭を抱え天を仰ぐ
(まさかこんな事になるなんて)
麗華「ワタクシ達の愛の巣ですわ!!」
山岡「麗華は本当に良いのか?男と一緒に
住むのに抵抗はないのか?」
麗華「山岡様と一緒に暮らせるなら嬉しいですわ!」
山岡「なら、いっか!これからよろしく!」
麗華「こちらこそですわ!」
山岡「言っとくけど、俺はそんなに優しい男じゃないぞ?
普段は気を付けているけど、時々嫌な自分が出てくる時がある、、」
麗華「そんな事ありませんわ!山岡様は動物達を
勇敢に助けたじゃないですか!
もし、嫌な自分が出てきた時は、ワタクシが
包みこんであげますわ!」
山岡「はは、頼もしいな!」
麗華「ワタクシ達も速多さんと凛さんみたいに
仲良くなりましょ!」
山岡「そうだな!」
この日から山岡は、麗華と一緒に暮らし始め、動物達に囲まれた生活を送ることになるのだった。




