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ダウンヒラー速多  作者: チンパンドッグ
第一章 レースの世界と仲間達との出会い
13/44

第13話 世界へのスタートライン

いよいよレースが始まろうとしていた

グリッドには12台のマシンがその時を今か今かと待っている

実況が選手達とマシンを紹介していく


実況「続いて今大会の優勝候補の!

姫咲麗華選手です!」


会場のボルテージが一気に上る!


実況「麗華選手は現在、世界でもトップクラスの

チームに入っており、彼女自身もトップクラスの

実力を持っています!彼女仕様にチューニングされたポルシェで、優勝を狙います!」


麗華はふと速多のことを考える


麗華(あの様な人に負ける事なんて

絶対に許されませんわ!

悪く思わないで下さい、全力で行きますわ!)


実況「続いて!今大会のダークホースの

山岡翔吾選手です!」


実況「山岡選手はその冷静なドライビングで数々の

アマチュアレースの表彰台に立ってきました!

愛車のスープラを今回

もクレバーに魅せてくれるのか!」


山岡は速多達が、必ず下りで猛追してくることを予測していた


山岡(速多達が来る前に差を広げとかないと

勝機は無いな)


そして実況は最後に速多達を紹介する


実況「最後に紹介するのは!

速多選手と凛選手です!」


会場内がざわつく


実況「噂によると、速多選手の愛車、スイスポは

中古屋で売られていた事故車だったとのことです!

数々の名だたるスポーツカー達を抜かして表彰台に

立つことは出来るのでしょうか!?

また、凛選手は速多選手のナビゲーションを

担当しています!前代未聞の2人体制で果たして

上手くいくのか!?神埼代表に注目された2人です」


速多「凛さん!観客達が一杯ですよ!」


凛「当たり前よ!このレースは世界中でも

見られているのよ!それに恥じない走りを

しないと!」


速多「任せてください!」


いよいよレースが始まった!


我先にと飛び出し、先頭集団が形成された

山岡は少し後ろにポジションを取り、麗華は先頭集団に入り込む


速多達はもちろん最後尾

上りの5キロが終わる頃には、ポツンと1人状態になっていた


実況「速多選手!後方から後れを取り最後尾です!

ここから巻き返すのは至難の業になります!」


麗華のもとには、ピットから情報が飛んでくる


クルー「あのスイスポは最後尾だ!

もう追ってくることは無いだろう

目の前に集中してもオッケーだ!」


麗華「わかりましたわ!」

(やっぱりあの方たちはここに来るべきでは無かった

はっきり申し上げて、期待外れでしたわ)


山岡は冷静に考えていた


山岡(速多達は絶対に追い上げてくる!)


上り区間が終わろうとした時

速多と凛に信濃から情報が入る


信濃「お疲れさん、現在、前との差は19.76秒だ

この先、ゴール地点前の5キロまで

深い霧が立ち込めていて、他の選手は安全マージンを取っている、無理だけはするなよ?じゃあ

がんばれよ!」


速多「分かりました!」


凛「なんとか目標達成ね!」


速多「しかし、本当に霧が濃くなってきましたね!」


凛「えぇ、目の前しか見渡せないわ」


速多「逆にチャンスですね!

今の内に全開で追いましょう!」


凛「アンタ!父さんの話聞いてた?

無理しないでちょうだい!」


速多「僕一人なら危ないですけど、凛さんが

いますから!ナビゲートよろしくお願いします!」


(ほんとにコイツは・・)


凛「分かったわ!死ぬ気で走りなさい!」


速多「了解です!」


スイスポが唸りを上げ猛追していく!


ヴオォォーン!!ヴワアァァン!!


その頃、麗華と山岡は霧の中5位と6位を走っていた


山岡(くそ、霧が濃くて思うようにスピードが

出せない!

前のポルシェのテールライトがかろうじて見えるくらいだ)


麗華(霧が濃いですわね、、でもゴールまで残り

5キロまで行けば、霧が晴れてくる

それまで我慢ですわ!)


その頃

11位を走っている選手は何とも言えないプレッシャーを感じていた


選手(なんだ?この感じ

まるで獲物に狙われているみたいだ、スイスポはかなり後方でレースを離脱したはず、嫌な感じだぜ)


速多と凛は霧の中をとんでもない速さで猛追していた

前の車まで残り10秒と迫っていた


実況が興奮した様子で、説明する


実況「各車霧の中に入りました!誰が最初に霧を

抜けてくるのか!おっと!ここで驚きの情報が

入ってきました!道路脇で観戦していた人達によると11位の選手の後ろを、速多選手と凛選手が

猛追している様子です!霧に入る前はポツンと

1台離されていたスイスポですが!

いったい何が起きているのか!

前との差は10秒と驚異の速さで縮まっているよう

です!速多選手は一体どれほどのスピードを

出しているのか!もはや狂気としか思えません!」


会場の観客たちはモニター内で観戦しているが、霧で全く状況を把握出来ない

しかし、コースの周りにいた観客達は速多のイカれた走りに度肝を抜かれていた


観客「なんだ!あのスイスポ!この霧の中速度を落とすどころか全開で走ってやがる!」


観客「アイツはイカれてるのか!?もはや狂気を感じるぜ」


下り残り10キロ

速多と凛の狂気のダウンヒルが始まった!



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