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ダウンヒラー速多  作者: チンパンドッグ
第一章 レースの世界と仲間達との出会い
12/43

第12話 公道レースの開催と女王からの質疑

いよいよ公道レースが開催される日が来る


速多は、ライドオンで愛車の洗車を行っていた

ボンネットのくま吉も気持ちよさそうに微笑んでいる気がした

時間になり会場に向かう速多と凛

信濃は一足先に現地に乗り込んでいた


会場に着くと出場選手の車が整列している

観客もコース脇に隙間無く並んで見学している

会場内では大型モニターで各車の様子が見れるようになっており、コース脇に行けなかった観客達は会場内から観戦する


名だたるスポーツカーに並んで

速多の愛車も並べられた、場違いな車を見て

観客達は戸惑う


観客「あれって、確かだいぶ前のスイスポだよな?」


観客「ほんとに勝負になるのか?」


観客「しかも助手席には女性が乗るらしいぜ」


観客「重さで不利になるけど大丈夫か?」


観客達の声を物ともせず、速多と凛は最終確認に入る


凛「いい?速多、作戦は変えずに行くわ!

上りはタイヤの温存に努めながら、最後尾から

20秒以上離されないようにして!難しいと思うけど私達なら出来るわ!」


速多「もちろんです!

この日の為に練習してきましたから!」


凛は呆れながら速多を睨む


凛「、、、無茶な走りはしないでちょうだいね」


その時、山岡がやって来る


山岡「今日はよろしく!お互い頑張ろう!」

そう言うと、自分の所に帰っていった


周りを見ると、速多は知らないが有名な選手ばかり


凛が周りを見渡していると、1台の車が入ってくる

その車は真紅のポルシェ

ドライバーは今大会の優勝候補の1人、姫咲麗華

妖艶な立ち振舞からまだ若いながらも、

女王の異名を持つ

世界でも注目されている選手だ


麗華は速多と凛に話しかける


麗華「はじめまして、ワタクシ姫咲麗華と申します

早速ですがいくつか速多さんに質問したいことが

御座います」


速多「は、はい!なんでしょう!」

(綺麗な人だなぁ)


凛(はん!何よ!デレデレしちゃって)


麗華「速多さんはこのレースをどの様な思いで

挑まれるのですか?」


速多「え?」

(何を言ってるんだろ?)


凛(ちょっと!何情けない呑気な顔をしているのよ!

しっかりしなさいよ!)


速多「うーんわからないです!」


凛(あ、だめだコイツ!)


麗華「思いを背負わずにここに来たと?」


麗華は冷たい目を速多に向ける


速多「俺はこの愛車でプロに通用するか

試したいです!」


麗華「なるほど、、失礼ですがそちらの車は

年式が古く事故車だったとか、本当にその車で

挑むおつもりですか?」


速多「はい!信濃さんと凛さんが

仕上げてくれたので、性能に不満はありません!

むしろ高性能です!それに助手席には

凛さんが乗ってくれるので!」


凛(このバカ!相手はポルシェに乗ってる人なのよ!

しかも一般的に、助手席には人は乗らないのよ!

ハンディになるから!)


麗華「なるほど、なるほど、はっきり申し上げますと非常に不愉快です」


速多「え?」

(何でこの人こんな怒ってるんだろ?)


凛(あぁ、おわったわ、世界トップクラスの選手に喧嘩を売ってしまった)


麗華「あなたの様な方がこのレースに参加する

資格はありません、チームも持っていない

車も事故車、おまけに助手席に関係ない女を乗せる…あなたのやっていることはレースに対する冒涜です」


速多「さすがに言い過ぎでは無いでしょうか?」


凛(もう辞めて!お願い!口を開くな!)


麗華「何が言いすぎなのでしょうか?事実ではありませんか?迷惑なんです

あなたみたいにちょっと速いからって、自惚れる人は

それに凛さんといったかしら?あなたもレースの事をご存知なら、助手席に乗るという愚行はしないはず

ですよね?

大方、助手席に女が乗っていると珍しくて

皆がチヤホヤしてくれるから、乗っているとしか

思えませんね」


凛(やっぱり、周りにはそう見えるわよね・・・)


この言葉を聞いた速多の顔が怒りに変わる


速多「その言葉訂正してください」


麗華「なぜかしら?」


速多「俺の大事な凛さんをバカにしないで下さい、

凛さんは、俺のドライビングに絶対欠かせない人です

そんな凛さんを馬鹿にするのは許せません!

訂正して下さい」


凛(速多・・)


騒ぎを聞きつけた山岡がやって来る


山岡「その辺にしておいたら?結果はすぐ分かるさ」


麗華「そうですね…失礼致しました、私はこれで」


麗華は立ち去ろうとする

麗華にだけ聞こえるように山岡が声を掛ける


山岡「あんまり速多と凛さんを、侮らない方が

良いよ」


麗華「ご忠告どうも」


麗華はチームのもとに帰っていく


速多はまだプリプリ怒っている


速多「いったい何だったんでしょう?

失礼な人ですね!」


凛「私は寿命が縮んだわ…」


速多「凛さん!絶対表彰台に上がりましょう!」


凛「えぇ!もちろん!」


信濃がニヤニヤしながら近付いてくる


信濃「速多、やるな!

女王相手に怯むこと無く言い返すなんてな!」


速多「え?女王?」


信濃「なんだ?知らなかったのか?彼女は世界的にも有名なドライバーだぞ?」


速多「知らなかったです、」


凛「ほんと!アンタって奴は!」


信濃「まぁ速多らしいな、さて、もうすぐ始まるぞ、今日の俺の役割は、レースの様子をお前達に

伝える事だ

くれぐれも上り区間で20秒以内を死守してくれよ」


速多と凛は同時に返事をする


速多「わかりました!」

凛「わかったわ!」


いよいよレースが始まる!

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