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僕に時間停止の力をくれた僕を見ている貴方様へ

作者: 國岸紅茶

前書きを見て下さり大変ありがとうございます。

軽い気持ちで見てください。

 キンコーンカーンコーン…

 キンコンカーンコーン…


『時止め』

 DI〇や十〇夜咲夜の『世界(ザ・ワールド)』など、アニメや特撮やエロ同人誌など。

 様々なところで活用されるこの設定。

 最強と呼ばれたり理想と呼ばれたり、ホラーとかロマンとかなんとか騒がれているこの能力。


 そんな時止め能力がIQ150の天才、または偏差値12のエロガキに!!!!


 なんてことはなかった。



「ブオーン。ブオブオ。バイクの真似。ブブオ。」


 彼の名前は「場行(ばいく) 蘭乃介(らんのすけ)」。

 北海道の道北のとある中学校の帰宅部所属、通知表は毎回3と4で埋め尽くされる、50m走のタイムは7.9秒、ソフトボール投げの最高記録は10m!!!

 家系は正社員の父と正社員の母!!

 趣味はゲームとアニメ鑑賞!!

 特技は恥知らず!!!



「アハハハハ!!バイクの真似ェ!死ね。くたばれ。」


「ほんそれ。」


「えぇ…。なんかもうちょっとツッコミくれよ。」


「カスみたいな話は置いといて…。なァ、お前ら勉強した?」


 彼らは前期中間テストの前日であった。

 2年生になって初めてのテスト。当然勉強などしてるわけが無い。


「俺はノー勉!!」


「俺は…勉強してるかな。」


 あろうことか蘭乃介はしてもない勉強をしてると答えてしまった。

 周りは毎日1時間ワークを往復してる癖にノー勉とふざけたことを言い張る。

 蘭乃介は「努力はカッコイイ」と思う稀有な人間であるため、怠惰を隠すためにこう返事してしまった!!!


「あーあ。時でも止められたらなぁ…。」


「蘭乃介ェ…時止めて女子に…」


「ガキは黙れ。というかそんな夢みたいなことあるわけねぇだろカス死ね。」


 蘭乃介は妄想を働かせていた。

 蘭乃介はHというよりも睡眠欲や自身の向上について考え続けていた。




 ガチャ。


「ただいまー。誰かいる?」


 玄関で叫ぶが何も返事は来ない。

 蘭乃介は2階に早々と上がり、テレビをつけてアニメを見始めた。

 軽音部が舞台のアニメであり、少しギターに憧れていた。

 25分が経ち、24話を見終わると退屈になってしまった。

 ベッドに寝転び、「時止め」の話題について再び考えていた。原理とか、止めてる最中に元素は動くのかとか水は動くのか、物は燃えるのか…。

 SFは略称を解くと「サイエンス・フィクション」である通り、フィクションなのだ。

 考えても仕方ない。


 そんなことを考えて、時を止められたらなぁ〜と思い手の平を自分の正面に構えて、情けない音の指パッチンをしたり、「ハー!」と言ったりしてみた。

 何も起きない。死ね!!!!

 そう思って泣きの最後の1回を繰り出した。


「ハー!」


 するとあら不思議。外の葉っぱのざわめき、鳥の鳴き声が一瞬にして静寂に包まれた。

 その静寂はすぐに騒音に戻った。


 ん?と疑問に持った蘭乃介は考えるよりも先にもう1回試しに「ハー!」と念じてみた。


 またもや静寂。そして戻る騒音。

 なんだこれ。偶然か?

 いや!!時止めだ!!!


 歓喜して、次はテレビの映っている状態で試して見た。


 テレビの画面は広告を流したまま止まり、静止画となった。

「え?」と声にあげて思考が止まっている間にテレビは再び動き始めた。

 秒針のある時計、蛇口から流れる水、外にいたアリ、外ではしゃぐ幼女…全てに試して全て止まっていた。

 しかも、念を込めるたびに静止時間は長くなっている…気がする。


 1時間ほど試した。なんか手をかざして「ハー!」と叫んで恥を晒さなくても良いらしい。

 実際、指パッチンでも止まった。多分「時を止めるぞ!!」っていう念となんか行動があればいいんだ…というふうに結論づけた。

 更に、指パッチンをして時が止まり、それに伴って止まった秒針が何秒後動くかを数えてみた。


 17秒…次に18秒…次に19秒…。


 うわぁ!!1回時を止める度に1秒時間が伸びる!!


 蘭乃介はとても恐怖し、迷い、不安になった。

 え?フィクションじゃないの?

 なんか代償とかないの?怖いんだけど…。


 不安になっても仕方ないのでテスト勉強を時を止めながらやった。

 どうやら時を自力で動かすことも出来たので、かなり止められる秒数は伸びた。



「は!」


 気づいたら寝ていたようだ。指パッチンをして時を止めていたせいで指が痛い。

 時計を見たら6:24。

 ため息をつく。はァァァア。

 痛いその手で時を止めて、学校に行く準備をし始めた。

 …えスゲェ便利ー!


 この時止めの能力は凄いご都合主義的な能力だった。

 なんか念じたら止まってる物動かせるじゃーん!!


 何も出ない蛇口に向かって念を込める…いや、「水動け!」と思うと蛇口から水が流れてきた。


 学校のことを忘れて蘭乃介は実験をまたもや始めた。

 時を止めて時計に念を込める…秒針がカチカチと動き始まる。

 そのまま次にテレビに念を込める…砂嵐がザーと流れる。

 そして次にスマホに念を込めようとした時に、時が動き始めてしまった。


 どうやら、3つまでしか時の止まった空間の中の物体を動かせるようにできないみたいだ。

 いや、正確には物体1つにつき止められる最大時間量の3分の1を使用しなければならないみたいだ。

 ↑数学チックでカッコイイ!!!!!


 そんなことを思っていると、現在時刻はまだ7:04。

 時を止めているせいで時間感覚が狂ってきた。


 蘭乃介は鏡を見て髪を直し始めた。

 低い背にタレ目にやる気のなさげな口にある意味小顔なアゴ。

 垢抜けすれば可能性は多少あるチビがそこにいた。

 毎回自分の顔に「ゲッ」と思いながら髪を直す。

 ツーブロでもセンター分けでもキノコヘアーでもないモブ髪にセットする。耳が隠れる長い髪だ。

 別に似合ってないわけでも変な髪なわけでもないけど、なんかなぁ…。


 そして、時が動いたまま学校を出た。

 だって時止めしたまま行ったら、時が動き始めた時に瞬間移動したみたいになるし、そうなると面倒事になる。


 万引きとかも何かのタイミングでバレたら最悪で怖いし、エッチなことをしようにも…怖い。

 あ、でもパンツ見るぐらいは大丈夫か。

 そもそも、時止めの能力持ちということがバレたらどうなるんだ?

 研究所に連れていかれて人権損害みたいな実験させられる?それとも有名人?それとも殺される?

 んー…。

 んーー…。

 あーーー…。


 面倒事を考えるのはやめて、今は押しボタン式の横断歩道の事を考えよう。

 そう思って、タイミングを見計らってボタンを押した。

 ピーッとボタンから音が発せられ、「お待ちください」とボタン上のモニターから表示される。


 ボケーっとお待ちしていたら、信号が青に変わった。

 太陽が今日も輝いてるな〜。

 鬱陶し。

 渡ろうと熱くなった道路のアスファルトを足で踏んだ瞬間、右を見ると暴走したトラックがあった。


 え?


 キキッーーー!!!

 キ…


 最悪だ!!

 轢かれる寸前に時間を止めた。でもでもでも!!!

 どうするの!?

 どうするの!?

 どうするの!??

 だってさだってさだってさ、このまま逃げてもドラレコに撮られてるし、見ろよ!トラック運転手なんで口大きく開けて目も見開いてるぜ!!

 んーんーんー!!!どうしよう!どうしよう!!

 あ!そうだ!!

 トラック運転手をぶち殺そう!!!!

 いやいやいやいやダメダメ!絶対にダメ!

 それじゃあどうするの?

 どうしちゃうの?

 ねぇ俺どうすりゃいいの!?



 蘭乃介の現在の時間停止最大時間量34分

 2分経過


 蘭乃介は焦っていて思考がマトモにまとまっていなかった。

 走っても間に合うはずがない。横断歩道のど真ん中から腕を伸ばして届く距離にトラックがある。

 とりあえず真っ白な頭でトラックの中を調べてみる事にした。

 トラックの中はとても熱い。

 エナジードリンクの空缶が助手席の床に落ちている。

 運転手の目にはクマができており、更にブレーキをこれでもかという力で踏んでいるのがわかる踏み方。

 ドライブレコーダーはしっかりと横断歩道と車内を監視している。

 どうしたものかと考えて続けて数十秒。

 あ!そうだ!ドラレコをぶち壊そう!


 蘭乃介はトラックの中にあった空のペットボトルに近くにあった公園のトイレで水を汲んだ。

 そして、ペットボトルに向かって念じ、ペットボトルとその中の水は太陽の光でキラキラと輝いている。

 虫眼鏡などで日の光を集めて発火させる現象「収れん」。

 蘭乃介はドラレコを外し、水ペットボトルでドラレコに濃縮された日の光を当て続けた。

 数分後、そろそろどうかな?と光を当てていた部分に手で触れて温度を確認してみた。


「アッツ!!もうこれで流石にドラレコ壊れたよな…?」


 蘭乃介は水ペットボトルの水をそこら辺の地面に捨て、空のペットボトルに戻し、ドラレコを車内にセットした。

 まあ、もっと簡潔に言うと、トラックの中を元通りに戻した。


 蘭乃介は横断歩道の向こう側に逃げた。


 残り時間14分、時は動き出す。


 クラクションが響き、トラックは止まった。

 運転手は轢いてしまったはずの蘭乃介がいないことに困惑と安堵の表情を見せる。


 蘭乃介は我関せずとスタスタ逃げるようにして学校へと向かった。



 あ〜焦ったァ…本当焦ったァ…。

 いやいやぁ。時止めあってよかったわぁ。

 更にあの俺の機転!いいねいいね!カッコイイ!!!


 自画自賛している。

「発想的には誰でも考えれば思いつくだろ」という批判が多く寄せられそうな程度の発想なのだが、蘭乃介は死を逃れられたことと時止めの超有効活用により、ドーパミンがえげつないほど放出されていた。



 学校に着き、教室に入ると、鬱とやる気と不安が入り混じる。

 蘭乃介は少し空気の差で倒れそうになったが、机についた。



『カンニング』

 語源はズル賢い、狡猾なを意味する「cunning」。

 時止めでしたい行動ランキングで上位に食い込むであろう行為であり、他人任せを司る不正行為である。


 蘭乃介も中間テスト当日にこのワードが頭の中で渦巻いていた。

 しかし、頭が堅い蘭乃介は不正行為が大嫌いであった。

 机に勉強道具を頭の悪い量並べ、時を止めて勉強を始めた。

 テストが始まるまであと30分ある。そして、時止めで更に時間を延ばし延ばし延ばす。

 延ばし延ばし延ばし延ばし延ばし。

 延ばす延ばす延ばす延ばす延ばす。

 そして書く書く書く書く書く書く!


 ただひたすらに問題を解く!!分からない問題はそのまま放置!!最も無駄で最も頭の悪い便利法だ!



 蘭乃介は非常に愛すべき馬鹿だ。

 かれこれ経った時間は12時間に及ぶ。20回以上の時止めをして、ひたすらに問題を解いていた。


 蘭乃介は疲れたので、時止めを解除してテストに挑んだ!!!

 一時間目は国語。

 記述が多いためカンニングは使えない。

 だが、漢字がわからない!!

 時を止めてチラッと隣の席にいるクラスのマドンナの回答を見る!!!

 そして写す!漢字の全てを写す!

 次の時間の数学、社会、理科、英語…。

 7割方マドンナの回答を移す!!!

 少し魔が差してほっぺたを触ってしまったが、それ以外はマトモに不正行為を働く!

 不正行為が大嫌いなどという言葉は頭の片隅にもなかった。

 テスト終了後は罪悪感と達成感に包まれており、窓から差し込む日の光が希望の光に見えた。



 数日が経ち、全教科のテストが返ってきた。

 …結果は60人中34位であった。

 隣にいるマドンナの順位を見てみると、11位。

 死ね!!!!!!



 結構落ち込んで家に帰って寝て起き、テストが返された日の翌日は土曜日だった。

 …というか、時止めできて、何に使えるだろう。

 そんな純粋な疑問について考え始めた。


 窃盗も暴力も殺人も人を傷つけるし…そんな事考えてたら、時を止めながら寝たり勉強したり筋トレしたり本読んだりぐらいしかできないじゃん。

 よし!ならそれはそれでいいや!寝よ!


 end...




「けっ。ゴミみたいな人生だ。こんなやつに時止めなんてもの与えなきゃ良かった。」


「ボクは性欲に脳を支配されてるエロガキに時止め与えたらイイ展開なったよグへへ」


「お前…。創造神(こっち側)なんだからもうちょっとさ…。」


「いやパラレルワールド作って観察して遊んでる君に言われたくないね!」


「正論だな…。」


「やっぱり平凡で優しい人間は面白くないね。いっその事ならこの世界滅ぼす?」


「いいんじゃない?ノストラダムスだかいうやつは世界滅びるとか昔言ってたし」


「あーあ。この子のせいで地球滅びちゃうよー」


「生物ってなんで繁殖させたいんかな。」


「え?」


「生きて死ぬだけなのにさ。何よ娯楽って。生きてる価値もわからないね。」


「はいはい。とりあえずこの作品はゴミ作ね。」


「そうだな。」


「俺らの会話を見てるお前はどう思う?」


「下衆な人間に問うなよ。」


「でもボクらは文字だし、電子の世界の創造神だし。電子ではない、3次元に生きてる''生物''に評価を貰わないと殺されちゃうよ?」


「まあ、俺たちの会話を聞いてるカス共はここまで読み進めてきたってわけだよな。」


「もしかしたら、蘭乃介の行動を全部丸飛ばしした性格の悪いやつかもしれないけどね。」


「だったらヤダよな。あーあ。俺らの会話に☆5をつけてくれれば良いよな。」


「蘭乃介のせいで☆1…いやブックマークもつけてもらえないかもよ?」


「それは蘭乃介のせいだ。俺らは悪くない。」


「キミが観察して、キミが公開した蘭乃介なんだからさ。」


「仕方ない。アイツのお人好し性格をどうにかしないとどうしようもない。」


「蘭乃介の行動を公表するのも疲れたし、俺らも休みたいけど…連載(続ける)?」


「いや、もうコリゴリだ。」


「それじゃあコタツ用意してきて。もう2月だし、コタツ出してもいいでしょ!!なんでないの?!」


「蘭乃介が北海道出身だから。北海道ってコタツある家少ないんだよ。」


「あらそうなの?残念。とりあえず別のパラレルワールド創るか!!」


「あ、俺らを見てるお前、一応俺ら別のところ行くから。」


「偉そうに評価しないでネ!グへへ…」


「ゴミみたいな小説から早く離れるぞ。」


「そうだネ!!しょうもないしょうもない!」

多分賛否両論な作品でした。

結構推敲も計画もない感じに書いたので、なんかアレです。

まあ、私が言うことはそのぐらいです。

大体の事は彼らが既に言ってくれてますので。

最後に。彼らが言いそびれたこととして、「人間は調子に乗るな」というものがあります。

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