ぼくは ヤダヤダせいじん
冬童話チャレンジ2作目。
長い童話は書けないので、また絵本風。
『言葉の大切さ』をテーマにしました。
ぼくは おうちで ヤダヤダばっかり
「おかたづけしてー」
「ヤダヤダ」
「おやさいも ちゃんとたべてね」
「ヤダヤダ」
そんな ぼくに 「もう ヤダヤダせいじんには こまっちゃう」とママはわらっていう
でも ときどきは めっちゃおこる
そんなとき ヤダヤダせいじんの ぼくは おおあばれ
あるひ ぼくは いっちゃった
「ヤダヤダ みんなきえちゃえ」って
だってもっとゲームしたかったのに ママがゲームとっちゃったんだもん
ぼくは おこって おへやにいって そのままねちゃった
おトイレいきたくなって おきると おそとがあかるかった
もうあさなのに ママがおこしてくれなかった
あれ? いえのなかをさがすけど ママもパパもいなかった
おでかけしちゃったのかな?
ヤダヤダ ぼくもいきたかった ずるい
「いいの? ごはんまだだけど おかしたべちゃうよ?
ゲームもずっとやっちゃうよ?」といっても だれもへんじしない
ママがいないうちに ぼくは たくさんゲームをした
たくさん おかしをたべた
だれからもおこられないから たのしかった
でも… ママたちぜんぜんかえってこない
ひとりであそぶのも あきちゃった
パパといっしょにあそびたい
ひとりぼっちの いえのなか ぼくはさびしくなって そとへでた
そしたら どうしよう!? だれもいない!
いつもぼくに アメをくれる おとなりの おばあちゃんも
ママといっしょに おかいものにいく やおやの おじちゃんも
おにくやの おにいちゃんも パンやのおばちゃんも
みんないなくなっちゃった!
だから おみせもあいていない
「ヤダヤダみんないないのイヤだ!」
「ぼくだけ ひとりぼっちはヤダヤダ」
ぼくは いえにかえって めちゃくちゃないた
そしておもいだした
ぼくが「みんなきえちゃえ」っていっちゃったこと
「ごめんなさい ごめんなさい ぼくがわるいこでした」
「だから いっぱい ごめんなさいするから パパもママも かえってきて」
「ごめんなさい ごめんなさい みんないなくならないで!」
いつのまにか ぼくは なきつかれて ねちゃった
そとは おそらが オレンジになってきていた
「…ぅくん …ゆうくん あさだよ」
あ ママのこえがする
ぼくが めをあけると ママがカーテンをあけていた
「こわいゆめ みてたの? ゆうくん なみだでてるよ」
というママは にっこりわらっていた
「うわーん ごめんなさーい」と ぼくはないて
ママにぎゅっとした
ママは ぼくをぎゅっとだきしめて せなかをポンポンしてくれた
はぁ ゆめでよかった みんないなくなったかとおもった
あさごはんのとき ぼくは ゆめのことを パパとママにはなした
『ことだま』っていって いったことが ほんとうになることもあるんだって パパがおしえてくれた
「あ おやさいまた のこしてる」
「ちゃんとたべないと つよいこになれないぞ」といわれて
「ヤダヤダ」とまたいっちゃった
ぼくは ヤダヤダせいじん
だけど ぜーたい 「きえちゃえ」は もういわないからね!