第三十九話 心配だから。
見つけられないから。
雷斗side(31~40話まで)
「快凪? 体調でも悪いのか?」
俺はいつもと行動が違い過ぎる快凪に声をかける。
「あー、平気。寝不足なだけ」
快凪はそう言うけど、顔色が悪いし、気分も悪そうだ。
「お前、一回寝た方がいいと思うけど? 保健室行ってこいよ」
「大丈夫だって。ほら、授業があるから行こーぜ」
俺の心配に快凪は頷かない。
それどころか、このままだと授業中に倒れそうだ。
「そんなに言うなら、保健室強制連行な」
俺は快凪絶対に言ってもらうためにお姫様抱っこをすることにした。
「は? ちょい、降ろせって」
快凪が暴れてる。
んで、周りの生徒がめっちゃ笑ってる。
大きい笑い声の方を見ると、海里がいた。
「らいくん、快凪くん、、どうしたのっ?」
海里が俺と目が合うと駆け寄ってきた。
「こいつが体調悪そうだから、保健室行かせようと思って。ほら、快凪。そろそろ保健室だから、暴れるな~」
俺は海里の隣を歩きながら、快凪を保健室へ連行した。
「おいっ。こんな羞恥を味わうくらいなら自分で歩くからっ。降ろせって」
快凪そう言ったのを聞いて、俺は快凪を降ろした。
「へいへい。保健室行けよ~?」
「分かったから。行くから」
快凪がかなり怒りながらも保健室に素直に入っていった。
「ったく。まあ、結果オーライか」
俺はそう呟いた。
「...らいくん?」
海里が俺の来ているパーカーの端を掴んで、上目遣いで見てくる。
うん、可愛い。
「どうしたん?」
海里がモジモジしていて、これまた可愛い。
「あのさっ、今度、僕も抱っこしてほしい」
俺のパーカーに顔を埋めながら恥ずかしそうな顔で言う。
てか、抱っこ?
海里に頼まれたらいつでもやるのに。
快凪のを見て、妬いたのかな?
うっわ、俺の彼女(男)可愛い。
「いいよ。海里の頼みなら何でも聞いてあげる」
俺は海里の頭を撫でながらそう言った。
「何でも?」
海里がここぞとばかりに聞いてくる。
「まぁ。俺ができるなら」
「じゃあさっ、僕のお願い。ちょっと聞いてほしいなっ?」
海里は小悪魔な瞳で俺を見つめてくる。
なんか仕組んでいたのかな?
そう思いつつ、俺は海里のお願いには弱いなと実感した。
「何すんの?」
「えっとね~。内緒っ」
海里は、自分の口に人差し指を当てて、悪戯に笑う。
──君は何をするのかな?
俺は可愛い俺の海里を誰も見ない死角に連れていく。
そして、この手から出ていかないように抱き締めた。
キスもしたかったけど、さすがに校内では危ないから止めておくことにした。
海里は、とろけた顔だ。




