第三五話 他の男だから。
見つけられないから。
雷斗side(31~40話まで)
「ミスコン優勝者は────。」
司会者の生徒会長が焦らしながら発表する。
「雷斗さんです!ステージに出てきて下さい!」
よっしゃ。
「やったー!らいくん、すごいすごい。」
海里が隣でめっちゃ喜んでいる。
「海里にカッコ悪いとこ見せたくねーしな。」
そう言って、海里の頭を撫でてから、ステージに向かう。
「こちらにどうぞっ。」
生徒会長の指示でステージの真ん中に立つ。
「優勝した、雷斗さんです。一言どうぞ!」
マイクを渡されて、それを受け取った。
「はい。え~っと、優勝出来るかなとは思っていましたが、予想通りで良かったです。」
俺はそんなふうに他の出場者を煽る。
俺の返事に生徒会長は何も慌てずにマイクを握る。
「ありがとうございます。続いて、二位と三位の発表です。」
「二位は────。三位は──、朔。お二人は後で表彰があるので、生徒会役員が来るのを待っていてください。」
二位は三年生の先輩。
かなり予想通りな結果だった。
その後いろいろと生徒会長が話して、あっという間に午後の時間になった。
ーー
「注文はどうしますか?お嬢さん。」
俺は執事キャラというなんとも難しいキャラになりきる。
流架にめっちゃ厳しく訓練させられた。
「え~っとぉ、このパフェ二つでお願いします。」
「かしこまりました。」
えっと、ここでウインクだったか?
俺は、調理担当の快凪のところに向かう。
あいつは意外に料理が上手い。
前に食べさせてもらったときも、プロレベルかと感心した。
「快凪、パフェ二つを三番席。」
「了解。海里は大丈夫なん?」
そんな会話で、俺は海里の方に目を向けた。
「注文はどうしますか~?」
海里が“かわいい”声で客の男に声をかける。
他校生かな。
「え~、君っていう選択肢はないの~?」
男がデレデレとした口調で話す。
俺はそこに近づいていく。
「えっとぉ~、無いですね~。」
海里が俺の方に助けを求めているのが伝わった。
「お客様、ご・注・文はどうなさいますか?」
俺は満面の笑顔で聞く。
「え、あ、このパフェでぇ、、。」
男が怖がりながら、注文する。
怖くなんかないのにな。
てか、パフェ人気だな。
午後の分、足りるかな?
「かしこまりました。海里、行こ。」
男に返事をして、海里の手を引きながらその場を去る。
「快凪、パフェを十四番に。」
俺は快凪に簡単に伝えて、クラスの奥に入る。
「ええと、らいくん、助けてくれてありがと!」
海里が笑顔で言う。
俺は苦しくなって、海里の後ろの壁に手をつく。




