第二十話 絡まったから。
最後だから。
聞きたくなかったな。
そんな後悔だけが僕に残っている。
お兄ちゃんがらいくんに聞いたこと。
『雷斗って海里のこと好きなの?』
その後のらいくんの声。
それだけが僕の頭にこびりついている。
『は?』
否定している。
あの声が。
なのに、あの後はお兄ちゃんがいたから、すぐ寝れた。
今だって嫌だって叫びたいのに。
ーー
翌日、僕は熱が下がったから、らいくんと学校に行った。
「ねえ、らいくん。昨日さ、学校どうしたの?気にしていなかったけど、学校ある時間に僕の家に来たよね?」
「ああ。早退した。」
「えっ、何でさ?」
「心配だから。」
そっぽを見て言うらいくんに僕がドキドキしちゃう。
やだな。
「ありがとねっ。」
僕は、これだけは君に言いたい。
「ん。」
やっぱり、好きだなぁ。
らいくんの横顔を見ながらそう思う。
ーー
あっという間に教室の前に着いた。
「おはよ~。」
「おは。」
そう言いながら入ると、忘れようといたことを思い出してしまった。
「おはよ~。」
朔くんの声で。
「なあ、朔。」
らいくんが朔くんに話しかけている声も周りの音も聞こえなくなった。
「海里?大丈夫か?」
快凪くんにそう聞かれた。
大丈夫ではないけどね。
「大丈夫だよ。あと、、相談。聞いてほしい。」
そう言って快凪くんを朔くんを連れていったときと同じように隣の器具室に連れていった。
「雷斗と朔のことか?」
「うん...。僕、どうすればいいの?」
「バカかよ。あれは...。やっぱ、雷斗に聞け。」
「らいくんに聞いたら何か...分かるの?」
僕はまた泣きそうだ。
「さあな。雷斗次第かな。」
「うええ、何で。」
「俺が言うべきじゃないから。」
快凪くんは何を考えているんだろうな。
「ふーん。ありがとね。」
そう言って僕は快凪くんには干渉しない。
「話を聞くくらいは出来るから。安心しな。」
「はーい。」
僕は顔文字で例えると“(。・_・。)ノ”みたいな顔で言った。
──快凪くんがわざと一本線を絡ませているなんて知らずに。
ーー
「ねえ、海里。何を思っているのかは知らないけど、俺は雷斗のこと恋愛的に好きじゃないし、雷斗も俺のこと恋愛的に好きな訳じゃないよ?」
流架くんがそう言ってきた。
「えっ?」
僕の心を見透かしたように言う。
そんな流架くんの言っていることが分からなかった。
「それだけだから。」
「うん。」
なぜか僕ははっきりと答えれた。
そして、流架くんが躊躇うように聞いてきた。
「...あと、、海里って快凪のこと好き、、なの?」




