第十五話 雷斗side 答えがないから。
最後だから。
俺は急いで海里の家に向かった。
今日も朝、海里を待っていたら来なかった。
正確には、インターホンを鳴らしても出てこなかった。
何でかは分からないけど。
昨日もお見舞いに行ったのに、出てきてくれなかった。
海里とこんなに話さない期間が空くことなんて本当になかったんだ。
海里が俺にとっていなくてはならない存在なんだって、気付けなかった。
兄弟離れをしないといけないとか、兄弟のケンカの後はこんなものなのかも知れない。
「海里、入るぞ。」
そう言って鍵を開けて海里のことが部屋に向かう。
相変わらず海里の部屋はゲームだらけの殺風景な部屋だった。
「らい、くん、、?」
そう言う海里は本当に苦しそうだった。
「海里、今の熱はどれくらいか?」
「うん、と、41.0。」
「大丈夫か!?」
「ううん。」
「まあ、そうだよな。俺が病院に連れていってやることはできないから、冷えピタ取り敢えずつけるか。」
「らいくん、ありがと。」
そう言いながら海里は俺を上目遣いで見上げた。
普通にそれが似合う顔なのがすごいな。
「暑いか寒いかだとどっちか?」
「ん、...暑いかな。」
それを聞いて俺は海里の布団をはがして、薄いタオルケットをかける。
そして、保冷剤を持ってきた。
「これが解熱剤な。こっちが保冷剤。これらは海里がやりたいようにしていいよ。あと、お粥作ってくるから待ってろ。」
「うん...。」
海里が他にも言いたそうだったけど、俺は海里を楽にしてあげたかったから、てきぱきと動いて、台所にむかった。
ーー
その後、俺はお粥を作って海里に食べさせた。
食べにくそうにしていたから、あーんしてあげた。
そんなことをするのは小学校低学年以来だけど。
その時は顔が赤かったから、熱が高かったのだろう。
そして、海里が元気になったときにはゲームもした。
そして、気づいたら寝ていて、藍にいに起こされた。
「雷斗、ありがと~。お礼にチキンとご飯をどうぞっ。 あっ、雷斗の親には言ってあるから。」
「ありがと。」
小さな海里の部屋だけど、この三人がいるときにチキンを食べるのは昔を思い出す。
ちょっと食べていたら、海里が起きた。
「ん~。あれ~? お兄ちゃん帰って来たの~?」
「うん。ただいま~。」
「おかえりなさ~い。あっ、歯磨きしたらまた寝るね~。」
「分かったよ~。」
そう言って海里は洗面所に向かった。
海里、どうかしたのか?
えっ。
──こんなときに気づく俺も変だと思うけど、海里って、俺のこと好き、なのか?




