夢と現実
うーん。名を上げたいのは山々だけどさ。今から何かするのも面倒臭いしね。それに、苦労するのはちょっとイヤだよなぁ。
わかるよ。私も同じだ。やっぱりね、日々のほほんと無難に過ごしていくのがベストかも知れないよね。
そうやって無難に過ごしてるつもりで、日々の状況に流されていったら、将来どうなると思う?
いや別にそれが悪いってんじゃないんだ。それも一つの生き方だよ。実際、ホドホドに真面目に要領良くやってけば、そこそこ幸せな人生を送れるようになってる、大抵の場合は。身の丈に合った人生ってやつだな。
但し、だ。それはつまり、大衆に埋もれる人生になるってことでもある。モブ、だね。
そうじゃないんだよな。スゴい自分でありたい。カッコ良くありたい。特別な存在になりたい。そんな気分なんだよな。
いやいや隠さなくったっていいじゃないか。こんな時くらい本音で語ろうぜ。みんなに高く評価されて一目置かれたいんだろ?
わかるさ。私も同じだ。そして、決して手の届かない夢じゃないんだ。
ただね、残念だけどね。今日願ったら明日実現するってものじゃあない。ずっと願い続けて行動に表すことが必要だし、行動には適切な順序ってものもある。
俗に言う、地道な下積みだな。
本業の仕事の場合、一人前と言えるようになるまで約3年。一流と呼べるようになるまでは約10年も掛かる。少なくとも社会一般では大体そういう認識だ。本業でなければもっと時間が掛かる。
想像もつかないほど長いなぁ。でも、こればっかりは仕方がない。一応は根拠のある話なんだよ。1万時間の法則という。
とはいえ、ねぇ。溜息が出ちゃうね。
更に言えば、金銭面からの制約もある。汚い大人の論理だな。ヤダヤダ。
金銭について、今時はやっぱり十代から知っとく必要があるだろうってんで、考え方の基本を学校で教えてくれるようになった。中学高校で新しく始まった金融経済の授業だ。
私は、この動きは朗報ととらえてる。
ただ、ねぇ。軽く見てみたけど、基本中の基本を少しって感じ。全体的に物足りないし、更に言えば、若干偏ってる印象がある。
それこそ、汚い大人のフィールドへ引き込もうって魂胆が透けて見えるような気がするんだ。
そこの所は気を付けて欲しいんだけど、話したいのはそういう批判じゃない。お金の取り扱いを教育するようになった流れを歓迎するってこと。
お金は重要だよ。なぜか?理由はハッキリしてる。日本は資本主義の国だからだ、少なくとも建前はね。だからお金が大事なんだ。
そうは言ってもピンと来ないかな。あるいは資本主義という国家体制と、人生や生活の金銭面が結び付かないか。
基本は同じなんだよ。お金の扱い方に関する基礎理論を学ぶと、スケールが違うだけで基本は共通してるのが良くわかるようになる。
日商簿記。
これは重要だ。本当は金融経済教育で触れて欲しいとこなんだけどなぁ。時間の都合かな?商業高校では教わるみたいだけどね。
それと、お金の取り扱いそのものの経験だな。小遣いでゲームを買いましたってんじゃない。社会の中で収入を得るとはどういうことか。そしてお金が回るという実感。
百聞は一見に如かず、だよなここは。私はアルバイトを勧める。それも家業手伝いやら家庭教師やらじゃない。コンビニなど、システマチックな体制の中で接客を含む業務をやってみるのがいいと思う。
校則で禁止してる学校も多いかも知れないけどさ。そんなのはクソ食らえだ!いや失礼、言葉が汚いな。便を召しませ。綺麗になった気がしない。まぁいいや。
校則については先生方に頑張って欲しいけど、どうだろうか。絵に描いたような不良生徒が現役で実在した時代とは違うんだからさ。
バイトでそこそこ金を稼いだからって、薄暗いゲーセンで悪だくみでもないし。勉強の時間が足りなくなる?時間のやりくりなんざ、それこそ社会人になるまでに取得しとかなきゃいけない基本スキルでしょう。
とにかく、お金と経済について勉強するなら、実際に労働するのが一番いい経験だ。
それともう一つ。生活費について親に詳しく聞いてみよう。できれば家計簿を付けさせてもらおう、ついでに簿記の勉強も兼ねて。自分の家のお金の回り方が、えげつないくらいよくわかる。
欲を言えばね、確定申告もさせてもらうといい。日商簿記と並んで、私のお勧めだ。世の経済に関わる人達が、何を気にしてお金を使うのかがわかるようになる。
とまぁ、お金について語り始めると、私程度の人間でも話しておきたいことがてんこ盛りで止まらなくなっちゃうワケなんだけど。キリがないからこの辺でやめとこうか。
お金と人生の関係で言えば、つまり、お金を稼ぎつつ夢を追う必要があるってこと。
ここがポイント。
二兎を追う者は一兎をも得ずって言うよね。でもそれが要求される。だから難しいんだ。
ああ、お金を稼ぐだけなら簡単だ。他に全く何も気にしないならね。悪いことをすりゃいい。うん、良い子は絶対にマネしちゃ駄目だぞ。
そういう訳で、一目置かれる人間になるのは難しい。でもそれを目指すなら、難しいところをがんばらなきゃいけない。
そこで工夫が必要になる。次回はその辺について話そうか。