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プロローグ


 「美優さん、俺と付き合って下さい」


 告白の舞台として選んだ中庭は、まるで人気コスプレイヤーの撮影会の様に俺達を囲んでいて、全員が息を飲み、彼女の返事を待っていた。


 いつもの放課後のこの場所では絶対に見ることのない景色。


 緊張で少し渇いた喉に無理やり唾を飲み込ませる。


 俺の心臓が、彼女が答えるまでの時を刻むようにしてドクン、ドクンと存在感を出していた。


 「はい。こんな私で良ければ、よろしくお願いします」


 目の前に居る彼女、如月美優が微笑む。


 これで俺と彼女の関係は恋人となった。


 ああ、本当にありがとう。美優。


 これからよろしくな。



 ――――予行練習彼女として。

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