第14話 転入生
健吾と別れて、1週間が過ぎ、新学期が始まった。9月。
萌のクラスに転入生が来た。
ガラガラッ
「はい!静かにしなさい!今日は転入生が来たぞ!」
「えー?まじ!?みんなー!転入生だって!」
「まじ?うおー!カワイイ子かぁ!?」
「ほら!静かにしなさい!」
「入ってきて良いぞ!」
そこに入ってきたのは、
小柄で、髪の毛の長い、お人形みたいな女の子だった。
「おはようございます!名古屋から来ました☆上山栞です!」
そのこは高くてかわいらしい声で自己紹介をした。
クラスの男子のほとんどの目がハートになっている。
「じゃぁ・・・隣は岡本だ。」
「う・・うち!?」
すると栞ちゃんは萌の方を見て、にっこり笑った。
とことこと足音を軽く立てて歩いてくる。
「よろしくね♪」
「あ・・うん!よろしく☆」
この子はそれから・・・
萌といつも一緒で、いつの間にか、
お互いの悩み相談もするくらいになった。
隆生とは、少しいや、たまーに話すくらいだった。
なにか係が一緒だったりするとき、連絡で話したり。
ほんとにそれだけ。
でも、
9月の終わり、投稿中にたまたま隆生が一人で
歩いてるのを見つけた。
萌は走って隆生の所にいった。
「隆生おはよー!」
「え・・あ!?お・・・岡本!よっ。」
久しぶりに話しかけてきたので隆生が驚いた顔をしている。
「・・・元気?」
「ぇ・・・あぁまぁ・・・元気だけど?」
「そっか・・・」
「ぉぅ・・・」
少しの間沈黙が続いた。
先に喋り出したのは隆生だった。
「・・・岡本。」
「ん・・?何?」
「け・・・・健吾とはどうなってんだよ・・」
「健吾?あぁ・・・もう、別れたよ。」
「えッ?別れた・・・?」
「うん。夏休みに。引っ越したじゃん?あの日にむこうから・・・」
「なんで・・・?なんで別れたんだよ!?」
「・・・・・・・・・ウチにね。好きな人が出来たから。」
「え。。。?」
「ウン。だからカナ・・・。」
「ぁ・・・・そぅ・・・・」
「ま、岡本なら一人でも大丈夫だろ!」
「なにー!?一人じゃないしー!!!!」
「へーんだ!」
その日から二人はまた元に戻ったんだっけ・・・
デモ正直。
まだココロのどこかに健吾が居る気がした。
もう少しで中学生。
大丈夫。
健吾。
あなたの願いが萌が幸せになることなら。
健吾のために。
自分のために。
この願いをかなえて。
きっと・・・・いや絶対に幸せになるよ。
「幸せになりたぁーーーーい!!!」
萌が叫ぶときっと健吾はこう言う。
「何いってんだよ!もう幸せなんじゃねぇの?」
「・・・そうだね」
きっと忘れない。
健吾との日々を。
また今日も栞と隆生と笑って___
幸せな毎日を過ごすんだ_____________