第13話 突然の別れ
前回のあらすじ☆
萌と健吾は5ヶ月もの間付き合っていた。
でも健吾が突然引っ越すコトに・・・。
引っ越す日に突然「別れよう」と述べた健吾。
萌はいったいどうするのか!?
別れよう・・・・?
「な・・・なんで?」
「わかってんだぞ!」
「何が・・・・・?」
「お前・・・まださ、」
「うん・・・」
「隆生が好きなんだろ?」
なんで?
もう隆生は良いのに。
タダの他人。
「なんで?好きじゃないよ!」
「いい加減、嘘着くのやめろよ!自分に素直になれよ!」
・・・・・・。
萌は素直になって、この答えが出たんじゃないの?
「俺、分かってんだぞ。」
・・・・無言で居るしか出来なかった。
「いつも、お前は隆生を目で追ってたんだから。」
「え・・・?」
「隆生と廊下ですれ違うと目で追ってたり。」
「・・・・・」
「球技大会の時も、俺じゃなくて隆生を見てた。」
そういえば、そうなのかもしれない。
もう、あきらめたはず。
でも、涙が出てくる。
健吾の眼は、真っ直ぐで何でも見透かすような眼。
やっぱり、
健吾に隠し事は出来ないね。
「だから、お前は隆生との方があうと思う。」
「・・・ごめんね・・・」
「お前が泣くなよ!失恋したのは俺なんだから。」
「・・・ごめんね・・・ごめん・・・」
「そのかわり、約束。」
「・・・うん」
「絶対隆生と幸せになれよ?」
「うん・・・ありがとう。」
そのまま健吾は萌に優しくキスすると、
車に走っていった。
ありがとう健吾。
楽しかったよ。
今まで、最高の時間をありがとう。
きっと、健吾のコトは忘れられない。
ううん。忘れたくない。
今はまだ、隆生に思いを伝えることは出来ないかもしれないけれど・・
健吾に言われたんだもん。
伝えなきゃね。
萌はまた前を向いて歩き出す。
もう後ろは振り返らない。