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40〜嘘の使い道〜

 煙と共に去りぬ……



『…お前のやりたかったデブ専デザイン…』

 ボフッ#

『…ぽっちゃり界のファッションリーダー、やれ…』


「良いの? でも楓香の気持ちは?」

「ふぅむ……」

『…ひーほー、顔出し無しで済む方法があるぜ…』


 二人の顔がパソコン画面に向くと、写真を開いた。誰かも判らない程の大口でハンバーガーに噛り付く透子を亜子が撮った……



「出してんじゃん、思いっきり出してんじゃん。私を」

「え、あ、透子か……」

『…ひほっ、それ…』


 みた事か、と言いたげな零の素振りに戸惑う透子の顔は考えれば考える程に、え、まさか? とばかりの顔になっていく。


 それを口は笑い、目を見開き、眉をヒクヒクと上げ、さながらホラー映画に出て来そうなオモチャの様な動きに気持ち悪さを感じた。


「これが、ぽっちゃり界のファッションリーダーの顔になるって事?」


『…ひほっ、顔が出るのはプロフィールだけだ、気取らず愛嬌がある方がデブ…ぽっちゃり界の女にも好感持たれるだろ…』



 複雑な心境だが楓香ですら気付かない写真の顔に、私と気付けるとすれば……亜子だけだ。


『…それにだ、この写真を見て会おうなんて奴が居るか?…』


 この程度の愚弄は透子に……蛇に睨まれた蛙の零。

 それとは別で透子には解せない事がある。

 それは愛嬌と好感の定義だ。ぽっちゃり界隈に大食は、むしろイメージが悪いと知っている。



 何故なら自分が一番解っている……その記憶。





――OTUKARESAMADETH――


 透子のデスクに高々と積まれるお菓子の箱、これは営業の為の試供品ではない。

 営業先からのお土産や謝罪の品やとその日に配られたお茶菓子等だ。

 しかし、長林製菓営業部では自社製品の試食や接待で甘い物は正直食べ飽きていた。


 事に秋冬になるとそれは如実になる。

 ハロウィンや文化祭にクリスマスそして秋冬の味覚の栗や芋とクリームやケーキの多い事に。

 当然ベテランや老練な社員はひとつまみ口にし味と特徴を捉え売り文句を見つけ、上手く他の社員に配り交わしてさっさと出て行く。

 それこそが営業の腕でもある。


 しかしそんなベテランとは裏腹に仕事も出来ず特徴も解らずのまま何となくで営業をして現状維持している者も居る。

 そんな輩は当然交わすのも上手くはない、食べ切れない甘味を無理矢理下に見た者に押し付ける。

 押し付けた時点でその者の上下関係相関図を他人に知らしめ手の内を晒している事にも気付かずに。


 派閥争いにそんな馬鹿者が自陣に居れば即解体されてしまうだろう。


 しかし現実はそんな輩がのうのうと昇進してしまうから厄介な事になる。

 当然そんな社員が下に見るのは派遣社員やアルバイトに清掃や警備やだ。

 しかし、自分の会社にはその人達が居ないと成り立たないのだという事が理解出来ていない事をも晒し、経営者側には決してなれない事を表している。


 透子のデスクに積まれたそれはそういう物と共に女子社員からの陰湿な嫌がらせだった。



「不破さんってこういうの好きでしょ! 社員じゃないから中々持ち出し出来ないもんね」


「不破さんお腹減ってるでしょ! これ食べちゃっていいから置いとくね」


「不破さぁんこれ早く食べちゃって」

「不破さんはいこれ」



 最初の頃は皆の優しさだと思っていた。しかし、ある日営業から帰り給湯室の前で中から聞こえてきた女性社員達の会話は真実を知らしめるには充分な内容だった。


「……不破バキューム居なくなったらあの不味いの誰が処分すんのよ」

「派遣じゃなく清掃員扱いにしていいんじゃないの? 人件費削減出来て調度いいじゃん」


 女性ならではの陰湿な会話には飽き飽きする。さした怒りも湧かないのは、男が見るそれとは違う女に対する認識の違い故だろう。

 静かに営業部署の前に戻ると男性社員が


「まだあのデブいるのかよ、とっとと辞めてくんねえかなぁ」

「不破バキューム居なくなったらあの不味いの誰が処分すんだよ」

「だってアレ辞めなきゃ可愛い子も来ねえぜ! 何がぽっちゃりだ、チェンジだチェンジ」


 それを聞いた透子は泣く様な性格では無かったが、怒りをどうするかに迷っていた。

 その最中、不意に漂う煙草の残り香が鼻に入り老練社員が後ろに居る事に気が付き振り向くと肩に手を置き、すまなそうに口を開いた



「この会社はもう駄目だ。これから先、更に利権に頼って政治の渦に巻かれて行く器だけになる。私はもう辞めてライバル社に行く。不破さん、こんな馬鹿共に関わるだけ損だ。新しい派遣先に行った方が良い」



 そう言い残し二ヶ月後、透子は彼等にハメられ女性の多いお店の担当にされ特有の苦情により追い出し部屋送りになったが、あの老練社員が上役に上申し透子の名誉を回復し煙草の残り香を漂わせ辞めて行った。



――SHUBO――


『…ひほ、火、火を、そのライターで何を…』

「煙草はやらんのか?」


『…火ほ、吸えない体に成りまして…』

「残念だな。で、その写真見て何だって?」


『…写真は、プロフィール…他に考えます…』

「だよな」


――FUH――



 近年のグローバリズムという横暴な思想は経営の基本理念をも破壊し、人を人とも思わない生産性という金の亡者に都合のいい言葉をメディアに載せ、馬車馬処か機械の様に扱い人件費はおろか人権をも削減していった。


 それは人の心も巣食う闇を国中に覆い被せ、弱者を叩き正義面で嘘をばら撒き二極化させ、一方を悪と(ののし)(あお)り従わない者を生産性を損なう原因と称し、脅しに給料カットの言い分や増税の具に利用しと風説の流布を繰り広げ、

 嘘で儲けた金はニ十年以上前に金皮県知事が企業や市長やと共に博覧会で税金を企業に配り横領しその後、県民にはグリーン税なる借金返済の増税、それでも足りない返済と一部の利権団体に上前が流れている。


 その先頭に居たのが沢抹(さわまつ)踏滋(ふみしげ)議員だった。

 コウモリ議員と呼ばれ新党を立ち上げては壊し政党助成金交付金を奪って解党離党し、その金で新党を立ち上げ党首に金をチラつかせ選挙では比例代表選出議として当選順位が上になり、そうして議員にしがみつき参議院の6年保証を奪い犯罪の逮捕を免れ、更に偽薬を裏社会に流して利権を肥やしている。


 床鍋とは別の協会に属しているが、表では弁護団体を担ぎ世界の協会を利用し繋ぎ役として保守を名乗り、裏では偽情報を流し世界の協会に自国を叩かせる売国を続けていた。




【床上製薬駐車場】

「まさかあの娘の件を取引に使ってくるとはな、あれは脅しのつもりか? まあこれで床鍋も協力するだろ。ここからだな」


「目線逸しに自転車叩きと煙草の健康被害でも流しておきます。おい、遠藤と高足はまだか?」


「次は長林か? その前に田中を呼び出せ、アイツはまたテレビか?」


 


 グローバル・イズム……地球規模の考え

 経済や人種の枠組みを世界中で合わせましょう。的な話で、何故に国民や地域市民やの為の役所がグローバリズムの生産性を持ち込み撤廃……嫌煙やらとそれとは全く別の話で、完全なる詐欺の様な話が過去の記事に延々と……

 気を付けよう、甘い言葉とうまいタネ。

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