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106〜勇気の一歩〜

 向かうひとつ屋根の下には……



「早くぅ、殺して見せてよお」


「だからぁ違うって、ただ殺すだけじゃ面白く無いでしょ!」



 内縁の妻の喪積(もつ)(いずみ)は、鈴木の息子に見抜かれて境界線詐欺を失敗したせいで、取らぬ狸で奢らせていた河西(かさい)から小言を言われる度に苛つきを募らせていた。


 門を開け帰宅を出迎えた胡唆(うさ)三太(みた)は、数日前に話した事を再度説明し小声でなだめ隣家の壁と建物の影に押しやり落ち着かせるが喪積(もつ)は酔っているのか収まらない。



「じゃあ、自治長騙して黒子(ホクロ)要請したんだからもう殺すんでしょ? 早く殺してよぉ!」


「違うって! 殺すだけじゃ奪えないから序でに被害者装って……」




「だったらもう要らねえ自治長殺して自治長の座早く貰えよ!」

「シィーーッ」


 建物の脇から顔を出し、焦りの顔を周りに向ける胡唆(うさ)

 まだ吠えそうな喪積(もつ)を無理矢理に家の中へと連れ込み玄関扉を勢いよく閉め、二つ隣の通りにまで開閉音を響かせた。



――DOBAAAAANN!!――




 その轟音にヘッドホンを外し耳を撫で(さす)る男は、近くのドラッグストアに停めた車の中に居た。


 目と鼻のスーパーとドラッグストアの駐車場を交互に移動し微弱な電波を拾い盗聴していた男は、初めて欲しかった情報を得られた事に笑みを浮かべ再びヘッドホンをはめる。


 が、スグに外す。妨害電波だ!


 それは依頼者から聞いてはいたが、ここまでとは思っていなかった。床鍋の兵器が電磁場に影響を及ぼし電波を歪める事も、それは精密機器にも、人体にもと……


 そして盗聴電波がバレる可能性にも言及されていたが、男は試しに屋根の雨樋に仕掛けていた。


「頼むぞ、しっかりとって来いよ!」


 仕掛けて数日、電池式故に役目を終える最後の最後に録れた証拠を握りしめ、仕掛けた物の回収に車のドアを少し開け籠の猫を放した。



――NNNYA――



 時同じくして鈴木家では、息子が頭を抱え痛みに悶絶していた。


 身体の彼方此方に日焼け痕の如く皮膚が赤みを帯び、部分的には火傷の水膨れ状態。

 頬の荒れや腫れや抜け毛、酷く乾燥した場所に居た時に起こる肌症状を併発し、原因不明の腰痛と耳鳴り。

 更には、寝れない程の低周波振動により睡眠不足に悩まされていた中での事に。


 それでも、性格故か耐えていた。原因究明と対策を考えながら……




 その内の一つはスマートメーターの交信電波が関係している事に気付く。


 通常のそれは問題にならないが、ある条件下では兵器と化す事を、電波と電波が交差する電波干渉問題関係から答えを導き出していた。




 それはテレビの地デジ化に伴う電波塔増設時の記憶がヒントになった。


 アナログテレビ当時、鈴木家の辺りは一部VHF放送局の映像が乱れる迄はいかないものの色味がズレていたり、縦巾市に在るUHF局の放送が完全に映らない状況だった為に地元ケーブル局に入る事となる。


 地デジ化に際しては法改正した政府の目玉的な電波利権事であり、総務省は電波法問題にも通ずる話である事から、事業局として放送電波を安定的に改善する必要があった。


 その為、地域別に観れる元VHFと元UHF放送局を区域分けした。

 何故ならそれまでローカル放送電波扱いしていたUHFと言う短波的な特性の周波数帯域こそが、地デジの放送電波になるからだ。


 勿論、周波数帯域は同じだが電波出力量が違う為、扱える情報量も格段に上がる。



 そのお陰でフルハイビジョン画質に4Kや8Kやと画質向上にデータ配信等と、局内分割放送等が可能となる。





 しかし、その放送電波を安定して届ける為に必要な、電波塔の整備には不可解な点が幾つも在る。


 ○その一つ、電波が重なってはイケない。


 電波塔が発する放送電波を円で電波強度単位で刻み囲い、別々の電波塔から発する電波の円と円が重なってはイケない。(円外の弱い電波は無視)


 それは同じ強度の周波数電波が重なると変調され、電波を歪め視聴だけでは無く機器にも問題を起こす電波使用者側に関する常識だ。


 勿論、電波利用者は知る由もなくただデジタルUHF対応のテレビをアンテナに繋げれば良いとだけ伝えられていた。





 当時、不安定な電波干渉地域に対する説明は殆ど無く、総務省も事業者もメディアでの宣伝ばかりでタレントが「地デジ化」と言えばどんな内容でも番組に総務省からスポンサーとしての広告料が入る仕組みに……


 利権に媚びる半端な芸人達が「地デジ化」を連呼するだけの番組が横行していた。



 しかし、当時そのスポンサーは総務省である。


 それは国民の税金なのだという自覚も無いタレント芸人達や番組スタッフや放送局やの懐に入って行った。


 何処ぞの国営? 放送に至っては税金の二重取りだが、国税局も国営? 放送を追求すると言っている党もそこの追求をしていないのは何故か。



 そうして、とてつもない額を無駄に垂れ流させ、税金を食い物にした芸人や放送局は現在もニュースやワイドショーやで偉そうに語り、利権のお溢れに媚びなあなあに権力者を擁護し腐ったテレビは今も尚、ロケや報道の移動にGOTOキャンペーンを使い税金を食い続けている。


 本質を知る中年層や、近年は若者からも見切られて行く中。


 その芸人達はその後も利権に媚び続けており、現在に至っても車屋利権に媚び自転車叩きや煙草叩きに明け暮れ

 バラエティ番組で共感を訴え子供達を笑いに織り交ぜ洗脳して行く者や

 報道番組のコメンテーターとして並び広告主のご都合叩きを連呼するタレント芸人達



 それ等が映る度、見る価値が無い事に気付きテレビを消す鈴木だが……





 当時、映らない局が在った鈴木はそのあまりにも雑な宣伝と説明の無さから、電波塔の位置を調べていた。



 そして、円はある程度の高度の丘や山やビルや、電波妨害される基地や飛行場やで形を崩し、微妙な囲い迄を示す地デジ放送電波の詳細地図を視る事が出来た。


 円が届かぬ地域と円と円の狭間の地域に対して、新たな電波塔の設置により高い電波強度の円が重なる事となった地域の存在に気付く……


 更にその数年後、関係が無いかと思われていた鉄道関係の電波塔が撤去された事で起きる影響にも気付き、不可解に思い鉄道マニアに確認すると思わぬ発見があり……


 結果、電波塔の設置と撤去により影響が及ぶ地域が在ると判明する。


 それはスマートメーターの交信電波が及ぼす影響も同じだと知れた。


〈藤さん達に頼る前にやれる事は……〉


 透子や藤真の動行は知る由も無いが、独自に原因を突き止め独り決起し対策を講じ始めた鈴木。





 しかし、その対策に合わせてスマートメーターを弄くりまわす連中が毎日のように近隣を出入りしていた。


 勿論それは電力会社とは別の組織体として活動する電気工事士の、(おおやけ)の会社として床鍋の悪行に加担する組織企業の一つだった。




 胡唆(うさ)は嘘を使い騙した者と嘘を撒いた仲間達と数の力で対策を封じる。


 毎日朝から向きを変え位置をずらし対策の効果が無いかのように偽装し、まるで鈴木が見当違いの事をしているかの如くに見せかける為、胡唆(うさ)は実験と称して動員した組織の人員に、対策された鈴木家の穴探しを任せる。


 見付けた穴の報告に喪積(もつ)の協力関係にある福山や久美等が、更成る風雪の流布をし、新たな嘘に騙された者を協力させ対策の穴を突く。


 それを胡唆(うさ)は、掻下(かきもと)飯田(はんだ)等に自身の科学者としての博識として見せ、知の地位境界(カースト)線を引いて立場を向上させる。



 だが、鈴木はそれにも気付き対策の手を強め必要な物を買いに出た折、大量の追跡者が周囲を覆い尽くしている事に気付かされた。




 それは科学者と(のたま)胡唆(うさ)が予定を狂わされた事に対する報復に、数の力を見せつけ黙らせる目的だった。



 とはいえ、先手必勝なのは将棋を見ても明らかで、攻守も矛楯なら拮抗するが銃と盾では話は違う。



 そんな事すらも我慢出来ない稚拙な傲慢さ故に、それ等とは別の電磁場に関する新たな兵器まで胡唆(うさ)の庭に設置され、帰宅した鈴木の部屋に様々な電波障害を起こした……




――GGURUNYAAAAAAHH!!――



 胡唆(うさ)家の屋根で何かを咥え歩いていた猫が突然鳴き叫び、体を這う静電気のような不快感から逃げるように道に飛び降り走り去って行った。


 その鳴き声に、巣にしていた胡唆(うさ)家の屋根裏からハクビシンが顔を出し、隣近所の家や庭木や草花に水槽の魚やを荒らしに出向いて行った。



 それは、コソコソと近隣住民に虚偽で騙し兵器を仕向け、いたぶり殺しを遊びの如くに扱い、人を嘲笑い奪う胡唆(うさ)喪積(もつ)そのものの行動だった。



――SARSVIRUS――


 


 電波干渉計。

 5GもWifiも同じく、有名な幽霊退治映画もその常識を元に交差させてはならぬと言い……


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